神様!僕の邪魔をしないで下さい

縁 遊

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38. えええ!!!!!

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「楽しみにしていた満月の日…まさかこんな事になるなんて…サファルまでが猫に…」

親子で猫に…。

「可愛すぎるだろー!」

僕はサファルとサファイアを思いきり抱きしめた。

思いきり頬擦りするとサファイアが短い前足で顔を押し返そうとしている。

サファルは驚きのあまり呆然としていて僕のなすがままになっている。

猫の種類はサファイアと同じみたいだな。

だけど、まさかサファルまでが猫になるなんて考えていなかった。

遺伝?

だけど、サファイアは生まれつき猫に変身する体質ではなかったはずだ。

なのに…何で?

…これも神様の力?

サファイアも本当は変身しなくて済むように出来るのに、神様が猫のサファイアの姿を気にいっているので満月の日だけ猫の姿になるというのが残ってしまった。

ということは、サファルもサファイアの様に可愛いから親子で猫に変身してもらおう!的な感じのノリで神様が操作していそうで怖い…。

たぶん、アフロディーテ様だよな。

「可愛い子が増えて良いでしょ…」とかって言いそう。

すぐに想像できるのが怖い。

「アデル様…そろそろ、お2人を離してあげてはいかがですか…」

バルダが猫に変身した2人を見ながら、僕に言ってきた。

「嫌だ!」

「ですが、サファイア様は嫌がっていらっしゃるように見えますが?」

「分かっていないな…。これは恥ずかしがっているだけで嫌がっているんではない」

僕がバルダに教えていると…。

「サファイア様、そうですか?」

なぜサファイアに聞くのだ?

サファイアは思いきり顔を左右に振っている。

「どうやら違うようですが…」

「い、いや…サファイアは恥ずかしいから人には言いにくいんだよ」

今度は短い前足を左右に振っている。

「違うみたいですね。アデル様…サファイア様をこちらにお渡し下さい」

「ミャー!」

「ニャーー!!」

サファルとサファイアが鳴いている。

言葉は分からないけど離せと言っているのが何となく理解できる。

僕は渋々バルダに2人を渡した。

バルダは2人をそっと絨毯の上に下ろした。

サファイアはすぐにサファルの側に行きサファルの毛繕いをしてあげている。

良いな~。

僕もして欲しい…。

そうだ!なぜ今まで思いつかなかったのだろうか!

この手があったよ!

「決めた!」

僕が大声を出して立ち上がったので、周りの使用人達は驚いているみたいだ。

「何をお決めになられたのですか?」

バルダが聞いてきたが多分聞いたら驚くぞ…。

「僕もアフロディーテ様に頼んで満月の夜は猫にしてもらうよ」

「「「えええ!!!!!」」」

満月の夜、みんなの驚く声が辺りに響いていた。
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