ポチ、頑張ります!

縁 遊

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22. 助けてくれ!

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 あの衝撃の写真事件から俺の心は荒れている。

 ナゼなんだ…俺は人気者のはずだろ?

 そう言えば最近ポイントとやらも貯まっていないな。もしかして…俺は人気が無いのか。

「ポチ…最近また元気無いよね。大丈夫?」

 俺の頭を優しく撫でながらルイスが心配してくれている。ルイスは優しい。それに比べて…。

『プルーフ人気なの~!クラルはもっと人気なの~!ポチはかわいそうなの~!』

 プルーフは博士から写真が売れていると聞いたらしく、最近は口癖の様にこれを言っている。

『うるさい!黙ってろよ!!』

 こんなことを言っても黙っている奴ではないが言わずにはいられない。

「プルーフは相変わらず楽しそうだよね。ポチもプルーフと一緒にいると元気になれるかもしれないね」

 ルイスの笑顔が眩しい…。だがルイスよ、それは間違いだからな。コイツと一緒にいると疲れがたまるぞ!

「ポチ様、写真が売れているみたいですよ」

 嬉しい事を言ってきたのは博士だ。

「え!そうなんですか」

 ルイスの方が俺より先に反応した。

「ああ。プルーフとクラル様達の売上げも合わせるとかなりの金額になっているから、そろそろポスターも作れると思いますけど…どうしますか?」

 なに?!もうポスターが作れるのか。それは嬉しいが、どうしますか?とは何だ?

「…言いにくいのですが、売上げを見ますとポチ様だけのポスターよりもクラル様とプルーフも一緒に写っていた方が売上げ的に良いかと思われます」

 …ガ~~ン。

 俺だけではダメなのか…。

 しかし、目的はご主人様に俺を思い出してもらうためだ。俺が写っていればそれで良い…はず。

 気持ちはへこんでいるが、長くポスターを作成するためにはお金がかかるし、売れる方が良いよな…。

「わん!」

「それは…皆で写したポスターで良いということですか?」

「わん!」

「良かった~。ではそれで進めさせていただきますね」

 博士は安心した様子だ。

「ポスターが作れることになって良かったねポチ」

 ルイスも喜んでくれているみたいが、あれ…ルイスの様子が何かおかしい。

 頭をおさえて顔をしかめている。

 俺はルイスの顔を覗き込むように顔を近づけた。

「ポチ…。少し…頭が…いた…」

 話している途中でルイスが床に倒れてしまった。目を開けさせようと顔を舐めるが…目は開かない。

「わん!わんわん!!」

『ルイス!おい!ルイス!!』

 誰か!ルイスを助けてくれ!!!

 
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