472 / 673
第9章 オレはケレメイン大公国の大公妃殿下です。
472.ミーレ長官は、母上は何を思って私を道化に仕立てたのでしょうと呟きました。ミーレ長官のお父さんは、ミーレ長官の身代わりじゃありません。
しおりを挟む
オレは、ミーレ長官が衝撃に耐えているのを見ながら、誤魔化さずに告げる。
「ある。
ミーレ長官は、知らなかった。
ミーレ長官以外のマウンテン王国の王侯貴族は、女王陛下の次代が、女王陛下の弟にあたる先代国王陛下だと認識していたことも、確認済みだぞ。」
「まさか。それでは、私は、なぜ王太子に。」
とミーレ長官。
「ミーレ長官のお母さんが女王陛下でいることも、ミーレ長官が王太子でいることも、期間限定だと、お母さんはミーレ長官に説明したかな?」
「いいえ。初耳です。」
とミーレ長官。
「ミーレ長官が、知らないことを、ミーレ長官以外は知らなかった。
このことが、ミーレ長官をさらに苦労させることになったと思う。
ミーレ長官が知らないことを知っているのは、ミーレ長官を王太子にして、説明しなかったお母さんだけ。
お母さんは、ミーレ長官に説明していない上に、説明していないと周りに伝えていなかった。」
「女王陛下が、私を騙して身分を偽らせたなど、あっていいはずありません。」
とミーレ長官。
オレは、こころもち、ゆっくりめに話す。
「ミーレ長官のお母さんが何を思って、ミーレ長官に打ち明けなかったかを聞くことはできない。
今からは、ミーレ長官のお母さんの気持ちを横にどけて、ミーレ長官自身の感情で考えてくれ。
ミーレ長官は、毒杯を勧められた理由が分からなかったから、毒杯を拒否したのかな?
毒杯を勧められたとき、毒杯を勧められる事態を引き起こしたとは思っていなかった。
違うかな?」
「違いません。
女王陛下が客死されたタイミングで、狡猾な叔父上に王位を簒奪され、正統な後継者が邪魔になるから、国内貴族を味方につけて、王太子の私を亡き者にしようとしているのだと、ずっと考えていました。」
とミーレ長官。
「お母さんが女王陛下の期間限定で王太子になっていたミーレ長官は、お母さんの客死事件後、王太子ではなくなっていた。
ミーレ長官が、お母さんの客死事件の真相を知ろうとサーバル王国に旅立ったときには、さ。」
「マウンテン王国の王太子ではないのに、王太子を詐称し、サーバル王国で王太子としてのもてなしを要求していたことになります。
そのことで、マウンテン王国は、サーバル王国との交渉において不利に立たされたでしょう。」
とミーレ長官。
「オレの話を信用してくれて良かった。」
ほっとした。
「ヒサツグ様は、偽りを伝えることはありません。」
とミーレ長官は、薄っすら微笑む。
「ありがとう。」
信頼が嬉しい。
ミーレ長官に褒められたこと、あったかな?
初めてじゃないかな?
「ヒサツグ様は、口をつぐむか、真実を述べるか、偽らざるをえない部分には触れないかのどれかを選択されてきました。」
とミーレ長官。
「ミーレ長官の観察力!」
「用心深くないと、生きていけません。」
とミーレ長官。
痛み入るお言葉が出てきた。
「ミーレ長官が、王太子としてサーバル王国に行く件より前に、期間限定の女王陛下と、王にならない王太子の振る舞いは、顰蹙を買っていたかもしれない。
何か、思い当たることはあるかな?」
「あります。私は、女王陛下の次の王になると信じて疑っていませんでした。
叔父上、先代国王陛下と、従兄弟にあたる今代の国王陛下には、女王陛下と次代の王となる私には、臣下として仕えるように、という態度を取り、言葉にもして、叱責しています。
従兄弟は、何度、伝えても私に対する態度を改めないので、根気強く、指摘していました。
そのときは、従兄弟のためになる指摘だから、正しいことをしていると考えていました。
従兄弟に指摘できるのは、王太子の私しかいないという義務感がありました。」
とミーレ長官。
「反発される素地を作ってしまっていたな。」
ミーレ長官は、悲しげだった。
「私の指摘は、誰にも必要ないものでしたね。
王太子だったときの私の言動の全ては、的外れで、さぞ滑稽だったことでしょう。
母上は、何を思って、我が子を道化に仕立て上げたのでしょう?」
とミーレ長官は、呟く。
「ミーレ長官が王太子としてサーバル王国に行った件が、毒杯を勧める決定打になっていないかな?」
「これ以上もなく、決定打です。」
とミーレ長官。
「ミーレ長官のお母さんのサーバル王国行きそのものが、お母さんの強行とかじゃないといいとオレは思う。
女王陛下になったミーレ長官のお母さんと、王太子になったミーレ長官の行動に、反発と不信感を募らせていた貴族が少なくなくて、先代国王陛下によるとりなしでは、貴族を抑えきることができなくなった。
それが、ミーレ長官が、毒杯を勧められた理由かな、とオレは考えている。
仮初の王太子の身分を振りかざして、サーバル王国へ乗り込んだこと。
ミーレ長官がサーバル王国へ乗り込んだことにより、女王陛下の客死が取引材料として使われるだけの証拠をサーバル王国側に残してきたこと。
マウンテン王国にとって、痛手だもんな。」
「痛手ですね。」
とミーレ長官。
「ミーレ長官のお父さんは、お父さんの予想に反して、王太子の身分を返上しないまま、サーバル王国へ行って帰ってきたミーレ長官を死なせたくなかったんじゃないかな。」
「そうだったのでしょうか。」
とミーレ長官。
「サーバル王国から帰国したミーレ長官に毒杯が渡される前。
ミーレ長官に毒杯が渡されることは、ミーレ長官のお父さんに知らされていなかったんじゃないかな。
ミーレ長官のお母さんがしたことが、本人ではなく、息子に毒杯が渡されるような深刻な事態だと知らされたから。
ミーレ長官のお父さんは、覚悟を決めたんじゃないかな。
息子の家族と生きていくと決めた息子の新しい人生の先行きを暗くしないために。
お父さんは、命を賭して、できることをしてくれたんじゃないかな。」
「私と母上のしたことは軽い失態ではありません。
私と妻と息子が生き永られたのは、亡き父上のお陰でしょう。」
とミーレ長官。
「ミーレ長官のお父さんは、生前、先代国王陛下と取引して、以下のことを頼んでいると思う。
先代国王陛下の生存中は、ミーレ長官とミーレ長官の妻子に危険が及ばなように、先代国王陛下自身が動くこと。
先代国王陛下自身が、ミーレ長官に働きかけたり、手配したりしたから、ミーレ長官は妻子と共にマウンテン王国で生きてこれたんじゃないかな?」
「ミーレ姓を名乗るようになってから、叔父上とよく話すようになりました。
父上は、無知だった私の身代わりです。」
とミーレ長官。
「ミーレ長官の身代わりじゃない。
お父さんは、父親として、誇りと命を賭けて、全身全霊で、息子家族の命を守った。」
「ヒサツグ様。」
とミーレ長官は、唇を震わせていた。
「ある。
ミーレ長官は、知らなかった。
ミーレ長官以外のマウンテン王国の王侯貴族は、女王陛下の次代が、女王陛下の弟にあたる先代国王陛下だと認識していたことも、確認済みだぞ。」
「まさか。それでは、私は、なぜ王太子に。」
とミーレ長官。
「ミーレ長官のお母さんが女王陛下でいることも、ミーレ長官が王太子でいることも、期間限定だと、お母さんはミーレ長官に説明したかな?」
「いいえ。初耳です。」
とミーレ長官。
「ミーレ長官が、知らないことを、ミーレ長官以外は知らなかった。
このことが、ミーレ長官をさらに苦労させることになったと思う。
ミーレ長官が知らないことを知っているのは、ミーレ長官を王太子にして、説明しなかったお母さんだけ。
お母さんは、ミーレ長官に説明していない上に、説明していないと周りに伝えていなかった。」
「女王陛下が、私を騙して身分を偽らせたなど、あっていいはずありません。」
とミーレ長官。
オレは、こころもち、ゆっくりめに話す。
「ミーレ長官のお母さんが何を思って、ミーレ長官に打ち明けなかったかを聞くことはできない。
今からは、ミーレ長官のお母さんの気持ちを横にどけて、ミーレ長官自身の感情で考えてくれ。
ミーレ長官は、毒杯を勧められた理由が分からなかったから、毒杯を拒否したのかな?
毒杯を勧められたとき、毒杯を勧められる事態を引き起こしたとは思っていなかった。
違うかな?」
「違いません。
女王陛下が客死されたタイミングで、狡猾な叔父上に王位を簒奪され、正統な後継者が邪魔になるから、国内貴族を味方につけて、王太子の私を亡き者にしようとしているのだと、ずっと考えていました。」
とミーレ長官。
「お母さんが女王陛下の期間限定で王太子になっていたミーレ長官は、お母さんの客死事件後、王太子ではなくなっていた。
ミーレ長官が、お母さんの客死事件の真相を知ろうとサーバル王国に旅立ったときには、さ。」
「マウンテン王国の王太子ではないのに、王太子を詐称し、サーバル王国で王太子としてのもてなしを要求していたことになります。
そのことで、マウンテン王国は、サーバル王国との交渉において不利に立たされたでしょう。」
とミーレ長官。
「オレの話を信用してくれて良かった。」
ほっとした。
「ヒサツグ様は、偽りを伝えることはありません。」
とミーレ長官は、薄っすら微笑む。
「ありがとう。」
信頼が嬉しい。
ミーレ長官に褒められたこと、あったかな?
初めてじゃないかな?
「ヒサツグ様は、口をつぐむか、真実を述べるか、偽らざるをえない部分には触れないかのどれかを選択されてきました。」
とミーレ長官。
「ミーレ長官の観察力!」
「用心深くないと、生きていけません。」
とミーレ長官。
痛み入るお言葉が出てきた。
「ミーレ長官が、王太子としてサーバル王国に行く件より前に、期間限定の女王陛下と、王にならない王太子の振る舞いは、顰蹙を買っていたかもしれない。
何か、思い当たることはあるかな?」
「あります。私は、女王陛下の次の王になると信じて疑っていませんでした。
叔父上、先代国王陛下と、従兄弟にあたる今代の国王陛下には、女王陛下と次代の王となる私には、臣下として仕えるように、という態度を取り、言葉にもして、叱責しています。
従兄弟は、何度、伝えても私に対する態度を改めないので、根気強く、指摘していました。
そのときは、従兄弟のためになる指摘だから、正しいことをしていると考えていました。
従兄弟に指摘できるのは、王太子の私しかいないという義務感がありました。」
とミーレ長官。
「反発される素地を作ってしまっていたな。」
ミーレ長官は、悲しげだった。
「私の指摘は、誰にも必要ないものでしたね。
王太子だったときの私の言動の全ては、的外れで、さぞ滑稽だったことでしょう。
母上は、何を思って、我が子を道化に仕立て上げたのでしょう?」
とミーレ長官は、呟く。
「ミーレ長官が王太子としてサーバル王国に行った件が、毒杯を勧める決定打になっていないかな?」
「これ以上もなく、決定打です。」
とミーレ長官。
「ミーレ長官のお母さんのサーバル王国行きそのものが、お母さんの強行とかじゃないといいとオレは思う。
女王陛下になったミーレ長官のお母さんと、王太子になったミーレ長官の行動に、反発と不信感を募らせていた貴族が少なくなくて、先代国王陛下によるとりなしでは、貴族を抑えきることができなくなった。
それが、ミーレ長官が、毒杯を勧められた理由かな、とオレは考えている。
仮初の王太子の身分を振りかざして、サーバル王国へ乗り込んだこと。
ミーレ長官がサーバル王国へ乗り込んだことにより、女王陛下の客死が取引材料として使われるだけの証拠をサーバル王国側に残してきたこと。
マウンテン王国にとって、痛手だもんな。」
「痛手ですね。」
とミーレ長官。
「ミーレ長官のお父さんは、お父さんの予想に反して、王太子の身分を返上しないまま、サーバル王国へ行って帰ってきたミーレ長官を死なせたくなかったんじゃないかな。」
「そうだったのでしょうか。」
とミーレ長官。
「サーバル王国から帰国したミーレ長官に毒杯が渡される前。
ミーレ長官に毒杯が渡されることは、ミーレ長官のお父さんに知らされていなかったんじゃないかな。
ミーレ長官のお母さんがしたことが、本人ではなく、息子に毒杯が渡されるような深刻な事態だと知らされたから。
ミーレ長官のお父さんは、覚悟を決めたんじゃないかな。
息子の家族と生きていくと決めた息子の新しい人生の先行きを暗くしないために。
お父さんは、命を賭して、できることをしてくれたんじゃないかな。」
「私と母上のしたことは軽い失態ではありません。
私と妻と息子が生き永られたのは、亡き父上のお陰でしょう。」
とミーレ長官。
「ミーレ長官のお父さんは、生前、先代国王陛下と取引して、以下のことを頼んでいると思う。
先代国王陛下の生存中は、ミーレ長官とミーレ長官の妻子に危険が及ばなように、先代国王陛下自身が動くこと。
先代国王陛下自身が、ミーレ長官に働きかけたり、手配したりしたから、ミーレ長官は妻子と共にマウンテン王国で生きてこれたんじゃないかな?」
「ミーレ姓を名乗るようになってから、叔父上とよく話すようになりました。
父上は、無知だった私の身代わりです。」
とミーレ長官。
「ミーレ長官の身代わりじゃない。
お父さんは、父親として、誇りと命を賭けて、全身全霊で、息子家族の命を守った。」
「ヒサツグ様。」
とミーレ長官は、唇を震わせていた。
60
あなたにおすすめの小説
異世界転移してΩになった俺(アラフォーリーマン)、庇護欲高めα騎士に身も心も溶かされる
ヨドミ
BL
もし生まれ変わったら、俺は思う存分甘やかされたい――。
アラフォーリーマン(社畜)である福沢裕介は、通勤途中、事故により異世界へ転移してしまう。
異世界ローリア王国皇太子の花嫁として召喚されたが、転移して早々、【災厄のΩ】と告げられ殺されそうになる。
【災厄のΩ】、それは複数のαを番にすることができるΩのことだった――。
αがハーレムを築くのが常識とされる異世界では、【災厄のΩ】は忌むべき存在。
負の烙印を押された裕介は、間一髪、銀髪のα騎士ジェイドに助けられ、彼の庇護のもと、騎士団施設で居候することに。
「αがΩを守るのは当然だ」とジェイドは裕介の世話を焼くようになって――。
庇護欲高め騎士(α)と甘やかされたいけどプライドが邪魔をして素直になれない中年リーマン(Ω)のすれ違いラブファンタジー。
※Rシーンには♡マークをつけます。
氷の騎士団長様の悪妻とかイヤなので離婚しようと思います
黄金
BL
目が覚めたら、ここは読んでたBL漫画の世界。冷静冷淡な氷の騎士団長様の妻になっていた。しかもその役は名前も出ない悪妻!
だったら離婚したい!
ユンネの野望は離婚、漫画の主人公を見たい、という二つの事。
お供に老侍従ソマルデを伴って、主人公がいる王宮に向かうのだった。
本編61話まで
番外編 なんか長くなってます。お付き合い下されば幸いです。
※細目キャラが好きなので書いてます。
多くの方に読んでいただき嬉しいです。
コメント、お気に入り、しおり、イイねを沢山有難うございます。
【WEB版】監視が厳しすぎた嫁入り生活から解放されました~冷徹無慈悲と呼ばれた隻眼の伯爵様と呪いの首輪~【BL・オメガバース】
古森きり
BL
【書籍化決定しました!】
詳細が決まりましたら改めてお知らせにあがります!
たくさんの閲覧、お気に入り、しおり、感想ありがとうございました!
アルファポリス様の規約に従い発売日にURL登録に変更、こちらは引き下げ削除させていただきます。
政略結婚で嫁いだ先は、女狂いの伯爵家。
男のΩである僕には一切興味を示さず、しかし不貞をさせまいと常に監視される生活。
自分ではどうすることもできない生活に疲れ果てて諦めた時、夫の不正が暴かれて失脚した。
行く当てがなくなった僕を保護してくれたのは、元夫が口を開けば罵っていた政敵ヘルムート・カウフマン。
冷徹無慈悲と呼び声高い彼だが、共に食事を摂ってくれたりやりたいことを応援してくれたり、決して冷たいだけの人ではなさそうで――。
カクヨムに書き溜め。
小説家になろう、アルファポリス、BLoveにそのうち掲載します。
2度目の異世界移転。あの時の少年がいい歳になっていて殺気立って睨んでくるんだけど。
ありま氷炎
BL
高校一年の時、道路陥没の事故に巻き込まれ、三日間記憶がない。
異世界転移した記憶はあるんだけど、夢だと思っていた。
二年後、どうやら異世界転移してしまったらしい。
しかもこれは二度目で、あれは夢ではなかったようだった。
再会した少年はすっかりいい歳になっていて、殺気立って睨んでくるんだけど。
【完結】おじさんダンジョン配信者ですが、S級探索者の騎士を助けたら妙に懐かれてしまいました
大河
BL
世界を変えた「ダンジョン」出現から30年──
かつて一線で活躍した元探索者・レイジ(42)は、今や東京の片隅で地味な初心者向け配信を続ける"おじさん配信者"。安物機材、スポンサーゼロ、視聴者数も控えめ。華やかな人気配信者とは対照的だが、その真摯な解説は密かに「信頼できる初心者向け動画」として評価されていた。
そんな平穏な日常が一変する。ダンジョン中層に災厄級モンスターが突如出現、人気配信パーティが全滅の危機に!迷わず単身で救助に向かうレイジ。絶体絶命のピンチを救ったのは、国家直属のS級騎士・ソウマだった。
冷静沈着、美形かつ最強。誰もが憧れる騎士の青年は、なぜかレイジを見た瞬間に顔を赤らめて……?
若き美貌の騎士×地味なおじさん配信者のバディが織りなす、年の差、立場の差、すべてを越えて始まる予想外の恋の物語。
黒とオメガの騎士の子育て〜この子確かに俺とお前にそっくりだけど、産んだ覚えないんですけど!?〜
せるせ
BL
王都の騎士団に所属するオメガのセルジュは、ある日なぜか北の若き辺境伯クロードの城で目が覚めた。
しかも隣で泣いているのは、クロードと同じ目を持つ自分にそっくりな赤ん坊で……?
「お前が産んだ、俺の子供だ」
いや、そんなこと言われても、産んだ記憶もあんなことやこんなことをした記憶も無いんですけど!?
クロードとは元々険悪な仲だったはずなのに、一体どうしてこんなことに?
一途な黒髪アルファの年下辺境伯×金髪オメガの年上騎士
※一応オメガバース設定をお借りしています
転生したら、主人公の宿敵(でも俺の推し)の側近でした
リリーブルー
BL
「しごとより、いのち」厚労省の過労死等防止対策のスローガンです。過労死をゼロにし、健康で充実して働き続けることのできる社会へ。この小説の主人公は、仕事依存で過労死し異世界転生します。
仕事依存だった主人公(20代社畜)は、過労で倒れた拍子に異世界へ転生。目を覚ますと、そこは剣と魔法の世界——。愛読していた小説のラスボス貴族、すなわち原作主人公の宿敵(ライバル)レオナルト公爵に仕える側近の美青年貴族・シリル(20代)になっていた!
原作小説では悪役のレオナルト公爵。でも主人公はレオナルトに感情移入して読んでおり彼が推しだった! なので嬉しい!
だが問題は、そのラスボス貴族・レオナルト公爵(30代)が、物語の中では原作主人公にとっての宿敵ゆえに、原作小説では彼の冷酷な策略によって国家間の戦争へと突き進み、最終的にレオナルトと側近のシリルは処刑される運命だったことだ。
「俺、このままだと死ぬやつじゃん……」
死を回避するために、主人公、すなわち転生先の新しいシリルは、レオナルト公爵の信頼を得て歴史を変えようと決意。しかし、レオナルトは原作とは違い、どこか寂しげで孤独を抱えている様子。さらに、主人公が意外な才覚を発揮するたびに、公爵の態度が甘くなり、なぜか距離が近くなっていく。主人公は気づく。レオナルト公爵が悪に染まる原因は、彼の孤独と裏切られ続けた過去にあるのではないかと。そして彼を救おうと奔走するが、それは同時に、公爵からの執着を招くことになり——!?
原作主人公ラセル王太子も出てきて話は複雑に!
見どころ
・転生
・主従
・推しである原作悪役に溺愛される
・前世の経験と知識を活かす
・政治的な駆け引きとバトル要素(少し)
・ダークヒーロー(攻め)の変化(冷酷な公爵が愛を知り、主人公に執着・溺愛する過程)
・黒猫もふもふ
番外編では。
・もふもふ獣人化
・切ない裏側
・少年時代
などなど
最初は、推しの信頼を得るために、ほのぼの日常スローライフ、かわいい黒猫が出てきます。中盤にバトルがあって、解決、という流れ。後日譚は、ほのぼのに戻るかも。本編は完結しましたが、後日譚や番外編、ifルートなど、続々更新中。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる