神様！モフモフに囲まれることを希望しましたが自分がモフモフになるなんて聞いてません

79. お別れ…

沢山の花を周りに飾る…。

お風呂で体を洗って穏やかな時間を過ごした日から1週間後…ザジさんが天国に召された…。


実は前にケガをした時に獣医さんから、もう長くはないと言われていたらしい。

私は涙が止まらない…。

最後のお別れに体を洗わせてもらって…モフモフさせてもらって…抱きしめて…。

まだ、ザジさんの温もりを覚えている。

いつも私を助けてくれた、優しいザジさん。

体をさわっても…亡くなったのが嘘みたいにまだ温かい…。

「サファイア…」

アデル様が横にいてくれる。

アデル様が幼い頃からザジさんは一緒だったらしい。

アデル様も私がいないところで泣いていたみたい…目が赤くなっている。

そうだよね…私よりもっと長い時間を一緒に過ごしたんだから…。

ザジさんの周りがお花でいっぱいになった。

ザジさん…最後の時間を一緒に過ごすことができて嬉しかったよ…。

私を守ろうとしてくれた事…忘れないよ…。

天国でゆっくりしてね。

本当は私もお父様が待っているので、すぐに帰国する予定だったのだが、ザジさんの余命の事を知ってお母様達に無理を言って延期してもらった。

お母様とお兄様…そして聖獣様達も一足早く帰って行った…。

でも、ホーさんだけは私を乗せて帰って来るように…とお兄様に言われたらしく残ってくれている。

…ザジさんだけではなくてアデル様や長老さん達との別れも近づいている…。

寂しい気持ちが私を支配する…。

何十年という長い年月を一緒に過ごした訳ではないけれど…濃い時間を過ごしてきた気がする。

みんな優しくて大好きな人達…。

きっと何年経っても忘れる事はない…。

「サファイア…ザジとのお別れは済んだかい…」

アデル様が話しかけてきた。

「…はい。最後にこのお花を入れて良いですか？」

「ああ…」

棺が閉められた。

ザジさんは屋敷にある森に埋葬されることになった。

いつでも、会いに行けるから…。



バイバイ…ザジさん。

ありがとう…ザジさん。