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14. 俺の出番!
しおりを挟む今日は博士の所で人が沢山集まるらしくルイスと俺も呼ばれたんだ。
「ポチ、その蝶ネクタイ似合ってるよ。」
そうだろ、そうだろ。俺の今日の装いは真っ赤な色の蝶ネクタイを首輪の様に着けている。誰が見ても格好良い犬、できる犬にしか見えない装いだ。
俺が何故このような格好をしているかと言うと博士が俺の事を世間に発表すると言い出したからだ。
きっかけはルイスの「いつも博士の庭でしか遊ばせてあげられなくてごめんね。」と言った事だ。
ルイスのその言葉を聞いていた博士が「ポチを外で遊ばせてあげたいか?」とルイスに聞いたので「もちろん遊ばせてあげられるならそうしたいです。」とルイスが答えた。
そしたら何故か俺を世間に発表するって事になったんだよな。
俺ってバレると大変なんじゃなかった?
ルイスも心配していたけど博士が大丈夫だと言ってルイスを説得したんだよな。
本当に大丈夫か?
「ねぇポチ…。最近毛の色が変色してきてる気がするんだけど…これは汚れかな?」
俺の事をじっと見つめていたルイスが失礼な事を言い始めた。
汚れだと?!
毛繕いは毎日してるぞ!
毛の色が変わってなんか…いるな。
よく見たら後ろ足の先の色が変わっている。
え?いつの間に?
「もしかしてポチも驚いてるの?」
俺の様子を見てルイスも驚いているのに気がついたみたいだ。
「ポチも気がついて無かったんだね。何だろうね。」
そう言いながらルイスは俺の後ろ足の色が変わっている部分を触る。
「やっぱり汚れじゃないんだね。」
まだ疑っていたのか?!失礼な!
「あれ…もしかしてポチ怒った?」
フン!しばらくルイスとは遊んでやらないからな。俺は顔をルイスからそらした。
「ごめん、ごめんよポチ。気になっただけなんだよ。本当にごめん。」
ルイスは必死に謝っているが許してやる気はまだない。
「おっ!なんだ?ケンカしたのか?」
そこに博士がやって来た。
「…はい。僕がポチを怒らせてしまったみたいです。」
ルイスが下を向いていると、博士がルイスの頭をポンポンと叩いていた。
「いつもは仲が良いのに珍しいな。」
あれは励ましているのか?
「ポチ、お前はせっかく格好良くしてもらんだから心も広く男前にならないとな。何があったは知らんがルイスを許してやれよ。」
博士が俺の前でしゃがんで話しかけてきた。
…いや、俺が男前なのは前からだぞ。
心も広いぞ。
まあ、ルイスが反省しているなら許してやっても良いかな。
『ワン!』
俺は一鳴きして許してやることを決めた。
「ポチ~、ありがとう。」
ルイスが俺を抱き上げて頬刷りしてくる。
「さあ、仲直りをしたところでそろそろお披露目に行こうか。」
博士がルイスの肩を叩く。
「はい!」
『ワン!』
いよいよ俺のデバンだぞ!!
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