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76. 告白のチャンス到来
しおりを挟む「それよりさ…今度僕とご飯に行かない?」
佐伯さんが、いきなり身を乗り出して私の手を握ってきました。
私が驚いて呆気にとられていると島岡さんが佐伯さんの手を私の手から剥がしました。
「お前は…。この子は駄目だよ、僕の彼女だからね」
え…彼女!?
「え?知らなかった!いつのまにお前彼女できたんだよ。教えてくれよ!」
「言うのを忘れていたよ。聞きたいことは聞けたし、ちょうど注文していたものもきたし戻って良いよ」
島岡さんは有無を言わせないような笑顔で佐伯さんの背中を押して厨房の方に身体を向かせました。
「何だよ!今度ちゃんと聞かせろよ」
佐伯さんはブツブツと文句を言いながら仕事に戻って行きました。
いや、それより…彼女って!
私の頭の中はそれしか考えられない状態になっています。
どういうつもりで島岡さんは言ったのだろう…。
私…まだ告白してないよね。
まさか、これは夢?!夢なの?!
告白すると決めたからこんな島岡さんから言われる様な夢を見ているのかしら?
私ってば相当な重症なのね。
「…さん、藤堂さん大丈夫?またボーとしていたよ」
「は!あ、すいません」
夢ならもう少し覚めないで欲しいわ。
「ごめんね、琉斗は悪い奴ではないんだけど女性問題は別なんだよね。今日も聞きたかったのは森本さんが琉斗ととの事を何て言っていたのかを聞きたかったからなんだ」
「そうなんですね。森本先輩は彼氏だと言っていました。恋人ができた…と」
「はあぁ~、やっぱりか。揉めそうな予感しかしないな…」
それは同感ですが…肝心な事には触れていいのでしょうか。
いや、夢なら都合よく聞かないでこのままにしておこうかしら。
「そういえば、さっきはごめんね。僕の彼女何て嘘をついて…」
島岡さんが顔の前で両手を合わせて謝ってくれています。
あ~、よい夢終了ですわね。
嘘…か。
「琉斗は友人の彼女には手を出さないからああ言えば大丈夫だろうと思って…。それとも琉斗のことを気になっているんならちゃんと説明してくるけど…」
島岡さんは、私の様子を伺うように見ています。
「いえ、琉斗さんに手を握られて困っていたので助かりました。島岡さんこそ私が彼女なんて嘘をついてよかったのですか?」
「ほら、以前に藤堂さんに助けてもらった事があっただろう、それのお返しだよ。…と言うか、僕は前から言っているけど藤堂さんは素敵な女性だと思うよ」
こ、これって今が告白のチャンスなのではないでしょうか!
でも、島岡さんが言っている素敵な女性は一般的な社交辞令で彼女にしたいくらい素敵な…とは違う様な気もしますし…。
ダメよ菫!今まで思い立ったら実行してきたじゃない!
「あの…島岡さん…」
勇気を出して!続きを…。
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