召喚された少年は公爵様に愛される

さみ

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34話 公爵邸の外③

そこには沢山の屋台やお店があった。
わたあめやチョコバナナを売っている店もあった。わたあめに関しては雲菓子と書いてある。作り方や形はどう見てもわたあめだ。面白かったのと、この世界のわたあめと自分の世界のわたあめに味の違いがあるのか知りたかったので買うことにした。

「いらっしゃい!」

店番をしていたのは気さくそうなおばちゃんだった。

「あの、雲菓子2つください。」

「あいよ!ここら辺は初めてかい?」

「はい。」

「そうかいそうかい、この町はいい町だろ。治安は良いし道にはゴミ一つ落ちていない。それも今の公爵様に変わってからなんだよ。」

「そうなんですね。今の公爵様はとってもいい人なんですね!」

「ああ、とても感謝しているよ。」

やけに静かだなと思いチラっと隣を見た。ミエールには目の前で真っ白なふわふわしたものが作られていくのは珍しかったようで雲菓子に釘付けになっていた。あまり見ないものなのだろうか。

「ありがとうございます。」

「楽しんで行ってくれよ。」

いい人だったな....
感謝しているよ。とまで言われ、領民に尊敬されているだなんて、ライアン様が本当に凄い人だと何度も感じさせられる。

「ん~~おいしい!」

「おいしいね。」

ミエールは目にも留まらぬ速さでバクバクと口の中に雲菓子を入れ、食べていた。雲菓子は結果、わたあめとさほど変わりのない味だった。元の世界の物を久しぶりに食べられたことに感動してしまう。

「雲菓子ってみんなよく食べるのかな?」

気になったのでそう、聞いてしまった。

「んーわかんないや。私、屋台とか食べるの初めてだから。」

「え?屋台ってそんな珍しいものなんだね。」

「ううん、私が貧乏だったから初めてなだけだよ。」

乃亜は軽い感じで聞いてしまったことに後悔した。ミエールは何ともないような顔で話すものだから余計に申し訳なくなり黙ってしまう。

「そんな深刻な話じゃないよ!ごめんね。私が単純に孤児だから。」

「そうなんだ...」

よく考えてみると自分もこの世界に召喚されてよく生きてるなと思った。元いた世界でも長年暮らしていても他人としか思えなかった両親が離婚してそのまま家を出た身でとくに執着などなかった。走り付いた先が公爵邸でライアン様に拾って貰えたのは運が良かったとしかいえない。
事あるごとにライアン様のことを考えてしまう自分に気がつき、急に恋しくなってしまった。




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