《本編 完結 続編 完結》29歳、異世界人になっていました。日本に帰りたいのに、年下の英雄公爵に溺愛されています。

かざみはら まなか

文字の大きさ
617 / 673
第9章 オレはケレメイン大公国の大公妃殿下です。

617.クロードは、英雄と元神子様ではない関係性をカズラくんとの間に構築しようとしています。クロードとオレの未来が安泰かというと?

しおりを挟む
オレは、カズラくんの発言を肯定した。
「女神様の世界に来た神子様は、魔王になって、女神様の世界の住人に討伐される世界だからな。」

「魔王がいるときは、神子様、神子様とありがたがったくせに、掌返しがすごいのは。

女神様の世界の住人の本能が、異世界人を排除したくなるから?」
とカズラくんは、考え込む。

「オレは、カズラくんみたいに神子様でもなんでもない存在だから、より、異世界人としての異質さが際立っていると思う。

カズラくんは、元神子様だから、オレより異質さはない。

でも、異質さは皆無じゃないよな。」

「元神子という立場がぼくを守り続ける時間は、いちまで続くか分からない。

というよりも。

ぼくが思うよりも、元神子という肩書きには権威がないのだろうね。

世界を救ったのに。」
と腹正しそうなカズラくん。

「そう遠くない日に、さ。

女神様の世界の住人は、カズラくんの異質さも気になりだすんじゃないかな、とオレは予想している。

カズラくんは、縮こまって生きたくないよな。」

カズラくんは、手を小さく振って、縮こまって生きるのは絶対にいやだ、と拒否する気持ちを伝えてきた。

「ぼくは、ぼくの暮らしやすさが大事だからね。

たとえぼくが本領発揮したせいで、ぼくの異質さが際立ったとしても、ぼくは遠慮しないよ。

ぼくの能力で作り出したものは、誰にも奪わせない。」
とカズラくん。

カズラくんは、才能を活かして興した会社を取り上げられそうになる経験をしてから、女神様の世界に来ているからなー。

「そんなカズラの考えを尊重もしているのが、今回の提案だ。」
とクロード。

「へえ?」
とカズラくん。

「マウンテン王国の一貴族であるケレメイン公爵の伴侶というのは、替えがきく存在だから、いつでも、オレじゃない誰かと取り替えていいと考えられていたと思うんだよな。

替えがきく存在だから、英雄公爵クロードの伴侶になっても、異世界人の異質さへの拒否反応を取り除けなかった。」

「ヒサツグは、そう感じた?」
とカズラくん。

「オレがケレメイン公爵の伴侶だったとき。

オレと直接やりとりしていた人は、オレという個人を判断材料の一つに入れて、オレとどう相対するかを自分の考えで決めていたかな。

神子様のカズラくんが、オレとクロードの仲間になってからは、神子様がオレに肩入れした事実が、オレを害さない動きに寄与していたと思う。」

「マウンテン王国から独立する前は、神子の権威が効く人がまだまだいたよ。

マウンテン王国の国王陛下には効かなくなっていたけれど。」
とカズラくん。

そうだなー。

「オレが、英雄ケレメイン大公の妃という唯一無二の立場に立ってから反応を思い返してみてもさ。」

「ケレメイン大公国の国民には、ヒサツグが自ら働きかけて、ヒサツグの人となりを知って、ヒサツグに協力的になった者もいる。

ヒサツグ個人の味方の絶対数は増えては来ている。

だが、まだ心もとない。

元神子としての権威が通用しなくなったカズラの味方が、このまま何もしないままで増えると思うか?」
とクロード。

「ぼくの異質さを突出させて、ケレメイン大公クロードとヒサツグとの近しい関係を示しておけば。

ぼくがケレメイン大公国の次代の国主である、と発表したときに、外国の代表は反対表明をしにくくなる。

ぼくがケレメイン大公国の次代になることは、この世界の住人とぼく、両方が傷つけ合わないで済む、と考えたんだね。」
とカズラくん。

傷つけ合わなければ、争う理由は、その分減るよな?

女神様の世界の住人とは別格な存在のカズラくんには手出しするなと、国民に周知徹底させることでカズラくんの身を守れる、とオレは考えた。

カズラくんは、オレとクロードと話しながら考えている。

「ヒサツグとクロードを、ぼくの義実家や、義理の家族と表現するのは、比喩じゃなくて、意味がある言葉?」
とカズラくん。

「無縁なものではない間柄だと互いに認め合う関係をあらわすには、ちょうどよい。」
とクロード。

「ぼくが、ヒサツグやクロードとは赤の他人じゃないと言葉にすることは、次代の大公になるぼくへの、国民からの反発や懸念を軽減させるため?」
とカズラくん。

カズラくんは、オレが義理の家族だと名前をつけた関係性について言及してきた。

会社を興したときのカズラくんは、気になることを人任せにしないで、一つ一つ考えながら決めていったんだろうな。

クロードは、為政者として、統治に困らないような発言を徹底している。

「ケレメイン大公国で、暮らしやすい環境を作りたいのは、カズラだけではなく、私とヒサツグもだ。」
とクロード。

クロードの言う通り、将来を懸念しているのは、カズラくんだけじゃないんだよな。

クロードは、カズラくんをフッたことで、カズラくんから力を貸さないと言われている。

カズラくんの信用を得て、カズラくんと協力する関係を新しく構築するために。

クロードは、クロードが懸念している未来をカズラくんに伝えて、危機感の共有を図ろうとしている。

ケレメイン大公国の現体制が問題なく続くことが、カズラくんの夢のある将来設計の前提になっているから。

これからする話題を、オレではなくクロードが切り出したのは、クロードがカズラくんとの新しい関係性を築くことに乗り気だというカズラくんへの意思表示でもある。

親しき仲にも礼儀あり。

さらに、国主になったクロードには、どんな仲にも、政治が絡む。

「クロードは、今の取り巻く環境を良しとしてはいないんだね?」
とカズラくんは、ゆっくりと言葉を噛み締めながら確認する。

「愛こんにゃく家の結婚式で、私が英雄になってからのケレメイン家の問題は、一応の解決をみた。」
とクロード。

「見えている問題点は、なくなったよね?」
とカズラくん。

「これまでの懸念事項は、解決した。

だが、懸念事項が解決したことで、新たな問題が勃発してくる。」
とクロード。

オレとクロードが懸念事項として話してきた、女神様の世界の住人に備わる異世界人を拒絶したくなる本能については、カズラくんの理解を得られたと思う。

「次のトラブルは何?」
とカズラくん。

次にオレとクロードが想定しているのは、オレとクロードの身に起こり得るトラブルの話。

クロードの周りから、クロードと同じ階級の人がいなくなり、争いもおさまり、平和になったから起きるだろうことを想定して対策を練りたいとオレとクロードは考えている。
しおりを挟む
感想 84

あなたにおすすめの小説

異世界転移してΩになった俺(アラフォーリーマン)、庇護欲高めα騎士に身も心も溶かされる

ヨドミ
BL
もし生まれ変わったら、俺は思う存分甘やかされたい――。 アラフォーリーマン(社畜)である福沢裕介は、通勤途中、事故により異世界へ転移してしまう。 異世界ローリア王国皇太子の花嫁として召喚されたが、転移して早々、【災厄のΩ】と告げられ殺されそうになる。 【災厄のΩ】、それは複数のαを番にすることができるΩのことだった――。 αがハーレムを築くのが常識とされる異世界では、【災厄のΩ】は忌むべき存在。 負の烙印を押された裕介は、間一髪、銀髪のα騎士ジェイドに助けられ、彼の庇護のもと、騎士団施設で居候することに。 「αがΩを守るのは当然だ」とジェイドは裕介の世話を焼くようになって――。 庇護欲高め騎士(α)と甘やかされたいけどプライドが邪魔をして素直になれない中年リーマン(Ω)のすれ違いラブファンタジー。 ※Rシーンには♡マークをつけます。

伝説のS級おじさん、俺の「匂い」がないと発狂して国を滅ぼすらしいい

マンスーン
BL
ギルドの事務職員・三上薫は、ある日、ギルドロビーで発作を起こしかけていた英雄ガルド・ベルンシュタインから抱きしめられ、首筋を猛烈に吸引。「見つけた……俺の酸素……!」と叫び、離れなくなってしまう。 最強おじさん(変態)×ギルドの事務職員(平凡) 世界観が現代日本、異世界ごちゃ混ぜ設定になっております。

天使のような子の怪我の手当てをしたら氷の王子に懐かれました

藤吉めぐみ
BL
12/23後日談追加しました。 ================= 高校の養護教諭の世凪は、放課後の見回り中にプールに落ちてしまう。カナヅチの世凪は、そのまま溺れたと思ったが、気づくと全く知らない場所にある小さな池に座り込んでいた。 ここがどこなのか、何がどうなったのか分からない世凪に、「かあさま」と呼んで近づく小さな男の子。彼の怪我の手当てをしたら、世凪は不審者として捕まってしまう。 そんな世凪を助けてくれたのは、「氷の王子」と呼ばれるこの国の第二王子アドウェル。 冷淡で表情も変わらない人だと周りに言われたが、世凪に対するアドウェルは、穏やかで優しくて、理想の王子様でドキドキしてしまう世凪。でも王子は世凪に母親を重ねているようで…… 優しい年下王子様×異世界転移してきた前向き養護教諭の互いを知って認めていくあたたかな恋の話です。

氷の騎士団長様の悪妻とかイヤなので離婚しようと思います

黄金 
BL
目が覚めたら、ここは読んでたBL漫画の世界。冷静冷淡な氷の騎士団長様の妻になっていた。しかもその役は名前も出ない悪妻! だったら離婚したい! ユンネの野望は離婚、漫画の主人公を見たい、という二つの事。 お供に老侍従ソマルデを伴って、主人公がいる王宮に向かうのだった。 本編61話まで 番外編 なんか長くなってます。お付き合い下されば幸いです。 ※細目キャラが好きなので書いてます。    多くの方に読んでいただき嬉しいです。  コメント、お気に入り、しおり、イイねを沢山有難うございます。    

転生したら、主人公の宿敵(でも俺の推し)の側近でした

リリーブルー
BL
「しごとより、いのち」厚労省の過労死等防止対策のスローガンです。過労死をゼロにし、健康で充実して働き続けることのできる社会へ。この小説の主人公は、仕事依存で過労死し異世界転生します。  仕事依存だった主人公(20代社畜)は、過労で倒れた拍子に異世界へ転生。目を覚ますと、そこは剣と魔法の世界——。愛読していた小説のラスボス貴族、すなわち原作主人公の宿敵(ライバル)レオナルト公爵に仕える側近の美青年貴族・シリル(20代)になっていた!  原作小説では悪役のレオナルト公爵。でも主人公はレオナルトに感情移入して読んでおり彼が推しだった! なので嬉しい!  だが問題は、そのラスボス貴族・レオナルト公爵(30代)が、物語の中では原作主人公にとっての宿敵ゆえに、原作小説では彼の冷酷な策略によって国家間の戦争へと突き進み、最終的にレオナルトと側近のシリルは処刑される運命だったことだ。 「俺、このままだと死ぬやつじゃん……」  死を回避するために、主人公、すなわち転生先の新しいシリルは、レオナルト公爵の信頼を得て歴史を変えようと決意。しかし、レオナルトは原作とは違い、どこか寂しげで孤独を抱えている様子。さらに、主人公が意外な才覚を発揮するたびに、公爵の態度が甘くなり、なぜか距離が近くなっていく。主人公は気づく。レオナルト公爵が悪に染まる原因は、彼の孤独と裏切られ続けた過去にあるのではないかと。そして彼を救おうと奔走するが、それは同時に、公爵からの執着を招くことになり——!?  原作主人公ラセル王太子も出てきて話は複雑に! 見どころ ・転生 ・主従  ・推しである原作悪役に溺愛される ・前世の経験と知識を活かす ・政治的な駆け引きとバトル要素(少し) ・ダークヒーロー(攻め)の変化(冷酷な公爵が愛を知り、主人公に執着・溺愛する過程) ・黒猫もふもふ 番外編では。 ・もふもふ獣人化 ・切ない裏側 ・少年時代 などなど 最初は、推しの信頼を得るために、ほのぼの日常スローライフ、かわいい黒猫が出てきます。中盤にバトルがあって、解決、という流れ。後日譚は、ほのぼのに戻るかも。本編は完結しましたが、後日譚や番外編、ifルートなど、続々更新中。

転生したら嫌われ者No.01のザコキャラだった 〜引き篭もりニートは落ちぶれ王族に転生しました〜

隍沸喰(隍沸かゆ)
BL
引き篭もりニートの俺は大人にも子供にも人気の話題のゲーム『WoRLD oF SHiSUTo』の次回作を遂に手に入れたが、その直後に死亡してしまった。 目覚めたらその世界で最も嫌われ、前世でも嫌われ続けていたあの落ちぶれた元王族《ヴァントリア・オルテイル》になっていた。 同じ檻に入っていた子供を看病したのに殺されかけ、王である兄には冷たくされ…………それでもめげずに頑張ります! 俺を襲ったことで連れて行かれた子供を助けるために、まずは脱獄からだ! 重複投稿:小説家になろう(ムーンライトノベルズ) 注意: 残酷な描写あり 表紙は力不足な自作イラスト 誤字脱字が多いです! お気に入り・感想ありがとうございます。 皆さんありがとうございました! BLランキング1位(2021/8/1 20:02) HOTランキング15位(2021/8/1 20:02) 他サイト日間BLランキング2位(2019/2/21 20:00) ツンデレ、執着キャラ、おバカ主人公、魔法、主人公嫌われ→愛されです。 いらないと思いますが感想・ファンアート?などのSNSタグは #嫌01 です。私も宣伝や時々描くイラストに使っています。利用していただいて構いません!

【完結】気が付いたらマッチョなblゲーの主人公になっていた件

白井のわ
BL
雄っぱいが大好きな俺は、気が付いたら大好きなblゲーの主人公になっていた。 最初から好感度MAXのマッチョな攻略対象達に迫られて正直心臓がもちそうもない。 いつも俺を第一に考えてくれる幼なじみ、優しいイケオジの先生、憧れの先輩、皆とのイチャイチャハーレムエンドを目指す俺の学園生活が今始まる。

神様の手違いで死んだ俺、チート能力を授かり異世界転生してスローライフを送りたかったのに想像の斜め上をいく展開になりました。

篠崎笙
BL
保育園の調理師だった凛太郎は、ある日事故死する。しかしそれは神界のアクシデントだった。神様がお詫びに好きな加護を与えた上で異世界に転生させてくれるというので、定年後にやってみたいと憧れていたスローライフを送ることを願ったが……。  2026/01/09 加筆修正終了

処理中です...