愛情を注ぐ兄は愛される

ゆうな

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「ユリウス、手を出してごらん。」

これは転生系ラノベでよく見るやつだ!とテンションが上がりながら、手を差し出す。

「う、トータ!」

「ユリウス、いいか。今からお前の中に父様の魔力を循環させる。父様がいいと言うまで手を離しちゃいけないよ。」

そう父様はいい、目を瞑りながら真剣な顔をした。

その数秒後、俺の中にムズムズする何かが入り込んできた。

(な、なんか気持ち悪い…)

「ユリウス、嫌そうな顔をしているな。」

父様は笑い出す。

「それが魔力というものだ。」

これが魔力か…と思いながら、俺の中を駆け回る気持ち悪いものに顔を顰める。

「さ、もう手を離しても大丈夫だよ。どうだったかな、ユリウス?」

俺は正直に答える。

「やっ!」

顔の前でバツを作る。
他人の魔力を体内に取り込むのはこんなにも気持ち悪いものだとは正直思っていなかった。

「だろう。だから、焦らず自分にあった魔力を作るんだ。早く魔法を使えるようになりたいなら、いっぱい食べて寝て遊ぶことだ。これに尽きる。」

父様は俺を頭をぐしゃぐしゃにしながら笑っている。

「もう終わったのかしら。」

その様子を少し離れたところで見ていた母様が近づいてくる。
俺は母様に走って駆け寄る。

「カータマ!」

ボフッ

母様が受け止めてくれる。

「ユリウスは私たちの子なんだから魔法なんてすぐに使えるようになるわ!それまではお勉強をしましょう。魔法だって字が読めないとできることが限れてしまうわ。」

さすが母様!!俺も勉強は早く始めたいと思っていた。とくに魔法書を読みたい…

あ、あと伯爵家の息子として領地経営も学ぶつもりだ。だってな、この世界、魔法は発展してんのに数学とか化学は全くで…

小学生が習うような問題ができればいいんだぜ!楽勝じゃん!!

俺が領地を発展させてやる!!…と心の中で意気込みながら今日の魔法授業は終わった。

後で知ったことなのだが、この国は食べ物に魔力が含まれているらしい。ただそんなにいっぱい魔力成分が入っているわけではないから、しっかり食べて魔力を増やすんだって。

そして、貴族と庶民では食べるものに差があるため、魔力量も変わってくるらしい。

子どもにはできるだけいいものをたくさん食べさせて、魔力量を増やす。これ、貴族の基本。

この感想としては、やっぱりどこでも金なんだなぁ…と思った。

ただ、例外もあって魔法の素質が生まれつき高いと魔力量も多くなるらしい。

なら、俺もワンチャンあるんじゃね?とか思ってる。

なーんて、考えていたら顔がニヤけていたらしく、

「ユリウス、疲れてしまったの?」

と、母様に心配されてしまった。

ごめん…母様違うんだ…と心の中で謝りつつ、母様の腕の中で眠りについた。
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