婚約破棄され、辺境へ追放された最強勇者は無双全開!銀髪戦姫と新たな国を創る!気が付いたら魔王と呼ばれていた?

東導 号

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第6話「解放感MAX!! ざまああああああああああ!!」

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 国王セザール・コデルリエから、『婚約破棄』と『追放』を言い渡されたダンは大広間を出て少し歩くと……
 通路には『意外な人物』が待ち受けていた。

 ダンが婚約破棄された相手?であり、散々いびられたセザールの愛娘、『王女アンジェリーヌ』である。
 
 思わずにっこり笑ったダンが彼女へ手を振ると……
 
 無言のアンジェリーヌは怒りの形相となり、凄い目つきで、にらんで来た。

 心の波動を読み取れるスキルを持つダンには分かった。
 憎しみの眼差しで訴えるアンジェリーヌの本音は、違っていた。

 実はこう言いたいのだ。

『ダ~ン! 婚約破棄リセッ~ト!! ドスケベで気持ち悪い、ど最悪なあいつらより、ゴミ勇者のあんたの方がまだマシぃ!! もう1回婚約してぇ~!!』

 しかし、そんな願いなどダンは当然却下。
 きっぱりお断りである。

「あははははははははっ!! 無理無理無理無理!! 絶対にお断りだぁ!! どうぞ、お幸せに~っ!!」

 大笑いしたダンは、角を曲がると、「べぇ~っ」と思い切り舌を出した。

 そして、

「ざまああああああああああっ!!」

 と大声で叫んだのである。
 
 そして約束通り……
 ダンが着用していた、ものものしい勇者専用のいかつい兜、鎧、ド派手な剣等々は、
 王家に全て返却した。
 そして、自分で買った地味な革鎧姿に着替えた。

 ちなみに勇者の兜は『フルフェイスマスク』だった。
 なので、ダンの素顔を知る者は、
 世間に殆ど居なかった。

 ダンは、そうイケメンではない。
 筋骨隆々でもない。

 黒く短めの髪、黒い瞳を持つ長身痩躯。
 受ける雰囲気は地味、羽振りの良くない冒険者風。
 
 勇者の武器防具を装着していなければ、一見、ごく平凡な18歳のいち少年。
 どこにでも居る存在である。

 なので王都の街中を歩いても勇者だと騒がれたり、
 追放者だと、指さされる事もなかった。

 身軽になったダンは、王宮を出た。
 
 地球の中世西洋風の街、
 リオン王国の王都アンペラールの人口は約5万人である。
 中央広場に王宮があり、放射線状に道路が伸び、様々な区画に分かれている。
 
 勇者ダンにより、世界の平和を脅かす魔王デスヘルガイザーが倒されたので、
 行き交う人々の表情は安らかであった。

 王族、家臣はくそだが、市民、国民に罪はない。
 皆、ホッとしてるだろうし、
 自分もようやく、全てのしがらみから解き放たれた……
 
 歩くダンの表情は晴れやかである。

 《うっわ~っ、すっげぇ解放感っ! 空気がひどく美味い! やっと任務がオワタという感じか。そうそう! 城へ帰る前に足りない分の買い物をしておこう……》

 ダンの顔は「にやにや」が止まらない。

 彼は魔王を倒しても慰労されただけ。
 褒美はゼロ、報奨金もゼロ、
 魔境と呼ばれる未開の地に隣接する、
 『放棄されたリオン王国の狭い旧領』を貰っただけである。

 だが、その地は『追放場所』として与えられたもの……
 いわばダンの『流刑地』そのものなのだ。
 
 つまり地位も金も得る事は出来なかった。
 得たのはかろうじて魔王討伐の栄誉と未開の地だけ……
 残念ながら、栄誉のみでは食っていけない。

 だが……
 冷静沈着の上、慎重で堅実な性格のダンは、
 魔王退治の傍ら、コツコツと『蓄え』を増やしていた。

 勇者法……
 創世神の神託による勇者の約定から……
 魔王が居た城の財宝は王家に一切を渡していたが、
 それ以外は、犯罪を犯さない限り自由、お構いなしだとされていたのだ。

「マスター」

 その時。 
 声をかけて来る者が居た。
 
 端麗な顔立ちをした小柄な少女である。
 年齢はダンより少し年下で16歳くらいだろうか。
 漆黒の革鎧を着込んでいる。
 
 少女は肩までのショートカットのきらめく銀髪。
 シルバープラチナの美しい髪を持っていた。
 ――従士の少女スオメタルだ。
 
 スオメタルは、ダンへ柔らかく、微笑んではいたが……
 どことなく人間離れしていて、やや冷たい印象を受ける。
 
 間を置かず、スオメタルは、ダンへ向かい「びっ」と敬礼する

「マスター、お疲れ様でございます」

「おお、スオメタルか、待たせたな」

「いいえ、そんなに待ってはおりませぬ。もう出発の準備は万端ばんたんでございますか?」

「いや、買い物がまだ、これからだな」

「では、マスター、お供致します」

「ああ、一緒に行こう。買い物が終わったら、お茶でも飲もう。しばらく王都へは来ないから」

「御意でございます」

 ダンとスオメタルは頷き合うと……
 様々な商店が軒を連ねる王都の商業街区へ向け、歩き出したのである。
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