神様!モフモフに囲まれることを希望しましたが自分がモフモフになるなんて聞いてません

縁 遊

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25. 長老さんの話し

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久しぶりに長老さんと会えました。

ここのところ、朝早くに長老さんが出かけて行って夜遅くに屋敷に帰って来ていたみたいで、姿すらみかけなかったんですよね。

『長老さん、お久しぶりです。最近、忙しそうですね』

『元気そうだね、サファイア。わしは今、仲人で忙しいんじゃよ』

『仲人?』

って、お見合いとかで聞くあの仲人?

『猫の集会を覚えてるかい?あの時に顔合わせをして、お互いに良いなと思った相手を聞いて、わしが結びつけるんじゃよ』

長老さんってそんな事までしてたんだ。

『そう言えば、お前さんの事が良いと言っている奴もいるがどうする?』

え?!わたし?

『すぐに帰ったのに、見ていた奴がおっての、お前さんの事を可愛いから紹介して欲しいと言ってきておるよ』

可愛いなんて…。

モフモフさんは好きだけど、恋愛の好きではないんだよね…。

『私…まだ恋愛とかに興味がなくて…すいません』

『そうか。別にいいんじゃよ、気にする事はないんじゃ』

クゥ~。

やっぱり見たかったな。

猫さんのお見合いパーティー。

気合いの入り方が違っていたもんね。

そう言えば…。

『長老さんは奥様とどうやって出会われたんですか?』

『わしか…わしは嫁に一目惚れされたんじゃ』

スゴーイ。確かに長老さん今でも格好いいもん。

若い頃はたぶんすごいモテたんだろうな。

『長老さんモテてたんですね』

『いや、嫁が物好きだったんじゃよ』

長老さん、照れてる。

聞いても大丈夫かな?

『お嫁さんはどうされているんですか?』

まさか、亡くなったりしてないよね?

『長男の子供の面倒を見ているんじゃ。長男の嫁が早くに亡くなってしまってな…』

そうだったんだ…。

『大変ですね』

『いや、わしは気楽なもんじゃ。息子とわしの嫁が大変じゃろうな…』

『他の子供さん達は全員この町にいらっしゃるんですか?』

『何人かは他の町で暮らしておるよ。たまに、フラッと帰ってくる』

へぇー。

『そう言えば、最近帰ってきた息子もいるな。自分が住んでいた町で大きな火事がおきて住めなくなったらしい』

火事?

この世界だと消防車なんてないだろうから人力なのかな?
だとしたら、消すのも大変だね。

『人間が話をしてるのを聞いていたら、怖くなったから帰ってきたと言っていた』

『何を聞いたんですか?』

『何でも、「人を捜す手間が省けるから家を焼いてしまえ、そうすれば人が集まって来るから捜しやすい」と言っていたらしい…』

人捜しの為に家を焼く?

かくまっているかもしれないから?

それだけの為に火事をおこすの?

信じられない!

そんな血も涙もない人が本当にいるんだ。

なんで、神様もそんな悪い人をほっておくのかな?

『この町に、そいつらがやって来なければ良いんじゃがな…』

え?やって来るかもしれないんですか?

それは、嫌です。


これは、神頼みですね。

おーい!神様~!

聞こえてますかー?

私の事は少しくらい遅れて良いので、悪い人に先に天罰を与えてくださーい!

名前は分かりませんけどー!

神様だから大丈夫ですよね?






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