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第126話「はあい! 20体のゴブリン行動不能! 一丁あがりい!」
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「全員! 戦闘態勢スタンバイ!」
俺の指示を聞き、メンバー全員が身構えるのが、勘働きのスキルで分かった。
しかし俺のすぐ後ろへ控えるフェルナンさんはデビュー戦の為か緊張し、
少し硬くなっているようだ。
こういう時フォローするのも新人主将たる俺の役目だと心得ている。
俺は前を向いたまま、フェルナンさんへ話しかける。、
「フェルナンさん」
「!!!」
びくびくっと驚き、身震いするフェルナンさん。
おお、凄いや、俺の勘働き。
心にイメージがはっきりと映る。
前を向いたまま、視認しないでも、フェルナンさんの動きがはっきりと分かるんだ。
「油断は大敵です。しかし相手はゴブリン、全く問題はありません。思い出してみてください、研修の時、ふたりで思い切り無双していましたよね」
俺がそう言うと、フェルナンさんの身震いが止まった。
よしよし、落ち着いてきた。
更に俺は言う。
「俺の威圧を使い、奴らの動きを止めますから、一方的にふるぼっこしちゃいましょ」
知り合ったばかりの頃の、融通が利かないフェルナンさんなら、
「ダメだ! ダメだ! 動けなくして無抵抗のゴブリンを一方的にふるぼっこなど騎士道に反する非道な行為だ」
とか言ったに違いない。
まあ、そんな青臭い正義感は、
「いえいえ! ゴブリンどもは数を頼んで人間を襲い、子供まで情け容赦なく喰い殺します。奴らに情けは一切無用。悪即斬です」
と正論で、ばしっと切り返し、木っ端微塵にするけどね。
でもそんな反論をせずとも、今のフェルナンさんは、身も心も完全に冒険者?
「おお、エルヴェ君。ありがたい! ナイスフォローだ。ぜひお願いしたい!」
と、快諾OKしてくれた。
うんうん!
フェルナンさんの言葉に力がみなぎって来た。
モチベーションが上がって来たんだ。
「はい! フェルナンさん! 今回の案件は新人中心で行けと指示を受けています。ローラン様たちの手をわずらわせず、さくさくっと行きましょう」
「おう! 分かった! 研修の時同様、俺とシャルロットさんへ指示を出してくれ」
「了解っす!」
という事で、俺とフェルナンさんが先導し、グランシャリオは粛々と進む。
ゴブリンとの距離がどんどん詰まり、後、数百メートルというところで、
相手が発する波動に乱れが生じた。
人間だあ!とか、わあわあ騒いでいる。
どうやら奴らも俺たちに気が付いたようだ。
ここで俺は振り返り、再び声を張り上げる。
「ゴブリンどもがこちらに気が付きました。100mまで近づいたら、威嚇を使い、フェルナンさんとともに突入します。俺たちふたりで片づけますので、他の方は待機をお願いします! ……フェルナンさん、行きますよ!」
「お、おう! 了解!」
「俺が先に行って合図をしますから、フェルナンさんは、そのタイミングで突入して来てください」
「分かった!」
そうこうしているうちに、100m先にゴブリンどもが現れた。
勘働きスキル――索敵で捕捉した通り、20体居る。
よし!
俺はどん!と大地を蹴り、ゴブリンどもへ向かって、駆け出していたのである。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
ぎゃあお! ぎゃあお! ぎゃあお! ぎゃあお!
ぎゃあお! ぎゃあお! ぎゃあお! ぎゃあお!
単身突入して来た俺に驚き、ゴブリンどもは騒ぎまくる。
本当は20体のゴブリンなど、俺ひとりで充分。
強めの威圧で、石化させてしまえば、後始末いらず。
だが、それだと、クランメンバーと協力して倒すチームプレーにならない。
なので、まずはフェルナンさんと協力し、ふたりでゴブリンどもを倒す。
まあ20体など、ほんの序盤というか、小手調べに過ぎない。
何せ、ゴブリンは数百体……推定500体は居る。
たった20体倒しても、1/10にもならないのだ。
ようし、片っ端から、しゃきしゃき、行くぞ!
威圧の目力オン!
ぎん!ぎん!ぎん!ぎん!ぎん!ぎん!ぎん!ぎん!ぎん!ぎん!
ぎん!ぎん!ぎん!ぎん!ぎん!ぎん!ぎん!ぎん!ぎん!ぎん!
俺がゴブリンどもを、にらみつけると、
まるで、ドミノ倒しのようにゴブリンどもは倒れていく。
ばた!ばた!ばた!ばた!ばた!ばた!ばた!ばた!ばた!ばた!
ばた!ばた!ばた!ばた!ばた!ばた!ばた!ばた!ばた!ばた!
はあい! 20体のゴブリン行動不能! 一丁あがりい!
安全確保OK!
後は、一方的に倒すだけ!
俺は左手を挙げ合図、
「フェルナンさ~ん! ゴブリン20体! 全て行動不能にしましたよ!」
言い終わると、ぶんぶんと大きく振り回したのである。
俺の指示を聞き、メンバー全員が身構えるのが、勘働きのスキルで分かった。
しかし俺のすぐ後ろへ控えるフェルナンさんはデビュー戦の為か緊張し、
少し硬くなっているようだ。
こういう時フォローするのも新人主将たる俺の役目だと心得ている。
俺は前を向いたまま、フェルナンさんへ話しかける。、
「フェルナンさん」
「!!!」
びくびくっと驚き、身震いするフェルナンさん。
おお、凄いや、俺の勘働き。
心にイメージがはっきりと映る。
前を向いたまま、視認しないでも、フェルナンさんの動きがはっきりと分かるんだ。
「油断は大敵です。しかし相手はゴブリン、全く問題はありません。思い出してみてください、研修の時、ふたりで思い切り無双していましたよね」
俺がそう言うと、フェルナンさんの身震いが止まった。
よしよし、落ち着いてきた。
更に俺は言う。
「俺の威圧を使い、奴らの動きを止めますから、一方的にふるぼっこしちゃいましょ」
知り合ったばかりの頃の、融通が利かないフェルナンさんなら、
「ダメだ! ダメだ! 動けなくして無抵抗のゴブリンを一方的にふるぼっこなど騎士道に反する非道な行為だ」
とか言ったに違いない。
まあ、そんな青臭い正義感は、
「いえいえ! ゴブリンどもは数を頼んで人間を襲い、子供まで情け容赦なく喰い殺します。奴らに情けは一切無用。悪即斬です」
と正論で、ばしっと切り返し、木っ端微塵にするけどね。
でもそんな反論をせずとも、今のフェルナンさんは、身も心も完全に冒険者?
「おお、エルヴェ君。ありがたい! ナイスフォローだ。ぜひお願いしたい!」
と、快諾OKしてくれた。
うんうん!
フェルナンさんの言葉に力がみなぎって来た。
モチベーションが上がって来たんだ。
「はい! フェルナンさん! 今回の案件は新人中心で行けと指示を受けています。ローラン様たちの手をわずらわせず、さくさくっと行きましょう」
「おう! 分かった! 研修の時同様、俺とシャルロットさんへ指示を出してくれ」
「了解っす!」
という事で、俺とフェルナンさんが先導し、グランシャリオは粛々と進む。
ゴブリンとの距離がどんどん詰まり、後、数百メートルというところで、
相手が発する波動に乱れが生じた。
人間だあ!とか、わあわあ騒いでいる。
どうやら奴らも俺たちに気が付いたようだ。
ここで俺は振り返り、再び声を張り上げる。
「ゴブリンどもがこちらに気が付きました。100mまで近づいたら、威嚇を使い、フェルナンさんとともに突入します。俺たちふたりで片づけますので、他の方は待機をお願いします! ……フェルナンさん、行きますよ!」
「お、おう! 了解!」
「俺が先に行って合図をしますから、フェルナンさんは、そのタイミングで突入して来てください」
「分かった!」
そうこうしているうちに、100m先にゴブリンどもが現れた。
勘働きスキル――索敵で捕捉した通り、20体居る。
よし!
俺はどん!と大地を蹴り、ゴブリンどもへ向かって、駆け出していたのである。
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ぎゃあお! ぎゃあお! ぎゃあお! ぎゃあお!
ぎゃあお! ぎゃあお! ぎゃあお! ぎゃあお!
単身突入して来た俺に驚き、ゴブリンどもは騒ぎまくる。
本当は20体のゴブリンなど、俺ひとりで充分。
強めの威圧で、石化させてしまえば、後始末いらず。
だが、それだと、クランメンバーと協力して倒すチームプレーにならない。
なので、まずはフェルナンさんと協力し、ふたりでゴブリンどもを倒す。
まあ20体など、ほんの序盤というか、小手調べに過ぎない。
何せ、ゴブリンは数百体……推定500体は居る。
たった20体倒しても、1/10にもならないのだ。
ようし、片っ端から、しゃきしゃき、行くぞ!
威圧の目力オン!
ぎん!ぎん!ぎん!ぎん!ぎん!ぎん!ぎん!ぎん!ぎん!ぎん!
ぎん!ぎん!ぎん!ぎん!ぎん!ぎん!ぎん!ぎん!ぎん!ぎん!
俺がゴブリンどもを、にらみつけると、
まるで、ドミノ倒しのようにゴブリンどもは倒れていく。
ばた!ばた!ばた!ばた!ばた!ばた!ばた!ばた!ばた!ばた!
ばた!ばた!ばた!ばた!ばた!ばた!ばた!ばた!ばた!ばた!
はあい! 20体のゴブリン行動不能! 一丁あがりい!
安全確保OK!
後は、一方的に倒すだけ!
俺は左手を挙げ合図、
「フェルナンさ~ん! ゴブリン20体! 全て行動不能にしましたよ!」
言い終わると、ぶんぶんと大きく振り回したのである。
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