運命なんて信じません

縁 遊

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9. 知りたい!

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「運命の人?そう言えば今年はそんな人に出逢うみたいな話をしてたな…。え?彼女がそうなの?」

 いや、谷岡さんも驚いていますが私も色々と驚きですよ。

 谷岡さんの話からいくと社長は「今年は運命のに出逢う」と言っていた。ということですよね?しかもその人は…私?

「そうだよ。」

 驚きの表情から顔を戻せない私と谷岡さんに向かって社長はいつものイケメンスマイルで答えています。

「あれって冗談じゃなかったんですか?」

 私は疑問をそのまま社長にぶつけた。

「冗談じゃないよ。あの時は信じていないみたいだったし、取り敢えずこの会社で働いてもらえばそのうちにわかるかな~と思ってね。」

 またイケメンスマイル対応です。…何かムカつく。

 私はこの社長の思い通りに動いていたってことですよね。

 これも運命って言うつもりじゃないよね…。

 いつの間にか私の嫌いな占い通りに動かされていたっていうこと!?

 ショックです。

「この感じだと葉山さんは信じてないみたいだよね?珍しくお前の占いが外れたんじゃないか。」

 私の様子を見ていた谷岡さんが面白そうに社長に言っています。…谷岡さんにもムカつきますね。

「隼人…前にも言ったけどお互いが出会った瞬間に運命だ!なんて思えることはまず無いよ。」

「ノ!私の両親は出逢った瞬間に運命を感じて結婚しました。パードレはマンマを追いかけて日本にやって来て婿になりましたが、今でもラブラブです。2人は運命だと言っています。」

 …凄い情熱的なご両親なんですね。現実にそんな人がいるなんて思いませんでした。少なくとも私のまわりにはそんな情熱的な人はいません。

「それはレアケースだよ。隼人がそんなご両親を見て育ったからとはいえ、それが普通ではないと言うことを知っている方が良いよ。」

「ノ!絶対に僕の運命の人は存在しますね。それを知りたくてここに来ています。」

 …そうなんだ。ロマンチストというか…人に騙されないように注意した方が良いですよ。ピュアすぎて簡単に騙されそう。

「隼人…そんな風に信じきっているから学生時代から悪い女性に引っ掛かるんだぞ。」

 あっ、やっぱりそうなんだ。

「ノ!彼女達は悪い女性じゃないです。僕の運命の人ではなかっただけです。」

 うわぁ~、谷岡さんって本当に天然のピュアなんだ。あれ?今…何か引っ掛かった。

 学生時代から?

「え…社長と谷岡さんは学生時代からのお付き合いなんですか?」

「そうです。中学からの同級生です。」

 ん?じゃあ…社長は私より1つ年下!!

 26歳で社長!

 人が聞いたら優良物件ってやつですよね。

 ますます分からなくなってきました。

 男性は若い女性が好きなんだろうかと元カレで勉強したのに、なぜ年上の私に運命のだなんて言うの?

「え?あれ?僕…葉山さんに年齢も言って無かった?」

「はい…。」

「そうか…。言ったつもりでいたよ。」

「1つ年下だったんですね…。」

「え?年齢を気にする人ですか。」

 気にしない人なんてこの世の中にいるのですか?

「…僕は年齢を気にしません。年齢で相手を見つける訳じゃありませんし、年上だからといって嫌いになるなんてことはありえません。」

 …言うことまでイケメンなんですね。

「…葉山さんは運命の人って僕がなぜ言ったのか知りたいですか?」

「はい!知りたいです。」

「「即答…。」」

 なぜか社長と谷岡さんが私から少し離れていきました。

「隼人…時間が遅くなっても良い?」

 社長が谷岡さんと小声で話しています。聞き取れないな…。何を言っているんだろう。

「シー(イタリア語ではい)。君の運命の人の為なら良いよ。」

 2人で肩を叩きあいながら笑顔で話しています…外国のノリですね。谷岡さんに到っては社長にウインクをしていますよ。いったい何を言ってるの?!

 あっ、社長達が帰ってきました。

「お客様、お部屋にご案内をさせて頂きますね。」

 社長がいつもお客様にやるような仕草をとっています。

「え?私がお客様ですか…。」

 今は仕事中ですけど良いんですか?

「はい。今から少しの間はお客様だよ。さぁ、こちらの部屋にどうぞ。」

 いつもはお客様しか入ることのない部屋に案内されました。

 この部屋に入るのは初めてです。

 この部屋の掃除はしなくて良いと社長から言われているので中に入ったことが無かったんですよね。チラッと見えることはありましたが…。

 何だか凄い不思議な部屋です。

 観葉植物とかの緑が沢山あって自然石とかも置いてあります。BGMは川の流れる音?何だかここが部屋の中だという雰囲気はありません。

 窓のカーテンは閉められていてライトはついてますが薄暗いです。冬の明け方の空の様な雰囲気がしますね。

「はい、ここに座って下さい。」

 この異空間に木で作られた大きなテーブルと椅子が置かれています。椅子には可愛らしいグリーンのクッションが置いてあります。

 私はどんな説明がされるのか期待と不安が混ざった様な心境で椅子に座りました。

「じゃあ、なぜ葉山さんが"僕の運命の人"なのかを説明させてもらうね。」

 ドキドキです…。

 あれ?でもこれって私の嫌いな占いなのかな?!
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