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第一幕〜リュカ〜
23 10歳 初めての口付け ※
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どうか早く傷が治りますように。
願いを込めて、兄の額にできた傷に舌を這わせる。
金臭い血の匂い。
でも、それはなんて甘いんだろう。兄の命の匂い。
子猫の傷を母猫が舐めるように。
俺は夢中になって兄の傷を舐め続けた。
そういえば、子供の頃、母は俺の傷口を舐めて治してくれた。
「いたいのいたいのとんでけ」そう言って指を舐められると不思議なほど、痛みが遠ざかっていったものだ。
「にいちゃん、にいちゃん、早く治りますように」
俺は必死で兄の傷を舐め続けた。
「リュカ、リュカ、もういい、もういいから」
戸惑ったような兄の声に我に返る。
「にいちゃん。だって、早く治すためには舐めないと・・・」
「おいおい、私は猫じゃないんだよ」
兄の苦笑が聞こえてきた。
「だって、にいちゃんが、にいちゃんが・・・」
兄が俺の顔を覗き込んだ。その目に宿る悪戯っぽい笑いに心底ホッとする。
「もう大丈夫だから」
そう言うと兄は俺を引き寄せ、膝にまたがるようにして座らせた。
この一年で兄は随分と大きくなった。
俺も背が伸びたけど、もともと大きかった兄はどんどんと成長を続け、もう180センチはゆうに越している。
俺との身長差は40センチぐらいあるから、全然大きさが違う。
まるで子供をあやすようにして兄の膝に座らせられると、ちょっと反抗したい気分になる。
「にいちゃんのバカ」
そう言って、兄に抱きついた。
「ははは、相変わらず私の弟は可愛いな」
当たり前だが、相変わらずの弟扱い。
俺は弟以上の存在になりたいのに。
むくむくと反抗心が強くなっていく。この兄を驚かせたい。
ちょっとした悪戯ごころも手伝って、俺は兄の頬にキスをした。
そのまま、顔じゅうにキスを浴びせ続ける。
「おいおい、リュカ、だめだ、やめろ。こら、くすぐったいだろ」
兄は本気で嫌がってはいないらしい。
くすくす笑っている。
俺も面白くなってきた。もっと驚かせてやれ。
俺は兄の唇に向かい舌を突き出した。
その瞬間、それまで笑っていた兄は、びくりとして頭を後ろに反らせた。
なんで?
「ダメなの?」俺はふくれっ面で言った。
「ダメじゃないけど」困ったような兄の顔。
「ダメじゃないならいいじゃん」
「うーん」兄は困ったように眉根を寄せた。ふんっだ。俺は悔しくなって兄の唇をペロリと舐めた。
次の瞬間。俺は兄に抱きしめられていた。
兄の唇が俺の口を塞いでいる。
薄く開いた唇が俺の舌を吸い、そのまま絡め取っていく。
気持ちが良くて、腰が抜けそうになる。
ずっとこのままでいたい。
俺たちがどれくらいお互いの唇と舌を貪りあっていたのかわからない。
ただ、心配したベネディクトの声が遠くで聞こえてくるまで、その口付けは続けられた。
俺の体を離した兄の股間は腫れ上がっていた。俺だけじゃないことが、めちゃめちゃ嬉しく、そして兄をそんな状態に追い込めたことが、心の底から誇らしかった。
それからというもの。
俺たちは隙をみては、互いの唇を貪るように唇を重ねた。
兄の唇はまるで麻薬のよう。
一度知ってしまったらもう戻れない。
それまでどうやって生きてきたのかわからない。
兄の唇なしでは生きていけない。
激しすぎるキスで少し腫れた唇にそっと触れると、なんとなくそこに兄を感じられるような気がして嬉しくなる。
どうか、ずっとこのままで、俺とのキスに夢中になってくれたらいいのに。
朝も、兄が学園に行っていない昼間も。
帰りを待ち続ける夕方も。
ずっとずっと兄を思っている。
人目を盗んでは兄と唇を重ねる。
なんとなく、人に見られてはいけないことをしている自覚はあった。
俺みたいな虫けらと違って兄は未来の公爵様だ。
あの父ですら、人前では完璧な公爵として振舞っている。
俺が兄の足かせになってはならない。
わかってはいても、兄との口付けはやめられなかった。
こっそりと、人目を忍んだキスは蜜の味だった。
図書館でも、廊下でも、木陰でも。
唇が触れた瞬間。音が消える。この世界にいるのは俺とにいちゃんだけ。
このまま世界が終わっても、後悔なんて一つもない。
「にいちゃん、だーいすき」
「うん、私もだよ。リュカが好きだよ」
「もっとぎゅっとして」
そう甘えると、兄はぎゅっと俺を抱きしめてくれた。
もっと近づきたい。もっと、もっと。
にいちゃん、だーいすき。
願いを込めて、兄の額にできた傷に舌を這わせる。
金臭い血の匂い。
でも、それはなんて甘いんだろう。兄の命の匂い。
子猫の傷を母猫が舐めるように。
俺は夢中になって兄の傷を舐め続けた。
そういえば、子供の頃、母は俺の傷口を舐めて治してくれた。
「いたいのいたいのとんでけ」そう言って指を舐められると不思議なほど、痛みが遠ざかっていったものだ。
「にいちゃん、にいちゃん、早く治りますように」
俺は必死で兄の傷を舐め続けた。
「リュカ、リュカ、もういい、もういいから」
戸惑ったような兄の声に我に返る。
「にいちゃん。だって、早く治すためには舐めないと・・・」
「おいおい、私は猫じゃないんだよ」
兄の苦笑が聞こえてきた。
「だって、にいちゃんが、にいちゃんが・・・」
兄が俺の顔を覗き込んだ。その目に宿る悪戯っぽい笑いに心底ホッとする。
「もう大丈夫だから」
そう言うと兄は俺を引き寄せ、膝にまたがるようにして座らせた。
この一年で兄は随分と大きくなった。
俺も背が伸びたけど、もともと大きかった兄はどんどんと成長を続け、もう180センチはゆうに越している。
俺との身長差は40センチぐらいあるから、全然大きさが違う。
まるで子供をあやすようにして兄の膝に座らせられると、ちょっと反抗したい気分になる。
「にいちゃんのバカ」
そう言って、兄に抱きついた。
「ははは、相変わらず私の弟は可愛いな」
当たり前だが、相変わらずの弟扱い。
俺は弟以上の存在になりたいのに。
むくむくと反抗心が強くなっていく。この兄を驚かせたい。
ちょっとした悪戯ごころも手伝って、俺は兄の頬にキスをした。
そのまま、顔じゅうにキスを浴びせ続ける。
「おいおい、リュカ、だめだ、やめろ。こら、くすぐったいだろ」
兄は本気で嫌がってはいないらしい。
くすくす笑っている。
俺も面白くなってきた。もっと驚かせてやれ。
俺は兄の唇に向かい舌を突き出した。
その瞬間、それまで笑っていた兄は、びくりとして頭を後ろに反らせた。
なんで?
「ダメなの?」俺はふくれっ面で言った。
「ダメじゃないけど」困ったような兄の顔。
「ダメじゃないならいいじゃん」
「うーん」兄は困ったように眉根を寄せた。ふんっだ。俺は悔しくなって兄の唇をペロリと舐めた。
次の瞬間。俺は兄に抱きしめられていた。
兄の唇が俺の口を塞いでいる。
薄く開いた唇が俺の舌を吸い、そのまま絡め取っていく。
気持ちが良くて、腰が抜けそうになる。
ずっとこのままでいたい。
俺たちがどれくらいお互いの唇と舌を貪りあっていたのかわからない。
ただ、心配したベネディクトの声が遠くで聞こえてくるまで、その口付けは続けられた。
俺の体を離した兄の股間は腫れ上がっていた。俺だけじゃないことが、めちゃめちゃ嬉しく、そして兄をそんな状態に追い込めたことが、心の底から誇らしかった。
それからというもの。
俺たちは隙をみては、互いの唇を貪るように唇を重ねた。
兄の唇はまるで麻薬のよう。
一度知ってしまったらもう戻れない。
それまでどうやって生きてきたのかわからない。
兄の唇なしでは生きていけない。
激しすぎるキスで少し腫れた唇にそっと触れると、なんとなくそこに兄を感じられるような気がして嬉しくなる。
どうか、ずっとこのままで、俺とのキスに夢中になってくれたらいいのに。
朝も、兄が学園に行っていない昼間も。
帰りを待ち続ける夕方も。
ずっとずっと兄を思っている。
人目を盗んでは兄と唇を重ねる。
なんとなく、人に見られてはいけないことをしている自覚はあった。
俺みたいな虫けらと違って兄は未来の公爵様だ。
あの父ですら、人前では完璧な公爵として振舞っている。
俺が兄の足かせになってはならない。
わかってはいても、兄との口付けはやめられなかった。
こっそりと、人目を忍んだキスは蜜の味だった。
図書館でも、廊下でも、木陰でも。
唇が触れた瞬間。音が消える。この世界にいるのは俺とにいちゃんだけ。
このまま世界が終わっても、後悔なんて一つもない。
「にいちゃん、だーいすき」
「うん、私もだよ。リュカが好きだよ」
「もっとぎゅっとして」
そう甘えると、兄はぎゅっと俺を抱きしめてくれた。
もっと近づきたい。もっと、もっと。
にいちゃん、だーいすき。
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