お嬢様は地味活中につき恋愛はご遠慮します

61. 地雷の解除方法

「え～とですね…」

まだ、張りつめた空気とはこういう感じなのだと肌で感じさせていたたいでいる最中です。

何とお答えすれば地雷を避ける事ができるのか頭の中をフル回転させています。

私は只、毎日を地味に一生懸命頑張って仕事をしていただけなのです。コツもなければ特別な何かをしていた訳ではありません。それなのに何をしていたのかと問いただされても…森本先輩が考えていらっしゃる様な解答が出てこないのです。

でも…「ただ真面目に仕事をしていただけです」とお答えしても、森本先輩は「私が真面目に仕事をしていないと言いたいの？」とお怒りになりそうですし…。どう解答すれば爆発は避ける事ができますか？

どなたか助けて下さい！

「お待たせいたしました、ホットコーヒーです。ミルクとお砂糖はこちらに置いておきますのでお好きなだけお使いください」

店員さんが来たので空気が和らぐかと思いましたが…駄目ですね。緊張していて喉が渇いているのでコーヒーを一口飲むことにしました。

「あれ…この味は…」

これはお昼に島岡さんからいただいた珈琲の味と同じです。

「さすが森本先輩ですね。島岡さんに教えていただいたカフェはここだったのですね」

私は思わず思っていたことを口に出してしまった。

「何が流石なのよ？私の質問の答えになっていないわよ」

そうなんですけど…。私は行動力があるなと感心したのです。

でも余計な事を言って更に空気が悪くなりましたね。反省します。

「橘さんとは同期で私の事を心配してくれているだけで、島岡さんもお仕事で組む事が多いので気にかけていただいているだけだと思います。特別に贈り物もしていませんし…」

ここまで言ってからプレゼントしたことを思い出した。ネクタイを島岡さんにプレゼントしたことを忘れていました。

あの時はまだ好きだという感情がハッキリとしていませんでしたし、ご迷惑をお掛けしたのでお詫びの品といった感じでしたよね。これはセーフなのかしら。

「さっきから何を1人で百面相してるわけ？何かやましいことでも思いだしていたのかしら？」

やましくはないのですが…思い当たる事があっただけなのです。

そこでまた思い出しました…森本先輩はよく旅行のお土産といいつつ、島岡さんと橘さんにはお土産の範囲を越えたような物を渡していませんでしたか？

沖縄の時は私達はお菓子でしたが、島岡さん達には珊瑚のついたネクタイピンを渡していましたよね？

あの時橘さんがこれって返すのは失礼かな？と私に聞いてきたのでよく覚えていますよ。

そうか…ご自分がいろいろな事をやって来ているのに成果がでないから私に言ってきたのですね。

でも…お二人とも森本先輩の事をどちらかと言えば苦手な様な気がします。所謂、脈無しというものです。

森本先輩は美人さんなので他の方にアプローチした方が結果は早く出そうなのですが…。

これも地雷ですかね？

あ～、誰かこの地雷の解除方法を教えて下さい！