ポチ、頑張ります!

縁 遊

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19. 思うように進まない!

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 結局、俺とプルーフとクラルの写真を撮ることになったんだが…。

 何故、何故だ…俺だけではダメなのか?!

 解せない…。

 しかし、こうしないとポスターを貼る計画は上手くいかないらしいから仕方がないのか…納得いかないが…。

『楽しいの~!!』

『プルーフ、わかったから落ち着け!はしゃぐでない!!』

 プルーフは相変わらず跳ねまくりの暴れまくりだし、クラルはそれを抑えるのに苦労している。それを横で眺める俺…。

 どう考えても変だろー!!

 こんな写真本当に売れるのか?!

 絶対に俺だけが写った写真の方が売れるだろう!

 よし!こうなったら強行手段だ。

 俺はプルーフとクラルからゆっくり離れていき、そしてカメラの前に座った。

「おや?ポチ様どうされましたか?」

「わん!」

『俺だけを早く撮れ!』

「ご機嫌が良いのですね。すいませんが、もう少しお待ち下さいね」

 全然通じない…。

 俺はカメラを持っている人間の服の裾を噛んで引っ張った。

「ど、どうしたのですか?!」

 まだわからないのか?!

「あ、多分ですけど…ポチは自分の写真を撮ってほしいんだと思います」

 そこでナイスアドバイスをしたのは、やっぱり
ルイスだった。

 流石だぞ!

「わん!」

「え?これって返事…」

「わん!」

『だからそうだって言ってるだろ!早く撮れ!』

 今度はルイスの顔を見た。

「早く撮ってほしいみたいです…」

 ルイス~!後で遊んでやるからな。

「はあ…わかりました。流石…聖獣様…」

 男は、他の人間にも指示をだして準備を早めたみたいだな。よしよし、それで良い。

「お待たせしました。では、撮りますよ~。はい、チーズ!」

 カシャッ!

『…って、おい!なんでお前達が前に来るんだよ!!』

 さっきまではしゃいでいたはずのプルーフと、それを止めようとしていたはずのクラルがカメラのシャッターを押さえる直前になって俺の前に割り込んできたぞ!

 せっかくの俺様の写真が~!!

「あっ、皆様綺麗に写っていますが…ポチ様のお顔が…」

 何か言いにくそうにカメラの男が写真をチェックしている。

『どれ?』

 クラルがそれを覗き込むと…。

『ハハハハハッ!これは愉快な顔をしておるな。これで良いのではないか?』

 嫌な感じしかないが…。

『プルーフもクラルもカッコイイの~!!ポチ…』

 おい!プルーフ!なぜ俺だけコメントなしなんだ!

 どれ、俺にも見せてみろ。

 写真を覗き込むと…。

『なんだ…この表情…』

 写真に写っていた俺の顔はプルーフ達に驚いて口を開けて目も見開いてている。

『ダメダメ~!!!やり直しだー!』

 こんなの聖獣様としては威厳がないし俺らしくないぞ!

『え~!プルーフはこれが良いの~』

『なんだと~!』

 俺とプルーフの決闘というじゃれあいがあり撮影は中断、結局、納得のいく写真が撮れたのは1カ月後だった。

 なんでこんなに思うように進まないんだよ~!
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