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第9章 オレはケレメイン大公国の大公妃殿下です。
433.サーバル王国の王女様は、女神様に、素直な気持ちを吐露しました。『大好きな人を助けて、大好きな人に疎まれたら、大好きなはずの気持ちは』
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王女様は、真っ直ぐ、女神様だけを見ている。
「クロード様にお会いして、クロード様が、わたくしを歓迎してくださる様子がないことを怪しみました、ずべし。
わたくしが会いに来たことを喜んでくださらないクロード様を目にしたわたくしは。」
王女様の声は震えた。
「わたくしは、胸が押しつぶされました、ずべし。」
と王女様。
オレも、王女様の話を聞いていると胸が痛い。
出会い頭は、クロードとケレメイン大公国を守らないと、とオレは必死だった。
王女様には、オレとクロードの間に挟まりに来ないで即刻帰ってくれることを願っていた。
できる限りのことをしても、オレのできる限りじゃ、何もかもが足りなかった。
帰国しない王女様に負けないで、クロードと2人で撃退することばかりを、オレは考えていた。
女神様の裁定が下った後、王女様と話をしたとき。
王女様の事情を聞いたオレは、王女様の境遇を気の毒だと思った。
でも、クロードとオレの生活を守りたい思いが一番だったから、王女様の気持ちに寄り添うまでには至らなかった。
「わたくしがお会いしたクロード様から、わたくしを望まれているようなご様子は、何も伝わってきませんでした、ずべし。
わたくしは、想像していなかった展開に傷つき、悩みました、ずべし。」
と王女様。
王女様が、クロードの対応について、言及したのは、初めてだなー。
王女様の心の中で、整理できたのかもしれない。
「わたくしは、クロード様が歓迎してくださらないのは今だけだと思い込まなければ、平静を装えなかったのです、ずべし。」
と王女様。
サーバル王国の若手の皆さんは、はっとして、王女様の手元に視線を集中させた。
王女様は、スカートをぎゅっと握ったまま、告白を続けていく。
「ですけど、わたくしは、最後まで、わたくし自身を騙し切ることができませんでした、ずべし。」
と王女様。
王女様は、ギュッと目を瞑ってから、しばたいた。
「わたくしは、女神様のような愛の深さを持てませんでした、ずべし。
大好きでたまらなかったクロード様のことを、わたくしは。」
と王女様。
隣の女神様の様子をうかがうと。
女神様は、オレのときとは違い、ふふふ、も言わずに、王女様の告白を真摯に受け止めていた。
「わたくし、クロード様のことは、大好きでした、ずべし。
なのに、ずべし。
わたくしの大好きという気持ちを無碍にするクロード様に対して、どうしてこんな非道な振る舞いができるのか、と恨みたくなる気持ちになりました、ずべし。
恨みも憎しみも、クロード様に対して向けたくないと思いました、ずべし。
わたくしは、どうしても、クロード様を恨む気持ちやクロード様への苛立ちを抑えることができませんでした、ずべし。」
クロードの事情を知らない王女様が、クロードを恨んでも、クロードに苛ついても、仕方ないとオレは思う。
「わたくしは、わたくしの何が気に入らなかったのかを、クロード様に聞くこともできないままでした、ずべし。
見えない何かに削られて足元が崩れていく感覚に陥りました、ずべし。
わたくしは、ケレメイン大公国でクロード様とお会いしてからずっと、不安でした、ずべし。
わたくしの不安は、どこにも持っていけないものでした、ずべし。
捨てるには、大きすぎました、ずべし。」
と王女様。
王女様は、王女様に芽生えた負の感情に戸惑い、悩んだんだな。
オレは、今までの判断を覆すか、どうしようか、と悩んでいる。
クロードが、何も知らなかったことをオレは、王女様に話す方がいいのか?
話したら、王女様のクロードへの疑問は解消する。
でも、問題を根本的に解決することになるかな。
クロードに対して芽生えた負の感情は、クロードの事情を知らされたからといって、なくならないよな。
王女様に、クロードの事情を知らせることは、王女様が、クロード以外に利用された、という事実を突きつけることになる。
オレは、王女様の告白を聞きながら、考え込んだ。
周りに利用されていた事実と知ることは、王女様にプラスになるかな?
追い詰めるだけにならないかな。
「嫌悪と忌避感のこもった眼差しをクロード様から向けられることの意味が、わたくしはどうしてもわからなくて、ずべし。
クロード様に拒絶されたことへの嫌悪や忌避感を覚えるのは、わたくしの方ではないか、と考えてしまいました、ずべし。
クロード様のことを考えると、どうしようもなく、苦しい気持ちになってしまうようになったのです、ずべし。
どうしてこんなに尽くしてきたのに、と、ずべし。
感謝されこそすれ、憎まれるなんて、て、ずべし。」
と王女様。
王女様の恋が、世界で二人だけで完結するものだったら、王女様は、きっと恋する時間を大切にして、幸せに過ごせた。
好きな人に負の感情を芽生えさせてしまったことに苦しまずに済んだ。
なんと言ったらよいか分からないオレは、口を挟まずに黙っていた。
オレの横の女神様の様子を確認すると。
女神様は、興味深そうに、王女様の告白を聞いていた。
「クロード様にお会いして、クロード様が、わたくしを歓迎してくださる様子がないことを怪しみました、ずべし。
わたくしが会いに来たことを喜んでくださらないクロード様を目にしたわたくしは。」
王女様の声は震えた。
「わたくしは、胸が押しつぶされました、ずべし。」
と王女様。
オレも、王女様の話を聞いていると胸が痛い。
出会い頭は、クロードとケレメイン大公国を守らないと、とオレは必死だった。
王女様には、オレとクロードの間に挟まりに来ないで即刻帰ってくれることを願っていた。
できる限りのことをしても、オレのできる限りじゃ、何もかもが足りなかった。
帰国しない王女様に負けないで、クロードと2人で撃退することばかりを、オレは考えていた。
女神様の裁定が下った後、王女様と話をしたとき。
王女様の事情を聞いたオレは、王女様の境遇を気の毒だと思った。
でも、クロードとオレの生活を守りたい思いが一番だったから、王女様の気持ちに寄り添うまでには至らなかった。
「わたくしがお会いしたクロード様から、わたくしを望まれているようなご様子は、何も伝わってきませんでした、ずべし。
わたくしは、想像していなかった展開に傷つき、悩みました、ずべし。」
と王女様。
王女様が、クロードの対応について、言及したのは、初めてだなー。
王女様の心の中で、整理できたのかもしれない。
「わたくしは、クロード様が歓迎してくださらないのは今だけだと思い込まなければ、平静を装えなかったのです、ずべし。」
と王女様。
サーバル王国の若手の皆さんは、はっとして、王女様の手元に視線を集中させた。
王女様は、スカートをぎゅっと握ったまま、告白を続けていく。
「ですけど、わたくしは、最後まで、わたくし自身を騙し切ることができませんでした、ずべし。」
と王女様。
王女様は、ギュッと目を瞑ってから、しばたいた。
「わたくしは、女神様のような愛の深さを持てませんでした、ずべし。
大好きでたまらなかったクロード様のことを、わたくしは。」
と王女様。
隣の女神様の様子をうかがうと。
女神様は、オレのときとは違い、ふふふ、も言わずに、王女様の告白を真摯に受け止めていた。
「わたくし、クロード様のことは、大好きでした、ずべし。
なのに、ずべし。
わたくしの大好きという気持ちを無碍にするクロード様に対して、どうしてこんな非道な振る舞いができるのか、と恨みたくなる気持ちになりました、ずべし。
恨みも憎しみも、クロード様に対して向けたくないと思いました、ずべし。
わたくしは、どうしても、クロード様を恨む気持ちやクロード様への苛立ちを抑えることができませんでした、ずべし。」
クロードの事情を知らない王女様が、クロードを恨んでも、クロードに苛ついても、仕方ないとオレは思う。
「わたくしは、わたくしの何が気に入らなかったのかを、クロード様に聞くこともできないままでした、ずべし。
見えない何かに削られて足元が崩れていく感覚に陥りました、ずべし。
わたくしは、ケレメイン大公国でクロード様とお会いしてからずっと、不安でした、ずべし。
わたくしの不安は、どこにも持っていけないものでした、ずべし。
捨てるには、大きすぎました、ずべし。」
と王女様。
王女様は、王女様に芽生えた負の感情に戸惑い、悩んだんだな。
オレは、今までの判断を覆すか、どうしようか、と悩んでいる。
クロードが、何も知らなかったことをオレは、王女様に話す方がいいのか?
話したら、王女様のクロードへの疑問は解消する。
でも、問題を根本的に解決することになるかな。
クロードに対して芽生えた負の感情は、クロードの事情を知らされたからといって、なくならないよな。
王女様に、クロードの事情を知らせることは、王女様が、クロード以外に利用された、という事実を突きつけることになる。
オレは、王女様の告白を聞きながら、考え込んだ。
周りに利用されていた事実と知ることは、王女様にプラスになるかな?
追い詰めるだけにならないかな。
「嫌悪と忌避感のこもった眼差しをクロード様から向けられることの意味が、わたくしはどうしてもわからなくて、ずべし。
クロード様に拒絶されたことへの嫌悪や忌避感を覚えるのは、わたくしの方ではないか、と考えてしまいました、ずべし。
クロード様のことを考えると、どうしようもなく、苦しい気持ちになってしまうようになったのです、ずべし。
どうしてこんなに尽くしてきたのに、と、ずべし。
感謝されこそすれ、憎まれるなんて、て、ずべし。」
と王女様。
王女様の恋が、世界で二人だけで完結するものだったら、王女様は、きっと恋する時間を大切にして、幸せに過ごせた。
好きな人に負の感情を芽生えさせてしまったことに苦しまずに済んだ。
なんと言ったらよいか分からないオレは、口を挟まずに黙っていた。
オレの横の女神様の様子を確認すると。
女神様は、興味深そうに、王女様の告白を聞いていた。
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