上 下
19 / 54

19. 愛しい我が子 〈サファイア視点〉

しおりを挟む


昨日、アデル様と私達の子供についていろいろと話し合った。

知らなかった…。

私達の子供が能力が高すぎて神様達からも狙われる可能性があるなんて…。

神様と人間の間に生まれたアデル様との子供だから何らかの特異体質の子供が生まれるかもしれないとは考えていましたけど、アデル様のお父様であるあの方までが心配される程とは思っていませんでした。

私はこの子を守れるのかしら…。

『そんなに不安にならないでぇ…』

この声は…ハリー様。

ハリー様は私とテレパシーの様な感じで話す事ができる。

直接頭の中に話しかけられているような感じ。

ちなみにハリー様は普段は分からないけど話し言葉はオネェ口調で少し独特なのだ。

『サファイアの子供はすご~く賢い子供だからぁ何も心配いらないわよ~』

「そうなんですか?え…でも何故賢いと分かるのですか?」

『気になっちゃう?実は私~最近赤ちゃんとお話をしているのよ。言葉を教える為にね~』

「え…赤ちゃんと話す?」

『そうなのよ~、サファイアのお腹にいる赤ちゃんと毎日話をしているのよぉ~』

疑問だらけなのですが…。

生まれてもいない赤ちゃんが言葉を理解することなんてできるのですか?

いくらなんでもそれはないのでは…。

『何だかぁ疑っている感じぃ~、最初は私がぁ話しかけているだけだったわよぉ。だけどぉ~、暫くするとぉ~片言でぇ話を始めたのよ~。天才よ~』

その話が本当なら我が子は天才ですわね。

『今ではぁ普通に会話できるわよ~』

「そうなんですか…」

今少し気になった事があるのですが…。

「あの…話し方はハリー様に似てるのでしょうか…」

将来はこの国の王様になるかもしれない我が子の話し方がオネェでは…少し問題よね。

『心配なのねぇ~、大丈夫よ。この子はあなた達の会話を聞いて覚えているのもあるみたいだからぁ、話し方は私ににてないわ~、残念よねぇ~』

いえ、残念ではなく良かったです。

…というか、会話を聞かれているのですね。

話し方や内容に気を付けないといけませんね。

『そうだよ、おかあさま…』

ん?ハリー様の声ではない声が聞こえて来ました。

『ぼくだよ、サファルだよ』

サファル…アデル様が考えた我が子の名前ですわ。

私の名前とアデル様の名前を足して作ったと嬉しそうに言っていました。

本当にサファルなの…私はお腹にてを当てて話した。

「サファルが話しかけてくれているの?」

『うん、そうだよ』

まさか、生まれるより早くに愛しい我が子の声が聞けるなんて…。

でもこれってとんでもない事ですよね…。

どうしましょう…。

しおりを挟む

処理中です...