19 / 30
19. 思うように進まない!
しおりを挟む結局、俺とプルーフとクラルの写真を撮ることになったんだが…。
何故、何故だ…俺だけではダメなのか?!
解せない…。
しかし、こうしないとポスターを貼る計画は上手くいかないらしいから仕方がないのか…納得いかないが…。
『楽しいの~!!』
『プルーフ、わかったから落ち着け!はしゃぐでない!!』
プルーフは相変わらず跳ねまくりの暴れまくりだし、クラルはそれを抑えるのに苦労している。それを横で眺める俺…。
どう考えても変だろー!!
こんな写真本当に売れるのか?!
絶対に俺だけが写った写真の方が売れるだろう!
よし!こうなったら強行手段だ。
俺はプルーフとクラルからゆっくり離れていき、そしてカメラの前に座った。
「おや?ポチ様どうされましたか?」
「わん!」
『俺だけを早く撮れ!』
「ご機嫌が良いのですね。すいませんが、もう少しお待ち下さいね」
全然通じない…。
俺はカメラを持っている人間の服の裾を噛んで引っ張った。
「ど、どうしたのですか?!」
まだわからないのか?!
「あ、多分ですけど…ポチは自分の写真を撮ってほしいんだと思います」
そこでナイスアドバイスをしたのは、やっぱり
ルイスだった。
流石だぞ!
「わん!」
「え?これって返事…」
「わん!」
『だからそうだって言ってるだろ!早く撮れ!』
今度はルイスの顔を見た。
「早く撮ってほしいみたいです…」
ルイス~!後で遊んでやるからな。
「はあ…わかりました。流石…聖獣様…」
男は、他の人間にも指示をだして準備を早めたみたいだな。よしよし、それで良い。
「お待たせしました。では、撮りますよ~。はい、チーズ!」
カシャッ!
『…って、おい!なんでお前達が前に来るんだよ!!』
さっきまではしゃいでいたはずのプルーフと、それを止めようとしていたはずのクラルがカメラのシャッターを押さえる直前になって俺の前に割り込んできたぞ!
せっかくの俺様の写真が~!!
「あっ、皆様綺麗に写っていますが…ポチ様のお顔が…」
何か言いにくそうにカメラの男が写真をチェックしている。
『どれ?』
クラルがそれを覗き込むと…。
『ハハハハハッ!これは愉快な顔をしておるな。これで良いのではないか?』
嫌な感じしかないが…。
『プルーフもクラルもカッコイイの~!!ポチ…』
おい!プルーフ!なぜ俺だけコメントなしなんだ!
どれ、俺にも見せてみろ。
写真を覗き込むと…。
『なんだ…この表情…』
写真に写っていた俺の顔はプルーフ達に驚いて口を開けて目も見開いてている。
『ダメダメ~!!!やり直しだー!』
こんなの聖獣様としては威厳がないし俺らしくないぞ!
『え~!プルーフはこれが良いの~』
『なんだと~!』
俺とプルーフの決闘というじゃれあいがあり撮影は中断、結局、納得のいく写真が撮れたのは1カ月後だった。
なんでこんなに思うように進まないんだよ~!
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
【完結】乙女ゲーム開始前に消える病弱モブ令嬢に転生しました
佐倉穂波
恋愛
転生したルイシャは、自分が若くして死んでしまう乙女ゲームのモブ令嬢で事を知る。
確かに、まともに起き上がることすら困難なこの体は、いつ死んでもおかしくない状態だった。
(そんな……死にたくないっ!)
乙女ゲームの記憶が正しければ、あと数年で死んでしまうルイシャは、「生きる」ために努力することにした。
2023.9.3 投稿分の改稿終了。
2023.9.4 表紙を作ってみました。
2023.9.15 完結。
2023.9.23 後日談を投稿しました。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
ネグレクトされていた四歳の末娘は、前世の経理知識で実家の横領を見抜き追放されました。これからはもふもふ聖獣と美食巡りの旅に出ます。
☆ほしい
ファンタジー
アークライト子爵家の四歳の末娘リリアは、家族から存在しないものとして扱われていた。食事は厨房の残飯、衣服は兄姉のお下がりを更に継ぎ接ぎしたもの。冷たい床で眠る日々の中、彼女は高熱を出したことをきっかけに前世の記憶を取り戻す。
前世の彼女は、ブラック企業で過労死した経理担当のOLだった。
ある日、父の書斎に忍び込んだリリアは、ずさんな管理の家計簿を発見する。前世の知識でそれを読み解くと、父による悪質な横領と、家の財産がすでに破綻寸前であることが判明した。
「この家は、もうすぐ潰れます」
家族会議の場で、リリアはたった四歳とは思えぬ明瞭な口調で破産の事実を突きつける。激昂した父に「疫病神め!」と罵られ家を追い出されたリリアだったが、それは彼女の望むところだった。
手切れ金代わりの銅貨数枚を握りしめ、自由を手に入れたリリア。これからは誰にも縛られず、前世で夢見た美味しいものをたくさん食べる生活を目指す。
人質5歳の生存戦略! ―悪役王子はなんとか死ぬ気で生き延びたい!冤罪処刑はほんとムリぃ!―
ほしみ
ファンタジー
「え! ぼく、死ぬの!?」
前世、15歳で人生を終えたぼく。
目が覚めたら異世界の、5歳の王子様!
けど、人質として大国に送られた危ない身分。
そして、夢で思い出してしまった最悪な事実。
「ぼく、このお話知ってる!!」
生まれ変わった先は、小説の中の悪役王子様!?
このままだと、10年後に無実の罪であっさり処刑されちゃう!!
「むりむりむりむり、ぜったいにムリ!!」
生き延びるには、なんとか好感度を稼ぐしかない。
とにかく周りに気を使いまくって!
王子様たちは全力尊重!
侍女さんたちには迷惑かけない!
ひたすら頑張れ、ぼく!
――猶予は後10年。
原作のお話は知ってる――でも、5歳の頭と体じゃうまくいかない!
お菓子に惑わされて、勘違いで空回りして、毎回ドタバタのアタフタのアワアワ。
それでも、ぼくは諦めない。
だって、絶対の絶対に死にたくないからっ!
原作とはちょっと違う王子様たち、なんかびっくりな王様。
健気に奮闘する(ポンコツ)王子と、見守る人たち。
どうにか生き延びたい5才の、ほのぼのコミカル可愛いふわふわ物語。
(全年齢/ほのぼの/男性キャラ中心/嫌なキャラなし/1エピソード完結型/ほぼ毎日更新中)
掃除婦に追いやられた私、城のゴミ山から古代兵器を次々と発掘して国中、世界中?がざわつく
タマ マコト
ファンタジー
王立工房の魔導測量師見習いリーナは、誰にも測れない“失われた魔力波長”を感じ取れるせいで奇人扱いされ、派閥争いのスケープゴートにされて掃除婦として城のゴミ置き場に追いやられる。
最底辺の仕事に落ちた彼女は、ゴミ山の中から自分にだけ見える微かな光を見つけ、それを磨き上げた結果、朽ちた金属片が古代兵器アークレールとして完全復活し、世界の均衡を揺るがす存在としての第一歩を踏み出す。
ナイナイづくしで始まった、傷物令嬢の異世界生活
天三津空らげ
ファンタジー
日本の田舎で平凡な会社員だった松田理奈は、不慮の事故で亡くなり10歳のマグダリーナに異世界転生した。転生先の子爵家は、どん底の貧乏。父は転生前の自分と同じ歳なのに仕事しない。二十五歳の青年におまるのお世話をされる最悪の日々。転生チートもないマグダリーナが、美しい魔法使いの少女に出会った時、失われた女神と幻の種族にふりまわされつつQOLが爆上がりすることになる――
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる