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第6章 異世界で公爵の伴侶やってます。溺愛とは、何でしょうか。
88.様子を見にきた公爵を追い払ってしまいました。オレは公爵と結婚していなかったら、日本に帰れていた、と考えると、傷つけたくないのに、オレ。
女神様は、オレに祝福を与えて、姿を消した。
静かな夜だった。
女神様とオレの声しか聞こえなかった。
女神様が立ち去った後、オレは、ベッドで休む気持ちにもなれず、立ち尽くしていた。
オレの涙は、絨毯のシミになった。
オレは、涙が止まるまで泣いた後、ベッドに横たわった。
ベッドに入ると、また、涙が溢れてきた。
仰向けで寝ていると、目尻から、涙がこぼれて、オレの髪と枕を濡らしていく。
いつも、寝る前の時間をオレは、大切にしていた。
一人っきりで、日本のことを思い返す時間。
帰ったら、あれをしよう、これをしよう、と。
毎日、一人で夢想して、次の日の活力に変えていた。
だから。
ベッドに入ったら、日本のことを考えるのは、もう習慣になっている。
オレの頭の中は、日本の記憶でいっぱいになっていく。
こんなに、日本に帰りたいのに。
日本に帰りたい一心で、毎日を過ごしてきたのに。
オレのしてきたことは、全部。
オレが考えてきたことも、全部。
無駄で。
見当違いの努力で。
ああ。
本当に。
どうして、こんなことに。
涙が次々に湧いてくるから、瞬きをする暇もない。
帰りたかった。
帰りたかったよ。
帰りたいのに。
恋しい、恋しいよ。日本が。
オレは、そのまま、一睡もせず、朝を迎えた。
朝が来たけれど、オレの体は鉛が入ったかのように重くて動かなくなっていた。
オレの部屋にきた使用人が、オレの様子がおかしいことに気づいて、公爵領で腕利きの医者を連れてきた。
オレを診察した医者は、言った。
「心身共に、たいそうお疲れでいらっしゃる。休ませて差し上げなさい。」
オレは、ベッドに運ばれた食事を口に運ぶことが出来なかった。
オレが、食事を疎かにしないと知っている使用人が、介助してくれたが、オレは、口を開くことが出来なかった。
食べ物を見ても、美味しそうに思えなくなっていた。
オレの好物を並べてくれていたはずなのに。
何にも、楽しく思えなくて。
何もないのに。
どこも痛くないのに。
昨日、泣きすぎるくらい泣いたのに。
こんなはずじゃなかったのに、と考えた途端。
オレの涙は、一気に決壊した。
オレは、初めて、声を上げて泣いた。
日本から、こちらに来て半年。
嫌なことも、まあまあなことも、楽しかったこともあった。
そのどれもが、公爵絡み。
いつの間にか、公爵と一緒に過ごすのは、オレの生活の中で、当たり前になっていた。
公爵とは、家族で伴侶で。
公爵が困っていれば、手を差し伸べて、一緒に立ち向かって来た。
最初は、腹が立つばかりの相手だったのに。
オレの言うことには、全然聞く耳を持たなくて。
何を言っても、公爵に響いているとは思えなかった。
基本的に、放置されていたしな。
オレが、公爵家の屋敷を出ていこうとした日から、公爵は、オレへの独占欲をさらけ出したんだ。
オレと公爵は、二人で過ごす内に、少しずつ、お互いを知って、距離を縮めていった。
オレと公爵は、一緒に過ごす時間が増えると、仲良くなった。
公爵は、オレにくっついて楽しそうにするようになった。
オレも楽しくなっていた。
抱きつかれるのも、つむじの匂いを嗅がれるのも、公爵だから、と思ってされるがままでいた。
オレに向けられる公爵の真っ直ぐな感情が、こそばゆくて、嬉しくて、誇らしくて。
オレは、公爵の伴侶になったから。
家族で、伴侶で、保護者のオレが守ってやらないとって。
だから、オレが公爵を傷つけるのは、ダメなんだ。
公爵を傷つけることは、言いたくない。
だって。
今のオレは。
公爵に笑いかけることができない。
挨拶さえしたくない。
笑顔を見たら、笑うな、と脈略もなく、公爵に怒鳴ってしまいそうだ。
公爵の笑顔を見たかったのはオレなのに。
公爵を笑顔にしたかったのはオレなのに。
公爵の笑顔を守りたいと思っていたオレが、公爵を傷つけたくなっている。
『どうして、オレと結婚なんかしたんだ!
どうして、オレをそっとしておいてくれなかったんだ!』
そう叫んで、口汚く罵って、物を投げつけるから、公爵は、オレから逃げていけばいい、という考えが頭から離れない。
そんなことをしたら、ダメだ。
絶対、後で後悔するから、止めておけ!
オレの理性が止めているけれど。
公爵の顔を見て、声を聞いて、近くでぬくもりを感じたら、きっと理性なんて、どこかにとんでいってしまう。
オレの様子を見にきた公爵にオレができることは、力を振り絞って、部屋の外を指差し、
「休息しているから、公爵は、呼ぶまで入ってくるな。」
と追い払うことだけだった。
静かな夜だった。
女神様とオレの声しか聞こえなかった。
女神様が立ち去った後、オレは、ベッドで休む気持ちにもなれず、立ち尽くしていた。
オレの涙は、絨毯のシミになった。
オレは、涙が止まるまで泣いた後、ベッドに横たわった。
ベッドに入ると、また、涙が溢れてきた。
仰向けで寝ていると、目尻から、涙がこぼれて、オレの髪と枕を濡らしていく。
いつも、寝る前の時間をオレは、大切にしていた。
一人っきりで、日本のことを思い返す時間。
帰ったら、あれをしよう、これをしよう、と。
毎日、一人で夢想して、次の日の活力に変えていた。
だから。
ベッドに入ったら、日本のことを考えるのは、もう習慣になっている。
オレの頭の中は、日本の記憶でいっぱいになっていく。
こんなに、日本に帰りたいのに。
日本に帰りたい一心で、毎日を過ごしてきたのに。
オレのしてきたことは、全部。
オレが考えてきたことも、全部。
無駄で。
見当違いの努力で。
ああ。
本当に。
どうして、こんなことに。
涙が次々に湧いてくるから、瞬きをする暇もない。
帰りたかった。
帰りたかったよ。
帰りたいのに。
恋しい、恋しいよ。日本が。
オレは、そのまま、一睡もせず、朝を迎えた。
朝が来たけれど、オレの体は鉛が入ったかのように重くて動かなくなっていた。
オレの部屋にきた使用人が、オレの様子がおかしいことに気づいて、公爵領で腕利きの医者を連れてきた。
オレを診察した医者は、言った。
「心身共に、たいそうお疲れでいらっしゃる。休ませて差し上げなさい。」
オレは、ベッドに運ばれた食事を口に運ぶことが出来なかった。
オレが、食事を疎かにしないと知っている使用人が、介助してくれたが、オレは、口を開くことが出来なかった。
食べ物を見ても、美味しそうに思えなくなっていた。
オレの好物を並べてくれていたはずなのに。
何にも、楽しく思えなくて。
何もないのに。
どこも痛くないのに。
昨日、泣きすぎるくらい泣いたのに。
こんなはずじゃなかったのに、と考えた途端。
オレの涙は、一気に決壊した。
オレは、初めて、声を上げて泣いた。
日本から、こちらに来て半年。
嫌なことも、まあまあなことも、楽しかったこともあった。
そのどれもが、公爵絡み。
いつの間にか、公爵と一緒に過ごすのは、オレの生活の中で、当たり前になっていた。
公爵とは、家族で伴侶で。
公爵が困っていれば、手を差し伸べて、一緒に立ち向かって来た。
最初は、腹が立つばかりの相手だったのに。
オレの言うことには、全然聞く耳を持たなくて。
何を言っても、公爵に響いているとは思えなかった。
基本的に、放置されていたしな。
オレが、公爵家の屋敷を出ていこうとした日から、公爵は、オレへの独占欲をさらけ出したんだ。
オレと公爵は、二人で過ごす内に、少しずつ、お互いを知って、距離を縮めていった。
オレと公爵は、一緒に過ごす時間が増えると、仲良くなった。
公爵は、オレにくっついて楽しそうにするようになった。
オレも楽しくなっていた。
抱きつかれるのも、つむじの匂いを嗅がれるのも、公爵だから、と思ってされるがままでいた。
オレに向けられる公爵の真っ直ぐな感情が、こそばゆくて、嬉しくて、誇らしくて。
オレは、公爵の伴侶になったから。
家族で、伴侶で、保護者のオレが守ってやらないとって。
だから、オレが公爵を傷つけるのは、ダメなんだ。
公爵を傷つけることは、言いたくない。
だって。
今のオレは。
公爵に笑いかけることができない。
挨拶さえしたくない。
笑顔を見たら、笑うな、と脈略もなく、公爵に怒鳴ってしまいそうだ。
公爵の笑顔を見たかったのはオレなのに。
公爵を笑顔にしたかったのはオレなのに。
公爵の笑顔を守りたいと思っていたオレが、公爵を傷つけたくなっている。
『どうして、オレと結婚なんかしたんだ!
どうして、オレをそっとしておいてくれなかったんだ!』
そう叫んで、口汚く罵って、物を投げつけるから、公爵は、オレから逃げていけばいい、という考えが頭から離れない。
そんなことをしたら、ダメだ。
絶対、後で後悔するから、止めておけ!
オレの理性が止めているけれど。
公爵の顔を見て、声を聞いて、近くでぬくもりを感じたら、きっと理性なんて、どこかにとんでいってしまう。
オレの様子を見にきた公爵にオレができることは、力を振り絞って、部屋の外を指差し、
「休息しているから、公爵は、呼ぶまで入ってくるな。」
と追い払うことだけだった。
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