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何か…すげぇ久しぶりの学校だな…。
今俺は登校中。頭にはまだ抜糸が済んで無いのでガーゼが付いてる。
玄関の下駄箱で靴を履き替えていると通り過ぎる生徒達が俺を見て眼を見開いて居た。随分人気者になったな俺。
まぁ何となく理由は分かっているから気恥しい。病院に運ばれた時気を失っていて良かった。
少し顔を赤らめてしまう。それに対しても周りの生徒は声を上げているから止めて欲しい。
「はぁ…そんな顔したらダメだって」
和也が俺の頭に手を置き顔を下に向ける。
どんな顔だよ…ってか俺の顔に周りが反応してる訳がない。
「それよりも早く行くぞ」
翔に促され歩き出す。俺もこの空間は嫌なので翔に付いて行く。
「来たか…身体は大丈夫か?」
「ん?あぁ。会長か…あんたには迷惑掛けたな…。本当にすまない」
一階の廊下で俺を待って居たのか会長が立っていた。その表情は何て言ったら良いか分からない。
俺が頭を下げたのが以外だったのか苦虫を潰した様な顔に変化した。
俺何かしたか?ったく…ひでぇ顔だ…。
「っ!違うだろ!お前は何も悪く無い。謝らないでくれ!」
「そうか?あの一年があんな行動に出たのは少なくとも俺に原因があるからだろ?俺はそう思ってる」
「違うっ…お前は悪くない!俺たちが贔屓してあいつを好きにさせていた…本当にすまねぇ…」
「ってかアンタが謝るのは違うだろ?」
俺の肩に腕を回して翔が会長を見やる。二人しか分からない何かがあるのか?翔を見た会長が狼狽している。
「分かってる。この謝罪は俺のケジメだ…。もう幸哉も眼を冷ましている…。皆川には悪いが祐の処分は二週間の謹慎にした。それで問題ないか?」
そうか処分決まったのか…。俺に聞いて来るって事は俺が被害者って事か?(おい…)今まで気付か無かったた。(おい…)
「俺は別に処分何て求めてねぇよ。それよりも処分したらあいつ暴れたりしねぇのか?」
あの世界は自分中心に回ってると思ってるヤツが黙って謹慎処分を受けているのが俺には信じられない。
「まぁ色々あって精神的に不安定なんだ。もう皆川には関らわせない。約束する」
そこまで言うなら自信があるのだろう。俺は深く考えず頷く。
「それならもう良い。この話は終わりにする」
何時までもここに居る訳には行かない。教室に移動する生徒も増えて来ている。俺はもう話す事は無いと歩き出す。ってかこのメンバーだと視線がすげぇな…。
会長の横を通り過ようとしたその時グッと腕を掴まれる感触が来た。
「ん?まだ何かあるのか?」
会長が俺の腕を掴んで何も言わ無い。
何か話すことがあるんだろか?一応話すまで待ってやる。
「俺の…名前は…鳳勝利だ。会長じゃなくて名前で呼んでくれないか?」
何を言ってんだ?あぁ…そうか…。
俺は会長の名前を言ったこと無かったのか?まぁ興味もな無かったし俺の人生には関係無い存在だった。
でもな会長が居なかったら俺は階段の踊り場で放置だったろうし感謝の気持ちもある。
必死な顔でこちらを見つめている会長に少し笑ってしまう。
「ふっ…そんな事で良いのか?それじゃ勝利と呼ぶわ。良い名前じゃねぇの。俺の事は剛で良い」
「くっ!…あぁ…ありがとうっ」
勝利に掴まれていた腕が急に引かれる。
気づいたら厚い胸板にぶち当たっていた。
鼻がいてぇ…。その瞬間勝利の両腕に包まれる。勝利に抱き込まれその場の時間が止まった。
『きゃーー!!!カメラ!カメラ!早く!』
『僕幸せだぁぁぁ!』
『鳳様の顔みて!幸せそぅダア゙ア゙ア゙ア゙ア゙!!!』
一気に上がる歓声に二人がいち早く動く。俺を引き離し二人が今度両サイドから抱きつく。
『今度はこっちかーー!!!』
『ダメだ!僕…泣いちゃうっ!!!』
『泣くなっ!勿体ないだろ!目に焼き付けるんだっ!』
「クソっ…また増えた」
「俺…もう不安しかねぇーよ!」
二人にグイグイ抱きつかれ俺の思考も動く。そうか…俺は勝利に抱きつかれて居たのか?
何でそんな事するのか分からない。首を傾げてしまう。
ってか周りがうるせぇ…。
この騒がしい原因を作ったヤツを見ると自分でも何したのか分から無いんだろう。ビックリしていた。
取り敢えずこれは分かる。ここに居てはダメだ。
抱きついてる二人を引き剥がし腕を取って逃げる。
勝利は置いてきても大丈夫だろう…多分。
クラスに入っても質問攻めで本当に疲れた。教室に和也と翔が居ることに安心したのか先生が少し泣いてる。
俺の入院中もよく顔を出してくれていた良い先生だ。余り迷惑を掛けないようにしたい。
俺の元気な姿が皆を安心させたのか一時間目が始まる頃には粗方落ち着いた。ふぅ…肩の力を抜く。
色々あったな…。でも何かあった時傍に居てくれたのが二人で良かった。やはり俺には和也と翔の存在が大きい。
まだどんな気持ちか分からないが俺を守ってくれた様に俺もこの二人を守ってやりたい。
今俺は登校中。頭にはまだ抜糸が済んで無いのでガーゼが付いてる。
玄関の下駄箱で靴を履き替えていると通り過ぎる生徒達が俺を見て眼を見開いて居た。随分人気者になったな俺。
まぁ何となく理由は分かっているから気恥しい。病院に運ばれた時気を失っていて良かった。
少し顔を赤らめてしまう。それに対しても周りの生徒は声を上げているから止めて欲しい。
「はぁ…そんな顔したらダメだって」
和也が俺の頭に手を置き顔を下に向ける。
どんな顔だよ…ってか俺の顔に周りが反応してる訳がない。
「それよりも早く行くぞ」
翔に促され歩き出す。俺もこの空間は嫌なので翔に付いて行く。
「来たか…身体は大丈夫か?」
「ん?あぁ。会長か…あんたには迷惑掛けたな…。本当にすまない」
一階の廊下で俺を待って居たのか会長が立っていた。その表情は何て言ったら良いか分からない。
俺が頭を下げたのが以外だったのか苦虫を潰した様な顔に変化した。
俺何かしたか?ったく…ひでぇ顔だ…。
「っ!違うだろ!お前は何も悪く無い。謝らないでくれ!」
「そうか?あの一年があんな行動に出たのは少なくとも俺に原因があるからだろ?俺はそう思ってる」
「違うっ…お前は悪くない!俺たちが贔屓してあいつを好きにさせていた…本当にすまねぇ…」
「ってかアンタが謝るのは違うだろ?」
俺の肩に腕を回して翔が会長を見やる。二人しか分からない何かがあるのか?翔を見た会長が狼狽している。
「分かってる。この謝罪は俺のケジメだ…。もう幸哉も眼を冷ましている…。皆川には悪いが祐の処分は二週間の謹慎にした。それで問題ないか?」
そうか処分決まったのか…。俺に聞いて来るって事は俺が被害者って事か?(おい…)今まで気付か無かったた。(おい…)
「俺は別に処分何て求めてねぇよ。それよりも処分したらあいつ暴れたりしねぇのか?」
あの世界は自分中心に回ってると思ってるヤツが黙って謹慎処分を受けているのが俺には信じられない。
「まぁ色々あって精神的に不安定なんだ。もう皆川には関らわせない。約束する」
そこまで言うなら自信があるのだろう。俺は深く考えず頷く。
「それならもう良い。この話は終わりにする」
何時までもここに居る訳には行かない。教室に移動する生徒も増えて来ている。俺はもう話す事は無いと歩き出す。ってかこのメンバーだと視線がすげぇな…。
会長の横を通り過ようとしたその時グッと腕を掴まれる感触が来た。
「ん?まだ何かあるのか?」
会長が俺の腕を掴んで何も言わ無い。
何か話すことがあるんだろか?一応話すまで待ってやる。
「俺の…名前は…鳳勝利だ。会長じゃなくて名前で呼んでくれないか?」
何を言ってんだ?あぁ…そうか…。
俺は会長の名前を言ったこと無かったのか?まぁ興味もな無かったし俺の人生には関係無い存在だった。
でもな会長が居なかったら俺は階段の踊り場で放置だったろうし感謝の気持ちもある。
必死な顔でこちらを見つめている会長に少し笑ってしまう。
「ふっ…そんな事で良いのか?それじゃ勝利と呼ぶわ。良い名前じゃねぇの。俺の事は剛で良い」
「くっ!…あぁ…ありがとうっ」
勝利に掴まれていた腕が急に引かれる。
気づいたら厚い胸板にぶち当たっていた。
鼻がいてぇ…。その瞬間勝利の両腕に包まれる。勝利に抱き込まれその場の時間が止まった。
『きゃーー!!!カメラ!カメラ!早く!』
『僕幸せだぁぁぁ!』
『鳳様の顔みて!幸せそぅダア゙ア゙ア゙ア゙ア゙!!!』
一気に上がる歓声に二人がいち早く動く。俺を引き離し二人が今度両サイドから抱きつく。
『今度はこっちかーー!!!』
『ダメだ!僕…泣いちゃうっ!!!』
『泣くなっ!勿体ないだろ!目に焼き付けるんだっ!』
「クソっ…また増えた」
「俺…もう不安しかねぇーよ!」
二人にグイグイ抱きつかれ俺の思考も動く。そうか…俺は勝利に抱きつかれて居たのか?
何でそんな事するのか分からない。首を傾げてしまう。
ってか周りがうるせぇ…。
この騒がしい原因を作ったヤツを見ると自分でも何したのか分から無いんだろう。ビックリしていた。
取り敢えずこれは分かる。ここに居てはダメだ。
抱きついてる二人を引き剥がし腕を取って逃げる。
勝利は置いてきても大丈夫だろう…多分。
クラスに入っても質問攻めで本当に疲れた。教室に和也と翔が居ることに安心したのか先生が少し泣いてる。
俺の入院中もよく顔を出してくれていた良い先生だ。余り迷惑を掛けないようにしたい。
俺の元気な姿が皆を安心させたのか一時間目が始まる頃には粗方落ち着いた。ふぅ…肩の力を抜く。
色々あったな…。でも何かあった時傍に居てくれたのが二人で良かった。やはり俺には和也と翔の存在が大きい。
まだどんな気持ちか分からないが俺を守ってくれた様に俺もこの二人を守ってやりたい。
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