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第93話「ポミエ村へ②」
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「ディーノさん、もう1時間ほど走ればポミエ村よ」
オレリアがコメントした通り、約1時間後……
一行はポミエ村へ到着した。
ケルベロスとオルトロスの冥界『魔獣犬』兄弟は、ゴブリンどもを上手く牽制したらしい。
出発した際、ディーノが懸念していた、ゴブリン他、外敵の襲撃は一切なかった。
ディーノの視界に広がるポミエ村は……
彼がこれまで持っていた、オレリアから聞いていたイメージ通り、こじんまりとした小村であった。
ディーノの目の前には、武骨な丸太を組んだ、簡易な防護柵が行く手を阻んでいる。
防護柵同様、馬車の正面には丸太を組んで作られたそこそこの大きさの門がある。
ディーノがオレリアへ改めて聞けば……
村全体が丸太の防護柵で囲まれているらしい。
そして、門は北と南のふたつあるそうだ。
何気にディーノが見やれば……その防護柵の丸太は一面傷だらけであった。
所々破損もしていた。
この様相が大群で襲撃するゴブリンどもの脅威を物語っている。
資材不足や人員不足の兼ね合いもあり、
ゴブリンどもの破壊活動に「修理が間に合わないのだ」と、ディーノは見た。
さてさて!
ディーノ達が到着したのは南の門前である。
防護柵よりもほんの少し高い物見やぐらがそびえていた。
その物見やぐらには、つぎはぎだらけの革鎧を身に着け、
錆びた斧を持つ日焼けした中年男がひとり。
この中年男はどうやら門番&監視役らしい。
到着した馬車の御者台へ座るディーノ達、そして馬車へも鋭い視線を飛ばしている。
その中年男を見やり、御者台から立ち上がって、オレリアが叫ぶ。
「お~い、ロドリグさ~ん! 何とか『助っ人』を連れて来たよ~っ! 爺ちゃん、いいえ! 村長へ報せてくれな~いっ!!」
「りょ、了解だあっ!! よ、良くやったあ! オレリアあ。大手柄だぞ~っ!」
オレリアの報告を聞き、ロドリグと呼ばれた中年男は大声で、嬉しそうに叫んだ。
そして、改めて物見やぐらから馬車の周囲を凝視した。
念の為、敵が存在しないか、ロドリグは改めて確認したようである。
「よし!」と頷いたロドリグが手を大きく打ち振ったのが、開門の合図らしい。
少し間を置いて、門が「ぎいいいいっ!」と軋んだ音を立てて、
用心深く開かれた。
ここぞとばかりに、オレリアが手を振って合図する。
「ディーノさあん! 今よっ! 急いでえっ! ば、馬車を村の中へっ!」
「了解っ!」
オレリアに応えたディーノは馬を促すと、
素早く馬車を、村内へ乗り入れたのである。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
村内へ乗り入れた馬車の扉が開き、
ステファニーが、ロクサーヌが、そしてジョルジエット、タバサと、
鋼鉄の処女団のメンバーが飛び降りた。
そして御者台からも、マドレーヌ、ディーノ、最後にオレリアも降り立った。
南門が開いてすぐの場所は小さな広場となっていた。
広場には多くの村民が集まっていたが、
ディーノ達を見て、目が落胆の色に染まっていた。
どうやら……
若いディーノ達の『構成』を見て、
「期待外れだ」と、がっかりしてしまったらしい。
確かにそうかもしれない。
冒険者クランが、
イコール『屈強な男達の集団』と村民達がイメージしていたとしたら……
ディーノ達は完全に真逆。
一番年上で、2mの巨躯を誇るロクサーヌはまだしも……
元聖女のジョルジエットはいかにも華奢。
他の者はまだ大人とは程遠い、10代半ばから後半の少年少女達だったからだ。
しかし……
このように不穏な『空気』に最も敏感なのが、ステファニーである。
腕組みをし、仁王立ちしたステファニーは、じ~ろりと村民達を見回し……
先ほど森へ響いた、ケルベロスとオルトロスの魔獣兄弟に負けじとばかりに、
大声で咆哮する。
「ごらあああああああああああ~~っ!」
「ぎゃ~!」
「ひいいっ!」
「うわあっ!」
「た、助けてぇ~っ!」
人間離れした咆哮と気合に、村民達は恐怖のあまり、
大きな悲鳴をあげ、後ずさりする。
また強いショックを受け、その場に「ぺたん」と座り込んでしまう者も続出した。
「ふんっ!」
いつもより、ひと際大きく鼻を鳴らしたステファニーは、
怯える村民から「すっ」と視線を移し、顎をしゃくった。
……ステファニーが移した視線の先にはオレリアが居たのである。
無言の合図ではあったが……
指示を受けたオレリアはしっかりと心得ていた。
この場で、ステファニーが、オレリアに何をどう言って欲しいのかを。
「みんな~っ!! 心配しないでっ!」
ここで「ふう」と軽く息を吐き、オレリアは叫び続ける。
「ノープロブレム! 問題なしっ! ばっちりよぉっ! この方達は凄く強いっ! きっと、ゴブリンどもを全部倒してくれるわあっ!」
オレリアは、ディーノ達の強さを知らない。
溺れる者は藁をもつかむという気持ちで、
ようやく連れて来た『助っ人』なのである。
しかし、心が不安に染まった村民の前で『そんな事』は言えない。
ディーノ達は強い!
そう言い切るしかないのだ。
と、ここで村民の背後から、老齢と思われる男性の声が聞こえて来る。
「オレリア、良くぞ無事に戻って来た。役目も果たし、大手柄じゃ」
「じいちゃ……いえ、村長! ただいま、戻りましたっ」
やがて……
不安げな村民達の中から現れたのは……
オレリアの祖父、ポミエ村、村長のセザールであった。
「助っ人の方々……早速、ご相談したい。儂の家へいらして頂けるか」
セザールはそう言い、深々と頭を下げたのである。
オレリアがコメントした通り、約1時間後……
一行はポミエ村へ到着した。
ケルベロスとオルトロスの冥界『魔獣犬』兄弟は、ゴブリンどもを上手く牽制したらしい。
出発した際、ディーノが懸念していた、ゴブリン他、外敵の襲撃は一切なかった。
ディーノの視界に広がるポミエ村は……
彼がこれまで持っていた、オレリアから聞いていたイメージ通り、こじんまりとした小村であった。
ディーノの目の前には、武骨な丸太を組んだ、簡易な防護柵が行く手を阻んでいる。
防護柵同様、馬車の正面には丸太を組んで作られたそこそこの大きさの門がある。
ディーノがオレリアへ改めて聞けば……
村全体が丸太の防護柵で囲まれているらしい。
そして、門は北と南のふたつあるそうだ。
何気にディーノが見やれば……その防護柵の丸太は一面傷だらけであった。
所々破損もしていた。
この様相が大群で襲撃するゴブリンどもの脅威を物語っている。
資材不足や人員不足の兼ね合いもあり、
ゴブリンどもの破壊活動に「修理が間に合わないのだ」と、ディーノは見た。
さてさて!
ディーノ達が到着したのは南の門前である。
防護柵よりもほんの少し高い物見やぐらがそびえていた。
その物見やぐらには、つぎはぎだらけの革鎧を身に着け、
錆びた斧を持つ日焼けした中年男がひとり。
この中年男はどうやら門番&監視役らしい。
到着した馬車の御者台へ座るディーノ達、そして馬車へも鋭い視線を飛ばしている。
その中年男を見やり、御者台から立ち上がって、オレリアが叫ぶ。
「お~い、ロドリグさ~ん! 何とか『助っ人』を連れて来たよ~っ! 爺ちゃん、いいえ! 村長へ報せてくれな~いっ!!」
「りょ、了解だあっ!! よ、良くやったあ! オレリアあ。大手柄だぞ~っ!」
オレリアの報告を聞き、ロドリグと呼ばれた中年男は大声で、嬉しそうに叫んだ。
そして、改めて物見やぐらから馬車の周囲を凝視した。
念の為、敵が存在しないか、ロドリグは改めて確認したようである。
「よし!」と頷いたロドリグが手を大きく打ち振ったのが、開門の合図らしい。
少し間を置いて、門が「ぎいいいいっ!」と軋んだ音を立てて、
用心深く開かれた。
ここぞとばかりに、オレリアが手を振って合図する。
「ディーノさあん! 今よっ! 急いでえっ! ば、馬車を村の中へっ!」
「了解っ!」
オレリアに応えたディーノは馬を促すと、
素早く馬車を、村内へ乗り入れたのである。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
村内へ乗り入れた馬車の扉が開き、
ステファニーが、ロクサーヌが、そしてジョルジエット、タバサと、
鋼鉄の処女団のメンバーが飛び降りた。
そして御者台からも、マドレーヌ、ディーノ、最後にオレリアも降り立った。
南門が開いてすぐの場所は小さな広場となっていた。
広場には多くの村民が集まっていたが、
ディーノ達を見て、目が落胆の色に染まっていた。
どうやら……
若いディーノ達の『構成』を見て、
「期待外れだ」と、がっかりしてしまったらしい。
確かにそうかもしれない。
冒険者クランが、
イコール『屈強な男達の集団』と村民達がイメージしていたとしたら……
ディーノ達は完全に真逆。
一番年上で、2mの巨躯を誇るロクサーヌはまだしも……
元聖女のジョルジエットはいかにも華奢。
他の者はまだ大人とは程遠い、10代半ばから後半の少年少女達だったからだ。
しかし……
このように不穏な『空気』に最も敏感なのが、ステファニーである。
腕組みをし、仁王立ちしたステファニーは、じ~ろりと村民達を見回し……
先ほど森へ響いた、ケルベロスとオルトロスの魔獣兄弟に負けじとばかりに、
大声で咆哮する。
「ごらあああああああああああ~~っ!」
「ぎゃ~!」
「ひいいっ!」
「うわあっ!」
「た、助けてぇ~っ!」
人間離れした咆哮と気合に、村民達は恐怖のあまり、
大きな悲鳴をあげ、後ずさりする。
また強いショックを受け、その場に「ぺたん」と座り込んでしまう者も続出した。
「ふんっ!」
いつもより、ひと際大きく鼻を鳴らしたステファニーは、
怯える村民から「すっ」と視線を移し、顎をしゃくった。
……ステファニーが移した視線の先にはオレリアが居たのである。
無言の合図ではあったが……
指示を受けたオレリアはしっかりと心得ていた。
この場で、ステファニーが、オレリアに何をどう言って欲しいのかを。
「みんな~っ!! 心配しないでっ!」
ここで「ふう」と軽く息を吐き、オレリアは叫び続ける。
「ノープロブレム! 問題なしっ! ばっちりよぉっ! この方達は凄く強いっ! きっと、ゴブリンどもを全部倒してくれるわあっ!」
オレリアは、ディーノ達の強さを知らない。
溺れる者は藁をもつかむという気持ちで、
ようやく連れて来た『助っ人』なのである。
しかし、心が不安に染まった村民の前で『そんな事』は言えない。
ディーノ達は強い!
そう言い切るしかないのだ。
と、ここで村民の背後から、老齢と思われる男性の声が聞こえて来る。
「オレリア、良くぞ無事に戻って来た。役目も果たし、大手柄じゃ」
「じいちゃ……いえ、村長! ただいま、戻りましたっ」
やがて……
不安げな村民達の中から現れたのは……
オレリアの祖父、ポミエ村、村長のセザールであった。
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セザールはそう言い、深々と頭を下げたのである。
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