召喚された少年は公爵様に愛される

さみ

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38話 好機到来  ???視点

???視点


ミラー伯爵令嬢であるメアリー様にあることを持ちかけられたのは私が仕事で外に出ていたときだった。

「あなた、そこのあなたよ。子爵夫人」

「あなたは...」

貴族の乗る豪華な馬車を側に止め、その容姿を見れば貴族だとすぐ分かった。

「私はメアリー・ミラーよ。分かるかしら」

なんとミラー伯爵の御令嬢だった。直接的な関係はないものの名前程度は知っていた。だけどなんで伯爵令嬢が落ちぶれた私に声を掛けるのだろうか。

「ミラー伯爵令嬢ですか、ご無礼をお許しください。この落ちぶれた私に何か御用でしょうか。」

「いいわよ、少し話したいのだけれどお時間宜しくて?」



伯爵令嬢に馬車に乗せられ来たのは貴族御用達の店だ。昔はよくご夫人達とティータイムで通っていた。こんな見窄らしい服で入るのは屈辱だ。だが今はドレスを着るような身分ではないのだ。そっと伯爵令嬢に付いていく。

「あの、話とは...」

「あら、お話が早いこと。世間話でもしませんか。子爵夫人、ここには久しぶりに来たのではなくて?ああそうでしたね、お金は気にしなくて大丈夫ですわよ。私が誘ったのですもの。払う義務があります。」

没落貴族であることを好き放題言われ、性格の悪い令嬢だと怒りが込み上げてくるが社交界で鍛えられた愛想笑いを久しぶりに使い対処する。

「ご配慮ありがとうございます。遠慮なく頼ませて頂きますわ。」

「ええ、もちろんですわ」

昔食べていたものをぽんぽんと頼んだ。運ばれるまで世間話を少しした。全て上から目線の発言で怒りの感情を抑えるのが大変だった。社交界から少し離れただけでこんなにも耐性がなくなるとは...

「ところで子爵夫人、子爵家を復興させる気はありませんこと?」

突然話が変わった。それも子爵家の復興、いくら伯爵家でもそれは厳しいだろうと思う。それにミラー伯爵はそれほどお金を持っていることや事業を拡大している話など聞いたことが無く、にわかに信じがたかった。

「できることなら、夫や私の両親の為にも復興できるならしたいところですがミラー伯爵はどう思われるか...」

「父は関係ないわ。私は公爵夫人になるのよ。そうすれば便宜を図ってあげるわ。」

「えっ、公爵、夫人....マーフィー公爵ですか」

「ええ、約束もしている。」

約束....本当かどうか分からないが最近公爵が寝室にまで入れているノアという者を正式な妻として迎え入れることはできないだろう。なんせ身分がない。平民でもないそうなので奴隷商から逃げてきたというところだろうか。信用とまではいかないがみんなの為にも....

「何をすれば良いのでしょうか。」



「私に協力しなさい。」
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