80 / 100
80. やっと… 〈島岡視点〉
しおりを挟むやっと、やっとこの日を迎える事ができた。
藤堂さんと付き合えることになった。
すごい驚いた顔をしていて可愛かったな…。
彼女は僕がずっと気にしていた事を知らなかったみたいだけど実は入社式当日から気になっていたと言ったらどうなるのかな。
もっと驚いてくれるかな。
入社式の日に何故かは分からないけど誰とも話さず目立たない様にしている子がいるなぁ~と気がついたんだよね。それが藤堂さんだった。
他は緊張してガチガチな感じがでていたのに藤堂さんだけは落ち着いていて新人に見えなかったんだよな。他の社員もあの子は転職してきたのか?って話していたな(笑)
目で追っているとさりげなく周りのフォローをしていて、それが恩に着せる訳ではなく自然に目立たない様に気が付かれないようにしているのが分かって、何て素敵な子なんだろうと思ったんだ。
たまたま同じ部署に藤堂さんが配属された時は嬉しかったな。
同じ部署で仕事をするようになってから益々目が離せなくなってしまったんだよね。
何事も一生懸命で仕事も早くて丁寧で分かりやすい。大人しいけど、全く話さない訳ではなくてコミュニケーションはしっかりしているけど、余計な事は話さない。
大人と言うか…人間ができていると言うか。
最初は気になる子と言う感じだったのが、段々と変化してきたんだよな。
この子はプライベートだとどんな感じになるのだろう?
彼氏はいるのかな?
そんな時、婚約者がいると言うのを噂で知ってショックを受けている自分に気がついた。
あ…僕は藤堂さんの事が好きだったんだってこの時に気がついたんだよね。本当…僕は恋愛事に鈍いんだよね。
驚かされた事もあったな…。
会社の藤堂さんは普通の女の人という雰囲気なのに、僕が女性に絡まれている時に助けてくれた藤堂さんは芸能人の様なオーラを持った美人さんだった。
あれは分からなかったよ。
内心は「えええ!!!」って感じだったけど街中だったので堪えたよ(笑)
まあ、外見を好きになった訳ではないからね。
でもあの後僕の自宅にお泊まりさせた時はドキドキしたな~。
好きな子を自宅に泊める…。
あの夜は眠れなかったんだよな。
本人は翌朝慌てて帰宅していったけどね。
その後、婚約者はいないらしいと噂を聞いて…。
決め手は大阪出張かな。
あの時の夜桜を見ている藤堂さん…綺麗だった。彼女を一人占めしたいと思ったんだ。それで告白しようと決めたんだけど、会社の事があるしタイミングを探っていたら琉斗達の事があって…。
「フフッ…」
「島岡さんが思い出し笑いなんて珍しいですね?何か良いことでもあったんですか?」
会社終わり一緒に飲みに来ていた橘くんに指摘された。
「いや、ちょっとね…。でも橘くんには言わないといけないかな」
橘くんが藤堂さんを狙っていたのも知っているからね。
ごめんね橘くん、藤堂さんは僕の彼女になりました。
0
あなたにおすすめの小説
辺境のスローライフを満喫したいのに、料理が絶品すぎて冷酷騎士団長に囲い込まれました
腐ったバナナ
恋愛
異世界に転移した元会社員のミサキは、現代の調味料と調理技術というチート能力を駆使し、辺境の森で誰にも邪魔されない静かなスローライフを送ることを目指していた。
しかし、彼女の作る絶品の料理の香りは、辺境を守る冷酷な「鉄血」騎士団長ガイウスを引き寄せてしまった。
皇帝陛下!私はただの専属給仕です!
mock
恋愛
食に関してうるさいリーネ国皇帝陛下のカーブス陛下。
戦いには全く興味なく、美味しい食べ物を食べる事が唯一の幸せ。
ただ、気に入らないとすぐ解雇されるシェフ等の世界に投げ込まれた私、マール。
胃袋を掴む中で…陛下と過ごす毎日が楽しく徐々に恋心が…。
偉物騎士様の裏の顔~告白を断ったらムカつく程に執着されたので、徹底的に拒絶した結果~
甘寧
恋愛
「結婚を前提にお付き合いを─」
「全力でお断りします」
主人公であるティナは、園遊会と言う公の場で色気と魅了が服を着ていると言われるユリウスに告白される。
だが、それは罰ゲームで言わされていると言うことを知っているティナは即答で断りを入れた。
…それがよくなかった。プライドを傷けられたユリウスはティナに執着するようになる。そうティナは解釈していたが、ユリウスの本心は違う様で…
一方、ユリウスに関心を持たれたティナの事を面白くないと思う令嬢がいるのも必然。
令嬢達からの嫌がらせと、ユリウスの病的までの執着から逃げる日々だったが……
冷酷総長は、彼女を手中に収めて溺愛の檻から逃さない
彩空百々花
恋愛
誰もが恐れ、羨み、その瞳に映ることだけを渇望するほどに高貴で気高い、今世紀最強の見目麗しき完璧な神様。
酔いしれるほどに麗しく美しい女たちの愛に溺れ続けていた神様は、ある日突然。
「今日からこの女がおれの最愛のひと、ね」
そんなことを、言い出した。
【完結】ひとつだけ、ご褒美いただけますか?――没落令嬢、氷の王子にお願いしたら溺愛されました。
猫屋敷 むぎ
恋愛
没落伯爵家の娘の私、ノエル・カスティーユにとっては少し眩しすぎる学院の舞踏会で――
私の願いは一瞬にして踏みにじられました。
母が苦労して買ってくれた唯一の白いドレスは赤ワインに染められ、
婚約者ジルベールは私を見下ろしてこう言ったのです。
「君は、僕に恥をかかせたいのかい?」
まさか――あの優しい彼が?
そんなはずはない。そう信じていた私に、現実は冷たく突きつけられました。
子爵令嬢カトリーヌの冷笑と取り巻きの嘲笑。
でも、私には、味方など誰もいませんでした。
ただ一人、“氷の王子”カスパル殿下だけが。
白いハンカチを差し出し――その瞬間、止まっていた時間が静かに動き出したのです。
「……ひとつだけ、ご褒美いただけますか?」
やがて、勇気を振り絞って願った、小さな言葉。
それは、水底に沈んでいた私の人生をすくい上げ、
冷たい王子の心をそっと溶かしていく――最初の奇跡でした。
没落令嬢ノエルと、孤独な氷の王子カスパル。
これは、そんなじれじれなふたりが“本当の幸せを掴むまで”のお話です。
※全10話+番外編・約2.5万字の短編。一気読みもどうぞ
※わんこが繋ぐ恋物語です
※因果応報ざまぁ。最後は甘く、後味スッキリ
あなたがいなくなった後 〜シングルマザーになった途端、義弟から愛され始めました〜
瀬崎由美
恋愛
石橋優香は夫大輝との子供を出産したばかりの二十七歳の専業主婦。三歳歳上の大輝とは大学時代のサークルの先輩後輩で、卒業後に再会したのがキッカケで付き合い始めて結婚した。
まだ生後一か月の息子を手探りで育てて、寝不足の日々。朝、いつもと同じように仕事へと送り出した夫は職場での事故で帰らぬ人となる。乳児を抱えシングルマザーとなってしまった優香のことを支えてくれたのは、夫の弟である宏樹だった。二歳年上で公認会計士である宏樹は優香に変わって葬儀やその他を取り仕切ってくれ、事あるごとに家の様子を見にきて、二人のことを気に掛けてくれていた。
息子の為にと自立を考えた優香は、働きに出ることを考える。それを知った宏樹は自分の経営する会計事務所に勤めることを勧めてくれる。陽太が保育園に入れることができる月齢になって義弟のオフィスで働き始めてしばらく、宏樹の不在時に彼の元カノだと名乗る女性が訪れて来、宏樹へと復縁を迫ってくる。宏樹から断られて逆切れした元カノによって、彼が優香のことをずっと想い続けていたことを暴露されてしまう。
あっさりと認めた宏樹は、「今は兄貴の代役でもいい」そういって、優香の傍にいたいと願った。
夫とは真逆のタイプの宏樹だったが、優しく支えてくれるところは同じで……
夫のことを想い続けるも、義弟のことも完全には拒絶することができない優香。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる