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49. 息子凄い…
しおりを挟む「な…何だ…これは…」
玄関の扉を開けて入ると部屋の中は目映い光りに包まれていた。その中心にいたのがサファイアとサファルだ。
「え…アデル様…どうしてこちらに?」
サファイアが僕に気がついて声をあげた。
「おとうしゃま、おともだちできました」
サファルが目映い光を指差しながら楽しそうにしている。
「お友達?」
「あ…サファルは精霊さんと契約をしたのです」
は…?
精霊と契約…?
「それが…1人ではなくて大勢と契約を…それでこの光の塊みたいになってしまいました」
この光は精霊の姿なのか!って、1人と契約をするのだけでも凄いのに大勢と…数は聞くまい…身が持たないからな。
凄すぎないか?僕達の息子は?
…というか今ならどさくさに紛れてサファイアと話せるのでは?
「コホンッ…、サファイア一緒に屋敷に帰らないか?」
「はい、そろそろ帰らなければ行けないかなと思っておりましたので帰りますわ」
「おともだちもいっしょ…?」
良かった~。
嫌がられず、すんなりと帰ってきてくれるみたいだ。
それにしても…サファルが精霊達も一緒に帰っても良いかとサファイアに聞いている姿…可愛いな。
「ええ、良いわよ。お友達も一緒にきていただきましょう」
「やったー」
サファルが喜んだのと同時に光が一段と輝きを増した。眩しい!
「みんなもよろこんでましゅ」
そうなのか?
僕には姿は見えないが光の加減で判断できそうだな。
「どうやら、夫婦喧嘩も終わったみたいだね…。良かったのう」
魔女のクマナがサファイアに小声で何かを言っているのが見えた。すると、サファイアは顔を真っ赤にして「はい」と答えている。いったい何を言われたのだろうか…気になるな。
「うっ…」
後ろで低い声を漏らすような泣き声が聞こえたので振り返ると…執事のバルダが泣いていた。
「良かった…ですね…。帰って…きてくださって…。しかも、サファル様が…精霊様と…契約…。帰ったらお祝いをしなくては…。これでアデル様もポンコツから通常モードになれますね…」
最後だけはっきり話したな…。
しかも人のことをポンコツ…って。
確かにサファイアがいなくなってから仕事が手についていなかったが、そんなに酷かったのか?自分では大したことはないと考えていたのだが…違っていたのだな。
クマナに御礼を言った後、サファイアとサファルと3人で屋敷に帰った。
屋敷の者は皆大喜びだったのは言うまでもない…。
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