神様！モフモフに囲まれることを希望しましたが自分がモフモフになるなんて聞いてません

67. 美人な神様の正体

『だ、誰ですか？』

突然現れた美人さんに驚いて、思わず声をかけてしまいました。

『私…神様よ』

『へ？』

『何を変な声を出しているのよ。私は人間達が言う言葉だと、美の女神のアフロディーテよ』

確かに凄い美人だと思いましたけど…神様だったんですね。

『アフロディーテ様…がどうして、ここにいるのですか？』

今日は神様の集会が地上であるのでしょうか？

『私の愛し子が困っているみたいだったから見に来たのよ』

『愛し子？』

『あなたに分かりやすく言うと、ご主人様よ』

ええー！！

全身の毛が逆立ってしまいました。

『知りませんでした…』

『あら、そうなのね』

ご主人様…美の神様に愛されるって…。

たしかに、美形だと思っていたけど、神様にもそう思われているって事ですよね…。

凄いな…。

『それにあの子は私の初恋の人の子供なのよね』

神様の初恋…気になりますよね。

でも、それって人間に恋をしたって事かな？

『人間に恋をしたのですか？』

プッ…。

神様は吹き出し、笑いだした。

『違うわよ。相手は神様…あの子の父親は神様なのよ。あの子は…ハーフってやつね。神と人間のね…』

　　　えええええ～～！！！！！

衝撃の事実を知ってしまいました。

そんなことがあるんですね…。

『あの子の父親は神界でも有名な人で奥さんもいるからね…。またその奥さんが嫉妬深い神様だから、あの子の存在は隠してきたみたいだけど…』

そんな大事な事を私に言っても大丈夫ですか？

『たぶん…あそこにいる神もその事を知っていて、あの子をいじめに来ているのよ…本当に根性が悪いんだから…』

『そうなんですね…』

あれ？

いつの間にか私はアフロディーテ様に抱っこされています。

『あなた…気持ちいいわね。フワフワじゃない…私と一緒に天界に来る？』

『…いえ。お誘いは嬉しいですが遠慮しておきます』

それに、こんな事をしている場合ではないかと思いますよ。


ビューー。

凄い風がふきだした。

『嫌だわ。髪が乱れるじゃない…何をやっているのかしら…』

再び、ご主人様達の方を見ると、ホーさんが翼を羽ばたかせて風をおこしているみたいです。

相手の神様が何か…黒い物を出しているのが見えます。

一体何だろう…。

『あー、あれはダメなやつね。あの黒いのに包まれるとアイツの世界に引き込まれるのよ。自分達の力では出ることの出来ない世界にね…』

…それはかなり危ないですね。

『助けることはできませんか』

『そうね～。私の愛し子を連れて行かれると困るから今回は特別に助けてあげても良いわよ』

私を抱えたままアフロディーテ様は立ち上がった。

その時…。

　　バリバリバリ！！ドドォーン！！！

ものすごい大きな雷がご主人様達の所に落ちた。

ご主人様…大丈夫？！

『あら、大変だわ』

アフロディーテ様～助けて下さいよ～！