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38. いざ、森へ!
しおりを挟む『ファ~。最高~ですー…』
私は今、久しぶりのモフモフタイムを満喫中です。
最近、私の想像を超える出来事がありすぎて…ストレスがマックスだったのですが、ザジさんに癒してもらって気持ちが和らいできました。
『ザジさん、いつもありがとうございます』
『こんな事ぐらいでお礼なんて言わなくて良いわよ』
ザジさん…後光が見えます…。
本当は巨大モフモフさんの所にも行って、モフモフさせてもらいたい所だけどご主人様から外出を禁止されていて行けないのです。
どうやら、外で何かがあったらしいけど、私には教えてくれないんです…。
ご主人様のケチ…。
それに、今日はあのリルさんも来ているので余計に落ち着きません。
何しに来たんだろ?
確か、リルさんは魔法省に勤めていたはず…ということは、魔法に関する事件でもあったのかな?
「おい、サファイア。聞いたぞ、婚約したんだってな」
リルさん、来たよ…。
人が楽しんでいるのを邪魔しないでほしい。
「ミャ!」
知らない!この人は無視するのが良いよね。
「おい、何処にいくんだ!俺が話しかけているのに…おいって!」
リルさんといると、何だか嫌な気持ちになるんだよね…。
「お前の人間の時の姿を見たぞ。お前、美人だったんだな」
私は思わず振り返ってしまった。
今、何て?
人間の時の姿を見た?
どうやって?
…もしかして、ご主人様が撮していたの?
それ、私も見たい!見たいんですけど!
「ミャーミャーミャー!」
「お前、急に興奮してどうした?美人って言われて嬉しかったのか?」
違うそこじゃないの!…まぁ、そこも少し気になるけど…少しね…。
私は全力で顔を左右に振る。
「違うのか?」
そう。違うの!
今度は顔を縦に振る。
「じゃあ、何だ?…あっ、ひょっとしてお前も動画を見たいのか?」
正解だよー!
「ミャ~~!!」
顔もまた、縦に振った。
「お前…始めてちゃんと返事したな…」
そうですか?
「だけど、あれはアデルが隠してるみたいなんだよな…。お前は婚約者なんだから本人に言ってみたらいいんじゃないか?」
基本的な事を忘れていませんか?
猫語は通じませんよ。
「にゃ~~」
ため息がでるよ。見れると思ったのに…。
「でもな…アデルは今はそれどころじゃないな…」
何で?
「森の被害を調査して報告しないといけないからな…」
森の被害…。
魔女さんやお兄様やモフモフさん達がいるあの森?
何かあったの?
皆は無事なの?
確めに行かなくちゃ…。
自分の目で確めたい…。
ご主人様との約束を破る事になるけど…。
ごめんなさい、ご主人様。
『ザジさん、ありがとうございました。私、少し出掛けて来ます』
『サファイアちゃん、ご主人様から外出禁止されてなかった?』
ザジさん…知ってるんですね。
『どうしても、確かめないといけない事があって…』
『どうしてもなの…?じゃあ、私も一緒に行くわ。 怒られるのも2人なら耐えられるでしょ』
ザジさん…やっぱり天使だよ~。
『良いんですか?』
『いいのいいの、さぁ、行きましょう』
2人で外に向かって歩きだした。
「おい!サファイア、何処にいくんだ!おい!また、無視するのか?お~い」
リルさんは、うるさいので置いて行きます。
さぁ!森に向かって出発です。
皆、無事でいてね…。
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