64 / 103
63
しおりを挟む
ドキドキが止まらない。結構度胸があると自負していたがコレはまだ経験がない…
『おかえりなさい!ぼっちゃん!』
強面のスキンヘッドの人が先頭に和也に話しかけている。その後に沢山のブラックスーツが頭を下げてお帰りなさい!と言って並んでいる。門から玄関まで長い。
暑さなんて感じず寒気が全身を包み込んでくる。
「なぁ…剛全然喋らねぇじゃん?やっぱり…嫌だったか?」
「いや…違うな。俺が経験値足りねぇんだ。気にするな。偏見なんてあるわけないだろ?和也は俺の大事なヤツなんだから」
「っ剛!」
ガバッ。
玄関で抱きついてくる。あれ?何か見たぞ?
俺の前方で見えた…。俺か和也に突進してくる二つの影…はぁはぁはぁと息切れをして興奮したように突進してくる。
「うおっ!」
余りのデカさに尻餅を着いた。全力で俺の顔面を舐め回すゴールデンレトリバーが二匹が俺と和也を襲っていた。
「擽ってぇっ!ははっ…」
「可愛いだろ?ライトとレフトって言うんだぜ」
何故にだ?野球が好きなのか?色々疑問が出てきたけど可愛すぎてそれどころじゃ無い…。俺の前に腹を出して撫でてっ!って言う眼を向けてくる。
自然に顔が綻びわーしゃしゃと撫でる。全身くまなく撫でる俺にちょっかい出してるのがライトだ。首輪が青でレフトが赤らしい。
「なぁ…和也…かわいいなぁ…」
「剛っ!キャラが変わってるっ」
ダメだ…俺の硬派なイメージが無くなってしまう(元からありません)
撫でるのが止まらない。ライトの腹に顔を埋めて擦る。ヤバイ…俺家に帰ったら母親に…犬飼って良い?って聞こう…。
もう俺の心は瞬殺で夢中にされた。
しかし何時までもそうしていられない。
「こらっ!レフト!ライトっ客人に迷惑掛けるんじゃない!」
奥の襖から一人顔を出しこちらに来た。まだ若いだろう…。近づいてきて。理解した…この人…和也の兄貴だ。絶対…。
「お?兄貴今日居るなんて珍しいな」
「和也…客さん来てるなら早く入ってもらえ…親父達が首を長くして待ってるぞ」
「わあってるって。剛この人俺の兄貴で智也(トモヤ)って言うんだ」
「初めまして皆川剛と言います」
握手していいのか分からず頭を下げた。
「すげぇイケメンな兄ちゃんじゃないか入ってくれ。和也が友達連れてくる事なんて無いから奥で宴会してるぞ。早くきてくれ」
和也と同じく話しやすく気さくな兄貴らしい。髪の色は黒色で瞳の色は和也と同じ。もっと凄いのは和也とほぼ瓜二つの顔。和也が五歳くらい歳を取り貫禄をつければお兄さんになる。背は…和也の方が少しデカいかも知れない。
智也さんの声でピタッと止まった二匹…。躾が余程良いんだろう。その隙を突いて立派な虎と竜が描かれている広い玄関から上がった。
「ここだよ。親父達多分出来上がってるから気にしないで寛いでくれな」
「少し緊張するな…」
まぁ取って食われはしないだろうから大丈夫だろう。
はっ!俺にはわかった…。この襖から漂う…良い匂い。
和也が襖を開け俺を促す。
「おおっ!和也のご友人か!どうぞいらっしゃい!」
ただ今午後六時半顔を真っ赤にして着流を着ている方を上座に左右六人ほど長テーブルを前に囲んで居た。
この上座に座ってる方が親父さんかな?少し白髪の混じってる短髪のキリッとした眼をしてる。和也の親だ。眼がそっくりだ…。
でも眼光が尋常じゃない…。
眼があって沈黙してしまったがただ黙ってる訳にもいかない。
「初めまして。学校で和也の友達やらせてもらってます皆川剛です。今日はお世話になります。これ…お口に合うかわかりませんが是非食べてください」
簡単な菓子折を手前にいたブラックスーツに渡す。
それから和也に席を促され上座の空いている席に座る。目の前に智也さん親父さん。隣に和也だ。
「おぅっわざわざすまねぇな…。後で美味しく食べるな。今日はゆっくりしてくれや。和也が友達連れてくる何て今まで無かったから俺ぁ嬉しくてこんなに用意したわ…嫌いな物はあるか?」
「いえ。自分食べるこのが生きがいなので大丈夫です。ただ食べる量が凄いので覚悟してください」
自分が恥ずかしい…。ヤが着くって言うだけで普通に親で人なのだ。俺は心を入れ替え、ニッコリ笑い和也の父親に話した。
俺の目の前に居る智也さんと周りのブラックスーツ群がこっちをガン見してるが、和也の友達が珍しいんだろう…。どんどん見てくれ。
「ちっ…いきなり笑うんじゃねぇよ…」
「ん?和也どうかしたか?」
「いや…なんでもね」
和也の周りが少し温度下がってるな…。逆に親父さんは凄い。あったかい雰囲気で俺を見てくる。
「いやー。ハッキリ話をして良い子だ。男前の顔なのに可愛いじゃねぇか…ほらっいっぱい食べてくれ」
親父さんの眼が少しギラついてるのは酔ってるからだよな?
智也さんも少し据わってる…。いや自意識過剰だな…。
「はい。ありがとうございます。有り難く頂きます」
俺の前には鮮やかな舟盛り。タイ、アジ、ブリ、マグロ…。和食は久しぶりだ。そして木板に載ってる…馬刺しのお寿司。奥にはオードブルとかあったがこの方々は飲むのがお仕事なんだろう俺と和也以外は酌を進めていた。
手を合わせ食べていく。はぁ…。新鮮だ。母親のお陰で少しだけ下の肥えた俺。馬刺しをにんにく醤油で食べた瞬間唾液がいっぱいで出来て消化を助ける。
マジでうめぇ。
「いや~美味しそうに食うねぇ。剛くんだったか?こっちは行ける口か?」
親父さんがお猪口を寄越してくる。う~ん。絶対ダメだろう。和也に助けを求めようとしたら何か話があるのだろうか?少し席を外して襖の入り口辺りでスキンヘッドの人と話していた。
しかし俺はまだ大人じゃないがこれは断ってはいけない雰囲気と分かる。日本酒なんて飲んだことはない…。何かあったら和也にお願いしよう。
「はい。いただきますっ」
お猪口を貰い注いでもらう。其れを一口で飲み干す。この時期に丁度いい冷たい辛口の日本酒が喉を痺らせながら落ちていく。
あっ…。ワインよりは飲みやすいか?
気付いたら…。結構飲んでました。
『おかえりなさい!ぼっちゃん!』
強面のスキンヘッドの人が先頭に和也に話しかけている。その後に沢山のブラックスーツが頭を下げてお帰りなさい!と言って並んでいる。門から玄関まで長い。
暑さなんて感じず寒気が全身を包み込んでくる。
「なぁ…剛全然喋らねぇじゃん?やっぱり…嫌だったか?」
「いや…違うな。俺が経験値足りねぇんだ。気にするな。偏見なんてあるわけないだろ?和也は俺の大事なヤツなんだから」
「っ剛!」
ガバッ。
玄関で抱きついてくる。あれ?何か見たぞ?
俺の前方で見えた…。俺か和也に突進してくる二つの影…はぁはぁはぁと息切れをして興奮したように突進してくる。
「うおっ!」
余りのデカさに尻餅を着いた。全力で俺の顔面を舐め回すゴールデンレトリバーが二匹が俺と和也を襲っていた。
「擽ってぇっ!ははっ…」
「可愛いだろ?ライトとレフトって言うんだぜ」
何故にだ?野球が好きなのか?色々疑問が出てきたけど可愛すぎてそれどころじゃ無い…。俺の前に腹を出して撫でてっ!って言う眼を向けてくる。
自然に顔が綻びわーしゃしゃと撫でる。全身くまなく撫でる俺にちょっかい出してるのがライトだ。首輪が青でレフトが赤らしい。
「なぁ…和也…かわいいなぁ…」
「剛っ!キャラが変わってるっ」
ダメだ…俺の硬派なイメージが無くなってしまう(元からありません)
撫でるのが止まらない。ライトの腹に顔を埋めて擦る。ヤバイ…俺家に帰ったら母親に…犬飼って良い?って聞こう…。
もう俺の心は瞬殺で夢中にされた。
しかし何時までもそうしていられない。
「こらっ!レフト!ライトっ客人に迷惑掛けるんじゃない!」
奥の襖から一人顔を出しこちらに来た。まだ若いだろう…。近づいてきて。理解した…この人…和也の兄貴だ。絶対…。
「お?兄貴今日居るなんて珍しいな」
「和也…客さん来てるなら早く入ってもらえ…親父達が首を長くして待ってるぞ」
「わあってるって。剛この人俺の兄貴で智也(トモヤ)って言うんだ」
「初めまして皆川剛と言います」
握手していいのか分からず頭を下げた。
「すげぇイケメンな兄ちゃんじゃないか入ってくれ。和也が友達連れてくる事なんて無いから奥で宴会してるぞ。早くきてくれ」
和也と同じく話しやすく気さくな兄貴らしい。髪の色は黒色で瞳の色は和也と同じ。もっと凄いのは和也とほぼ瓜二つの顔。和也が五歳くらい歳を取り貫禄をつければお兄さんになる。背は…和也の方が少しデカいかも知れない。
智也さんの声でピタッと止まった二匹…。躾が余程良いんだろう。その隙を突いて立派な虎と竜が描かれている広い玄関から上がった。
「ここだよ。親父達多分出来上がってるから気にしないで寛いでくれな」
「少し緊張するな…」
まぁ取って食われはしないだろうから大丈夫だろう。
はっ!俺にはわかった…。この襖から漂う…良い匂い。
和也が襖を開け俺を促す。
「おおっ!和也のご友人か!どうぞいらっしゃい!」
ただ今午後六時半顔を真っ赤にして着流を着ている方を上座に左右六人ほど長テーブルを前に囲んで居た。
この上座に座ってる方が親父さんかな?少し白髪の混じってる短髪のキリッとした眼をしてる。和也の親だ。眼がそっくりだ…。
でも眼光が尋常じゃない…。
眼があって沈黙してしまったがただ黙ってる訳にもいかない。
「初めまして。学校で和也の友達やらせてもらってます皆川剛です。今日はお世話になります。これ…お口に合うかわかりませんが是非食べてください」
簡単な菓子折を手前にいたブラックスーツに渡す。
それから和也に席を促され上座の空いている席に座る。目の前に智也さん親父さん。隣に和也だ。
「おぅっわざわざすまねぇな…。後で美味しく食べるな。今日はゆっくりしてくれや。和也が友達連れてくる何て今まで無かったから俺ぁ嬉しくてこんなに用意したわ…嫌いな物はあるか?」
「いえ。自分食べるこのが生きがいなので大丈夫です。ただ食べる量が凄いので覚悟してください」
自分が恥ずかしい…。ヤが着くって言うだけで普通に親で人なのだ。俺は心を入れ替え、ニッコリ笑い和也の父親に話した。
俺の目の前に居る智也さんと周りのブラックスーツ群がこっちをガン見してるが、和也の友達が珍しいんだろう…。どんどん見てくれ。
「ちっ…いきなり笑うんじゃねぇよ…」
「ん?和也どうかしたか?」
「いや…なんでもね」
和也の周りが少し温度下がってるな…。逆に親父さんは凄い。あったかい雰囲気で俺を見てくる。
「いやー。ハッキリ話をして良い子だ。男前の顔なのに可愛いじゃねぇか…ほらっいっぱい食べてくれ」
親父さんの眼が少しギラついてるのは酔ってるからだよな?
智也さんも少し据わってる…。いや自意識過剰だな…。
「はい。ありがとうございます。有り難く頂きます」
俺の前には鮮やかな舟盛り。タイ、アジ、ブリ、マグロ…。和食は久しぶりだ。そして木板に載ってる…馬刺しのお寿司。奥にはオードブルとかあったがこの方々は飲むのがお仕事なんだろう俺と和也以外は酌を進めていた。
手を合わせ食べていく。はぁ…。新鮮だ。母親のお陰で少しだけ下の肥えた俺。馬刺しをにんにく醤油で食べた瞬間唾液がいっぱいで出来て消化を助ける。
マジでうめぇ。
「いや~美味しそうに食うねぇ。剛くんだったか?こっちは行ける口か?」
親父さんがお猪口を寄越してくる。う~ん。絶対ダメだろう。和也に助けを求めようとしたら何か話があるのだろうか?少し席を外して襖の入り口辺りでスキンヘッドの人と話していた。
しかし俺はまだ大人じゃないがこれは断ってはいけない雰囲気と分かる。日本酒なんて飲んだことはない…。何かあったら和也にお願いしよう。
「はい。いただきますっ」
お猪口を貰い注いでもらう。其れを一口で飲み干す。この時期に丁度いい冷たい辛口の日本酒が喉を痺らせながら落ちていく。
あっ…。ワインよりは飲みやすいか?
気付いたら…。結構飲んでました。
10
あなたにおすすめの小説
久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…
しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。
高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。
数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。
そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…
【完結】 男達の性宴
蔵屋
BL
僕が通う高校の学校医望月先生に
今夜8時に来るよう、青山のホテルに
誘われた。
ホテルに来れば会場に案内すると
言われ、会場案内図を渡された。
高三最後の夏休み。家業を継ぐ僕を
早くも社会人扱いする両親。
僕は嬉しくて夕食後、バイクに乗り、
東京へ飛ばして行った。
塾の先生を舐めてはいけません(性的な意味で)
ベータヴィレッジ 現実沈殿村落
BL
個別指導塾で講師のアルバイトを始めたが、妙にスキンシップ多めで懐いてくる生徒がいた。
そしてやがてその生徒の行為はエスカレートし、ついに一線を超えてくる――。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる