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31. 公爵家の人達の反応
しおりを挟む「本当に…別人ね。魔法使いの腕が良すぎたのね。よく今までこれだけの美少女を普通の少女に変身させていられたわよね…」
リリル様のお姉様達が私の変わった姿を見て話している。
予想はしていましたが、やはり驚きますよね。
「リリルと並ぶと絵になるわよね~」
公爵夫人が絵師を呼ぶとはりきっていらっしゃる様子です。
「リリルには勿体ないんじゃない。まだ、若いんだしこれだけ美人なら今から申し込みが殺到すると思うんだけど…」
「「「そうよね…」」」
「ちょっと姉さん達、酷い言い方。私が年が離れているからって…」
リリル様もお姉様達には敵わないのね。
「ミレーナちゃん、私達は貴女がリリルと結婚してくれるのなら嬉しいけど、他に良い人ができたらいつでも言ってきてね」
「ちょっ、それはないでしょ!姉さん不吉な事を言わないで」
姉弟のやり取りが可笑しくてクスクスと笑ってしまった。
「ミレーナも笑わない!」
リリル様に怒られてしまった。
「ほら、今だって兄と妹か講師と生徒のやり取りにしか見えないわよ。婚約者の雰囲気ではないわよね~」
流石すでに結婚されているお姉様方です。
私とリリル様は契約婚約者ですので普通の婚約者の皆さんとは少し違いますよね。
わかりましたか?
でも、私はリリル様の事を好きなんですけどね。
やっぱり片思いでは甘い雰囲気にはなりませんよ。
リリル様は女姉妹の中で育ってこられたので女性の扱いが慣れていて、私もカフェに行って感じましたが…あれは誤解されるレベルのものでした。
リリル様と一緒に出掛けた女性は自分の事を好きなのではないかと勘違いしてしまうのがよくわかりました。
只…本人はまったく自覚がない。
困った人です。
はあ~、あのドキドキを思い出すとまだヤバイ気がします。
どうかこれ以上は変化しませんように…。
そんな事を考えていたらいつの間にかリリル様が私の横に来ていました。
「どこが婚約者らしくないのよ?!見てよミレーナの顔!」
いきなりリリル様が私の肩を抱き寄せました。
私の心が悲鳴を上げています。
キャー!!
私の顔は真っ赤かに染まりました。
「やだ…可愛いわミレーナちゃん。やっぱりリリルには勿体ないんじゃないかしら」
お姉様方が頷いていらっしゃいます。
「え~、でも私はミレーナちゃんに娘になってほしいわ」
公爵夫人がのんびりした口調でお姉様達に言いました。
「「「それは…そうだけど」」」
どうやら、夫人の一声で姉弟ケンカは丸くおさまりそうです。
リリル様~、早く肩から手を離して下さい!
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