僕のきもち

藍月 朔

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優等生

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 狂ったように

 僕は「優等生」になることにこだわっていた

 そうすれば

 僕のお母さんもお父さんも

 先生も友だちも

 「僕」を見てくれると思ったから

 でも本当は違った

 結局「優等生」の「僕」は偽物で

 本当の僕はどこかに行った

 いくら僕を探しても見つからない

 どうすればいいんだろう

 「優等生」じゃなくなった僕を見て

 みんなは僕から離れていった

 本当のひとりぼっち

 僕はただ愛が欲しかっただけなのに


 毎晩鏡とにらめっこ

 僕はどこかな

 僕はどこかな

 見つかるはずもなく

 孤独と生きる

 いつしか僕は諦めて

 周りから見れば普通の人

 でもコンコンノックをすれば

 僕はパリンと割れてしまう

 今日も僕は

 笑顔振り撒く偽善者、元「優等生」
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