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第9章 オレはケレメイン大公国の大公妃殿下です。
270.ミーレ長官の奥様が、伏せてきた話をした目的は、ミーレ長官にありました。
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最初から女神様に選ばれていなかった王女が、女王陛下として即位したのは、なぜ?
オレも知りたい。
「当事者がいないので、王女には、女王陛下にならなければいけない理由があったんだろうなー、と推測してみたぞ。」
無理をおして、女王陛下が即位した可能性として考えられるのは。
「女王陛下が、女王陛下としていられる期限は決まっていて、前国王陛下への譲位を前提にした即位だったんじゃないかな?」
「ミーレ長官は、王太子のまま即位しないと決まっていたから、ミーレ長官の奥方には、女神様に関する教育をしなかった?」
とクロード。
「女神様について、王家の直系だけに伝える縛りがあったんだったら、女王陛下がミーレ長官の奥様に教えない手配をした理由としては、妥当。
でも、前国王陛下は、ミーレ長官の奥様が、女神様について教わっていると考えていた。
女神様教育を省いたのは、女王陛下の独断だったということになって、女王陛下の独断は、前国王陛下の予定にない決断だった、ということになるんだよなー。
女王陛下が、ミーレ長官の奥様の王太子妃教育から省いた意図が分からない。
もう一つ。
女王陛下の在位期間が予め決まっていたのなら、前王妃陛下に女神様教育を受けさせなかったのも、意図が分からない。」
「女王陛下の在位期間を限定していると、周知させないため。」
とクロード。
それが、しっくり来ない点なんだよなー。
「最初は、秘密のままでもさ。
王妃陛下は、途中で、女王陛下に相談に行ったんだよな?
その時点で、前国王陛下が女神様に会っていることは女王陛下に伝わっていないかな?
女王陛下は、前王妃陛下から相談された時点で、女神様について、教えることも出来た。
女王陛下が、姉と弟という立場から、国王陛下と話し合うことも出来た。
女王陛下は、何かしら、前国王陛下に働きかけたけど、結果として、何も変わらなかったのか。
女王陛下が何もしないから、何も変わらなかったのか。
前王妃陛下は、女王陛下が何か動いてくれたけれど、何も変わらなかった、と、いう意味では話していないよな?
期待していたのに、裏切られた気持ちを、女王陛下が亡くなったから、ミーレ長官の奥様に打ち明けたんじゃないかな。」
「女王陛下が、女神様と会って話をする経験がなく、女神様と前国王陛下が話をしているという発想に結びつかず、弟の奇行を王家の恥として、握り潰したか。」
とクロード。
そういう可能性もあるのか。
「女王陛下は、期日に譲位を拒んだために、客死したんじゃないかな。
期限が切れたときに、外遊中だったのは、期限の引き延ばしをはかったと、オレは予想した。」
日本で言うところの、海外に高飛び、みたいな?
「女王陛下が、女王陛下として即位する状況が、特例だったんじゃないかな?
女王陛下が、即位した理由は何だったのか、分からないけれど、この仮説なら、筋は通る。」
「ヒサツグ様の仮説は、筋が通っています。」
とミーレ長官の奥様。
「ミーレ長官の奥様が話したいと思っていることは、別にあるんだな?」
「はい。ヒサツグ様。
私が、今、この場で、このお話をしたのは、夫に変わってほしいからです。」
とミーレ長官の奥様。
大打撃のミーレ長官。
ミーレ長官の奥様は、ショック続きのミーレ長官に言った。
「あなた、私も子どもも、ケレメイン大公国での生活に、大喜びなんです。
前国王陛下を、王位簒奪者だと憎むお気持ちが、あなたにあるのは知っています。
私と子どもの前で、あなたは、その気持ちを隠しませんでしたから。
お母様の死、と、それに関係する環境の変化。
何もかもから、取り残されてしまった経験が、あなたの心を疑り深く、新しい考え方を馴染ませなくしたのだと、私は思っています。
私は、あなたの凝り固まった頭が、柔軟性を取り戻すまで見守るつもりでした。
でも、もう十分待った、と思います。
情勢が変化する今、凝り固まった頭では、生きていけません。
今日の情報を、あなたのショック療法にするには、刺激が強すぎるとも思いました。
それでも、あなたに伝えたのは、理由があります。
お母様の無念を思う気持ちが暴走する前に、私と子どもを思い出してください。
あなたが、毒杯ではなく、長官職を選んだとき、私と子どものことを一番大事にしたいと考えて、元王太子としての正しさを貫かなかったことに、私と子どもがどれ程喜んだか、忘れてしまったのですか?
お母様の死の真相を知りたい願いも、
お母様は正しかったのにという思いも、
あなたは、そのままで構いません。
お母様は、死によって、名誉を損なわれたりはしませんでした。
お母様が女王陛下としての在位期間に、何かを成した、という記録はありません。
お母様の在位期間中と死後の評判は、お母様の能力について、公の場で、一切言及されてきませんでした。
王位簒奪者が、前任を悪しざまに言わないのは、珍しいことです。
あなたが王位簒奪者と考えている前国王陛下は、女王陛下の名前を貶めることはしていません。
命については、誰の差配か、わかりませんけども。
あなたが、王位簒奪によって、今の身の上になった自分、と、自身を語らなければ、あなたが王太子だったことに価値を見出して、利用しようとする者は、やがて、あなたの周りからいなくなります。
私は、マウンテン王国の王太子として、頑張ってきたあなたを知っています。
あなたの心が、まだ、王太子であることを辞めていないことも。
ですが、今日で、マウンテン王国の王太子だった過去は、過去として考えてください。
私と子どもとあなたは、ミーレ長官とミーレ長官の奥様とその子ども。
ケレメイン大公国で、長官夫妻とその子どもとして、始めてみましょう?
失敗したら、何度でも、やり直しましょう?」
とミーレ長官の奥様。
オレも知りたい。
「当事者がいないので、王女には、女王陛下にならなければいけない理由があったんだろうなー、と推測してみたぞ。」
無理をおして、女王陛下が即位した可能性として考えられるのは。
「女王陛下が、女王陛下としていられる期限は決まっていて、前国王陛下への譲位を前提にした即位だったんじゃないかな?」
「ミーレ長官は、王太子のまま即位しないと決まっていたから、ミーレ長官の奥方には、女神様に関する教育をしなかった?」
とクロード。
「女神様について、王家の直系だけに伝える縛りがあったんだったら、女王陛下がミーレ長官の奥様に教えない手配をした理由としては、妥当。
でも、前国王陛下は、ミーレ長官の奥様が、女神様について教わっていると考えていた。
女神様教育を省いたのは、女王陛下の独断だったということになって、女王陛下の独断は、前国王陛下の予定にない決断だった、ということになるんだよなー。
女王陛下が、ミーレ長官の奥様の王太子妃教育から省いた意図が分からない。
もう一つ。
女王陛下の在位期間が予め決まっていたのなら、前王妃陛下に女神様教育を受けさせなかったのも、意図が分からない。」
「女王陛下の在位期間を限定していると、周知させないため。」
とクロード。
それが、しっくり来ない点なんだよなー。
「最初は、秘密のままでもさ。
王妃陛下は、途中で、女王陛下に相談に行ったんだよな?
その時点で、前国王陛下が女神様に会っていることは女王陛下に伝わっていないかな?
女王陛下は、前王妃陛下から相談された時点で、女神様について、教えることも出来た。
女王陛下が、姉と弟という立場から、国王陛下と話し合うことも出来た。
女王陛下は、何かしら、前国王陛下に働きかけたけど、結果として、何も変わらなかったのか。
女王陛下が何もしないから、何も変わらなかったのか。
前王妃陛下は、女王陛下が何か動いてくれたけれど、何も変わらなかった、と、いう意味では話していないよな?
期待していたのに、裏切られた気持ちを、女王陛下が亡くなったから、ミーレ長官の奥様に打ち明けたんじゃないかな。」
「女王陛下が、女神様と会って話をする経験がなく、女神様と前国王陛下が話をしているという発想に結びつかず、弟の奇行を王家の恥として、握り潰したか。」
とクロード。
そういう可能性もあるのか。
「女王陛下は、期日に譲位を拒んだために、客死したんじゃないかな。
期限が切れたときに、外遊中だったのは、期限の引き延ばしをはかったと、オレは予想した。」
日本で言うところの、海外に高飛び、みたいな?
「女王陛下が、女王陛下として即位する状況が、特例だったんじゃないかな?
女王陛下が、即位した理由は何だったのか、分からないけれど、この仮説なら、筋は通る。」
「ヒサツグ様の仮説は、筋が通っています。」
とミーレ長官の奥様。
「ミーレ長官の奥様が話したいと思っていることは、別にあるんだな?」
「はい。ヒサツグ様。
私が、今、この場で、このお話をしたのは、夫に変わってほしいからです。」
とミーレ長官の奥様。
大打撃のミーレ長官。
ミーレ長官の奥様は、ショック続きのミーレ長官に言った。
「あなた、私も子どもも、ケレメイン大公国での生活に、大喜びなんです。
前国王陛下を、王位簒奪者だと憎むお気持ちが、あなたにあるのは知っています。
私と子どもの前で、あなたは、その気持ちを隠しませんでしたから。
お母様の死、と、それに関係する環境の変化。
何もかもから、取り残されてしまった経験が、あなたの心を疑り深く、新しい考え方を馴染ませなくしたのだと、私は思っています。
私は、あなたの凝り固まった頭が、柔軟性を取り戻すまで見守るつもりでした。
でも、もう十分待った、と思います。
情勢が変化する今、凝り固まった頭では、生きていけません。
今日の情報を、あなたのショック療法にするには、刺激が強すぎるとも思いました。
それでも、あなたに伝えたのは、理由があります。
お母様の無念を思う気持ちが暴走する前に、私と子どもを思い出してください。
あなたが、毒杯ではなく、長官職を選んだとき、私と子どものことを一番大事にしたいと考えて、元王太子としての正しさを貫かなかったことに、私と子どもがどれ程喜んだか、忘れてしまったのですか?
お母様の死の真相を知りたい願いも、
お母様は正しかったのにという思いも、
あなたは、そのままで構いません。
お母様は、死によって、名誉を損なわれたりはしませんでした。
お母様が女王陛下としての在位期間に、何かを成した、という記録はありません。
お母様の在位期間中と死後の評判は、お母様の能力について、公の場で、一切言及されてきませんでした。
王位簒奪者が、前任を悪しざまに言わないのは、珍しいことです。
あなたが王位簒奪者と考えている前国王陛下は、女王陛下の名前を貶めることはしていません。
命については、誰の差配か、わかりませんけども。
あなたが、王位簒奪によって、今の身の上になった自分、と、自身を語らなければ、あなたが王太子だったことに価値を見出して、利用しようとする者は、やがて、あなたの周りからいなくなります。
私は、マウンテン王国の王太子として、頑張ってきたあなたを知っています。
あなたの心が、まだ、王太子であることを辞めていないことも。
ですが、今日で、マウンテン王国の王太子だった過去は、過去として考えてください。
私と子どもとあなたは、ミーレ長官とミーレ長官の奥様とその子ども。
ケレメイン大公国で、長官夫妻とその子どもとして、始めてみましょう?
失敗したら、何度でも、やり直しましょう?」
とミーレ長官の奥様。
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