全寮制男子校

26

翔と和也に小言を言われ続けたがやっと開会式が始まった。
体育委員長の開会宣言で球技大会が幕を開ける。一気に身体が滾りテンションが上がる。


各種目は同時進行で試合をして行くので慌ただしい。
俺の初戦は和也と一緒のバレーからスタートだ。


「よし！体育館いくか」


「おぅ！頑張ろうな」


「翔もサッカー頑張ってくれ」


「余裕」




各々行動する。
バレーの一回戦目は後輩の1ーCのクラスだった。
バレーとバスケチームは比較的に身長の高い人選をしてる為に成長途中の一年生には悪いが圧勝だった。チーム一丸となって打破して勝つ。
途中チームメイトのスキンシップ勢が凄いと思ったが楽しかったので気にならない。



「ちっ…触らせ過ぎだっての…」





「点取ったら自然にやるだろ？和也…機嫌…治せよ」



背の大きい和也の頭を撫で上げる。目が細まって気持ち良さそうだ。
言っとくがこんな事お前らにしかやらないからな。
（後輩にしてる事を忘れている）



「良し！一回戦終わったから次はバスケの方に行くか…和也は今度テニスだな。二回戦目のバレーの時また頼む」


「ハイよっと！」



「っ！こら…」



去り際に尻を揉まれた。立派なセクハラを堂々とするなアホ。
一回戦のサッカーを無事勝ってきた翔と合流する。



「さっき尻揉まれたろ？後で覚えておけよ…」



「俺の所為じゃないだろうが！ったく。さぁっ試合行こうぜ」




バスケとバレーは同じ体育館なので移動が楽で助かる。二人には悪いがな。
バスケの対戦相手はなんと2ーA生徒会が居るチームだ。バスケの種目にはバ会長が出ていた。
まぁ…俺には関係ない。でけぇ翔をセンターに置いておけば中と外で攻撃が出来る。

試合が始まる…。
翔のボール捌きに良い動きだと素直に思う…。
会長もそれなり運動神経が良い。それに頭も良いとか嫌味なヤツだ。
しかし会長を抑えるだけで余裕で点が取れる。
俺と翔が点を取っても会長が取っても会場は凄い歓声だ。やはり面白い。
最後のブザーが鳴る瞬間思い切り跳び上がり会長の頭上で思い切りダンクを決める。あぁ…気持ちが良い…。




「クソッ！お前らの所為だぞ！ちゃんと仕事しろよ」



会長が負けて悔しいの同じチームのヤツらに当たり散らしている。
情けねぇ…。
最後の整列でつい言葉が出でしまった。



「あんたも大概弱ぇよ」



「あ？何だと？ふざけてんのか？」




会長が掴み掛かってくる。
折角試合で楽しかったのに気分が台無しだ。前と同じく胸倉を捕まれどうしようかと考える。
よし…少しお仕置きしてやろう…ムカつくし。



「その反応が自分で弱ぇって言ってんだよ」



「ぐっ！あっ！」



俺の胸倉を掴んでる手を捻り上げ外して会長の足を薙ぎ払い倒す。俺の足元に崩れた会長に近付きニッコリ笑って言った。



「もっと会長らしくしてくれよ…」



「はっ！な…」




何故かその場から動けない会長を無視して翔に声を掛ける。



「よし！次は俺またバレーだから。翔も勝ってくれ
よ！」



「あぁ…絶対勝ってお前に解らせてやるよ…」




凄いオーラを撒き散らしながら消えた。戻ってきた和也も不機嫌で翔から何か聞いたのか？仕切りに終わったら覚悟してろと言ってくる。
何をだよ…。面倒くさいから適当に返事をしといた。


早速二回戦目対戦相手は3ーAで元生徒会連中がいる一番の強敵だった。
三年生は体も出来てるからバレーで勝つためには頭も使う。
俺が積極的にトスを上げ190㎝ある和也が物凄く重みのあるアタックを決めていく。
背は小さいが瞬発力があるクラスメイトがボールを拾ってくれるので圧勝では無いが何とか勝った。
やはり三年は強い。
勝った時は皆んなで抱きあった。
もちろん和也はセクハラをしてきた。ちゃんとバレない様にするから狡い。



二回戦目が終わってお昼になった。
三人仲良く昼飯を食べて午後に向けて鋭気を養う。
少し気になる事と言ったら二階席にいるハズの会長がワカメと下で食べているのは良い。
何故…こちらをガン見しているのか…？
上からは変態書記の視線も感じる…。
気分がわりぃ…さっさと体育館に移動した方が良いな。この視線の所為で二人の機嫌も悪くなってる。



午後は特に問題もなくスムーズに進んで良かった。
サッカーでは若潮と橋本が翔にボコボコにされバレーでは変態書記と当たったが和也のアタックを顔面で受け取り再起不能になった。

そしてテニスを選んでいたワカメが和也に付き纏いブチギレを誘って殴られ再起不能。
…和也何気に容赦ないな。


無事四種目優勝し総合優勝で俺の目標は達成できた。やはり運動は良い。
朝には最悪だった気分も今は最高だった。
一つ残念だったのは卓球が負けてしまった事か…。
それは別に良いんだけどな…卓球に出ていた選手が号泣しながら謝って来たのにはビビった。

慰めるのにすげぇ時間を使った…。
顔を近付かせて涙と鼻水を拭いてやったら鼻血を出して走って行ったが大丈夫だろうか？
まぁ…閉会式には居たから大丈夫か？はぁ…無事終わってよかった。


「ありがとうな二人とも！本当に助かった。これで皆んな学食無料だ」



「気にするな。お礼は夜貰うから」



「はぁ？…やっぱりマジだったのか？」



「当たり前じゃん。だから頑張ったんだぜ？てかさ…
もう我慢できねぇ…」



やべぇ…。和也の眼と雰囲気が変わった。

これからSEXする…のか？嫌じゃ無いが今までに無い変な緊張が襲ってくる。
少し背中が震えた。




「逃がさねぇよ？」






翔に手を引かれ球技大会が終わったグラウンドを後にする。逃げないように和也は俺の後ろから付いてきた。






用意周到ですね…。