《本編 完結 続編 完結》29歳、異世界人になっていました。日本に帰りたいのに、年下の英雄公爵に溺愛されています。

かざみはら まなか

文字の大きさ
206 / 673
第7章 オレは、英雄公爵と並んで歩いています。始まりは、一人と一人でしたね。道なき道を切り拓きます。

206.国王陛下への復讐と、国王陛下の姉への餞別をご用意しました。ケレメイン大公国は、女神様の影響から外れます。オレ達の復讐の狙いは?

しおりを挟む
オレは、女神様に、お触り禁止を伝えておく。

「女神様。英雄とオレは、ケレメイン大公国を興した。
英雄は、ケレメイン大公国の大公殿下。
オレは、ケレメイン大公国の大公妃殿下。
ケレメイン大公国は、王国じゃない。
ケレメイン大公国に、国王陛下はいない。
ケレメイン大公国の国主は、女神様のしもべにはならない。
ケレメイン大公国には、今後、神子も英雄も現れない。」

オレは、ケレメイン大公国に限り、女神様の干渉を排除する交渉をする。

「ケレメイン大公国?妾の英雄は?」

「女神様の英雄は、ケレメイン大公国には、いない。ケレメイン大公国にいるのは、オレの英雄。
オレだけの英雄。
オレを愛する英雄。
オレは、オレの英雄が、オレ以外に心を託して、オレを絶対じゃなくすのは、嫌だ。
オレの英雄は、誰にも渡さない。」

「ふむ。ケレメイン大公国はそうする。」
と女神様。

よし。
一つ、目標をクリア。

ケレメイン大公国が、公爵領から領土を拡大して、女神様が干渉できなくなる土地が増えるかは、おいおいだな。

クロードの悲願、神子の連鎖を止めるためには、女神様と住人の両方の意識改革がいる。

オレが、女神様と取り付けた約束は、オレがいなくなった後も、英雄クロードとケレメイン大公国に残る。

オレが、クロードの隣にいる日常がなくなったとしても、もう、クロードは、女神様関連で苦しまない。

「女神様のゆりかごから、抜けるのか?」
と国王陛下。

オレとクロードは、女神様のゆりかごから抜け出た後の影響を考えなかったわけじゃない。

でも。

どちらの世界で暮らす?と考えたときに、オレとクロードは、女神様に振り回されない世界で生きると決めた。

女神様の世界の中で、女神様の影響から外れて生きる。

今の、女神様由来の豊かさは、失われていくだろう。

代わりに、オレの異世界の知恵も使いながら、生活を豊かにしていくものを、人の力由来のものに入れ替えていく。

女神様の優しい底上げで、努力しなくても、それなりに豊な生活が送れるが、
豊な生活は、突然の消失で、それまでの豊かさを失うことを織り込んでおり、
豊かさと豊かさの失った後を合わせると、帳尻が合う世界から、脱却する。

「ケレメイン大公国は、抜ける。」

「馬鹿者は、大馬鹿者か。」
と国王陛下。

「国王陛下は、気づいているかな?
マウンテン王国の未来に。」

「マウンテン王国は、女神様のしもべの私がいる。」
と国王陛下。

「マウンテン王国に、神子様はいなくなった。

今までのマウンテン王国には、女神様の力を授かった神子様の恩恵があったが、これからはないぞ?

神子様がいないから、魔王も現れない。
新しい神子様も来ない。

マウンテン王国は、女神様の力なしに、人の力だけで復興をすすめることになるな。」

どれだけ、復興が停滞するかは、未知数だな。

「変わらぬ。」
と国王陛下。

「以前みたいに、英雄公爵クロードを酷使して誤魔化すことは、不可能だ。

英雄クロードは、もう、マウンテン王国の貴族じゃない。

ケレメイン大公国の大公クロード殿下だ。

英雄クロードに協力を頼みたいなら、国同士の契約になる。

英雄クロードに協力を頼む頼まないに関わらず、ケレメイン大公国は、マウンテン王国の国王陛下とは交渉も交流もしない、と大公妃ヒサツグが宣言する。

国王陛下と共に、英雄クロードの迫害に加わった者を、ケレメイン大公国は相手にしない。」

この宣言は、オレとクロードから、国王陛下への正当な復讐だ。

誰にも、文句がつけられない正攻法の復讐にした。

オレ達の復讐を国王陛下は、理解するだろうか?

「できもせぬことを賢しらに。」
と国王陛下。

「今後、ケレメイン大公国は、マウンテン王国の王姉殿下が責任を負える者を、ケレメイン大公国との窓口にすえた場合にのみ、応じる。」

これは、オレから、国王陛下の姉への応援と餞別だ。

国王陛下の姉には、しっかり受け取ってほしい。

マウンテン王国の復興の道のりは、苦難の道になる。

友人だった英雄公爵クロードに脅威を覚えた、身勝手な国王陛下と、国王陛下に追随した者のせいだな。

復讐は、静かに進行する。

オレとクロードは、復讐が形になるのを待つ。
しおりを挟む
感想 84

あなたにおすすめの小説

異世界転移してΩになった俺(アラフォーリーマン)、庇護欲高めα騎士に身も心も溶かされる

ヨドミ
BL
もし生まれ変わったら、俺は思う存分甘やかされたい――。 アラフォーリーマン(社畜)である福沢裕介は、通勤途中、事故により異世界へ転移してしまう。 異世界ローリア王国皇太子の花嫁として召喚されたが、転移して早々、【災厄のΩ】と告げられ殺されそうになる。 【災厄のΩ】、それは複数のαを番にすることができるΩのことだった――。 αがハーレムを築くのが常識とされる異世界では、【災厄のΩ】は忌むべき存在。 負の烙印を押された裕介は、間一髪、銀髪のα騎士ジェイドに助けられ、彼の庇護のもと、騎士団施設で居候することに。 「αがΩを守るのは当然だ」とジェイドは裕介の世話を焼くようになって――。 庇護欲高め騎士(α)と甘やかされたいけどプライドが邪魔をして素直になれない中年リーマン(Ω)のすれ違いラブファンタジー。 ※Rシーンには♡マークをつけます。

騎士団長の秘密

さねうずる
BL
「俺は、ポラール殿を好いている」 「「「 なんて!?!?!?」」 無口無表情の騎士団長が好きなのは別騎士団のシロクマ獣人副団長 チャラシロクマ×イケメン騎士団長

氷の騎士団長様の悪妻とかイヤなので離婚しようと思います

黄金 
BL
目が覚めたら、ここは読んでたBL漫画の世界。冷静冷淡な氷の騎士団長様の妻になっていた。しかもその役は名前も出ない悪妻! だったら離婚したい! ユンネの野望は離婚、漫画の主人公を見たい、という二つの事。 お供に老侍従ソマルデを伴って、主人公がいる王宮に向かうのだった。 本編61話まで 番外編 なんか長くなってます。お付き合い下されば幸いです。 ※細目キャラが好きなので書いてます。    多くの方に読んでいただき嬉しいです。  コメント、お気に入り、しおり、イイねを沢山有難うございます。    

【WEB版】監視が厳しすぎた嫁入り生活から解放されました~冷徹無慈悲と呼ばれた隻眼の伯爵様と呪いの首輪~【BL・オメガバース】

古森きり
BL
【書籍化決定しました!】 詳細が決まりましたら改めてお知らせにあがります! たくさんの閲覧、お気に入り、しおり、感想ありがとうございました! アルファポリス様の規約に従い発売日にURL登録に変更、こちらは引き下げ削除させていただきます。 政略結婚で嫁いだ先は、女狂いの伯爵家。 男のΩである僕には一切興味を示さず、しかし不貞をさせまいと常に監視される生活。 自分ではどうすることもできない生活に疲れ果てて諦めた時、夫の不正が暴かれて失脚した。 行く当てがなくなった僕を保護してくれたのは、元夫が口を開けば罵っていた政敵ヘルムート・カウフマン。 冷徹無慈悲と呼び声高い彼だが、共に食事を摂ってくれたりやりたいことを応援してくれたり、決して冷たいだけの人ではなさそうで――。 カクヨムに書き溜め。 小説家になろう、アルファポリス、BLoveにそのうち掲載します。

2度目の異世界移転。あの時の少年がいい歳になっていて殺気立って睨んでくるんだけど。

ありま氷炎
BL
高校一年の時、道路陥没の事故に巻き込まれ、三日間記憶がない。 異世界転移した記憶はあるんだけど、夢だと思っていた。 二年後、どうやら異世界転移してしまったらしい。 しかもこれは二度目で、あれは夢ではなかったようだった。 再会した少年はすっかりいい歳になっていて、殺気立って睨んでくるんだけど。

【完結】おじさんダンジョン配信者ですが、S級探索者の騎士を助けたら妙に懐かれてしまいました

大河
BL
世界を変えた「ダンジョン」出現から30年── かつて一線で活躍した元探索者・レイジ(42)は、今や東京の片隅で地味な初心者向け配信を続ける"おじさん配信者"。安物機材、スポンサーゼロ、視聴者数も控えめ。華やかな人気配信者とは対照的だが、その真摯な解説は密かに「信頼できる初心者向け動画」として評価されていた。 そんな平穏な日常が一変する。ダンジョン中層に災厄級モンスターが突如出現、人気配信パーティが全滅の危機に!迷わず単身で救助に向かうレイジ。絶体絶命のピンチを救ったのは、国家直属のS級騎士・ソウマだった。 冷静沈着、美形かつ最強。誰もが憧れる騎士の青年は、なぜかレイジを見た瞬間に顔を赤らめて……? 若き美貌の騎士×地味なおじさん配信者のバディが織りなす、年の差、立場の差、すべてを越えて始まる予想外の恋の物語。

黒とオメガの騎士の子育て〜この子確かに俺とお前にそっくりだけど、産んだ覚えないんですけど!?〜

せるせ
BL
王都の騎士団に所属するオメガのセルジュは、ある日なぜか北の若き辺境伯クロードの城で目が覚めた。 しかも隣で泣いているのは、クロードと同じ目を持つ自分にそっくりな赤ん坊で……? 「お前が産んだ、俺の子供だ」 いや、そんなこと言われても、産んだ記憶もあんなことやこんなことをした記憶も無いんですけど!? クロードとは元々険悪な仲だったはずなのに、一体どうしてこんなことに? 一途な黒髪アルファの年下辺境伯×金髪オメガの年上騎士 ※一応オメガバース設定をお借りしています

転生したら、主人公の宿敵(でも俺の推し)の側近でした

リリーブルー
BL
「しごとより、いのち」厚労省の過労死等防止対策のスローガンです。過労死をゼロにし、健康で充実して働き続けることのできる社会へ。この小説の主人公は、仕事依存で過労死し異世界転生します。  仕事依存だった主人公(20代社畜)は、過労で倒れた拍子に異世界へ転生。目を覚ますと、そこは剣と魔法の世界——。愛読していた小説のラスボス貴族、すなわち原作主人公の宿敵(ライバル)レオナルト公爵に仕える側近の美青年貴族・シリル(20代)になっていた!  原作小説では悪役のレオナルト公爵。でも主人公はレオナルトに感情移入して読んでおり彼が推しだった! なので嬉しい!  だが問題は、そのラスボス貴族・レオナルト公爵(30代)が、物語の中では原作主人公にとっての宿敵ゆえに、原作小説では彼の冷酷な策略によって国家間の戦争へと突き進み、最終的にレオナルトと側近のシリルは処刑される運命だったことだ。 「俺、このままだと死ぬやつじゃん……」  死を回避するために、主人公、すなわち転生先の新しいシリルは、レオナルト公爵の信頼を得て歴史を変えようと決意。しかし、レオナルトは原作とは違い、どこか寂しげで孤独を抱えている様子。さらに、主人公が意外な才覚を発揮するたびに、公爵の態度が甘くなり、なぜか距離が近くなっていく。主人公は気づく。レオナルト公爵が悪に染まる原因は、彼の孤独と裏切られ続けた過去にあるのではないかと。そして彼を救おうと奔走するが、それは同時に、公爵からの執着を招くことになり——!?  原作主人公ラセル王太子も出てきて話は複雑に! 見どころ ・転生 ・主従  ・推しである原作悪役に溺愛される ・前世の経験と知識を活かす ・政治的な駆け引きとバトル要素(少し) ・ダークヒーロー(攻め)の変化(冷酷な公爵が愛を知り、主人公に執着・溺愛する過程) ・黒猫もふもふ 番外編では。 ・もふもふ獣人化 ・切ない裏側 ・少年時代 などなど 最初は、推しの信頼を得るために、ほのぼの日常スローライフ、かわいい黒猫が出てきます。中盤にバトルがあって、解決、という流れ。後日譚は、ほのぼのに戻るかも。本編は完結しましたが、後日譚や番外編、ifルートなど、続々更新中。

処理中です...