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本編
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「は、ぁ、あ、ふゆ、ひこくん……」
あゆみが小さくあえぎながら、冬彦の名前を呼ぶ。
冬彦は微笑を返してあゆみの身体にキスを落としていく。片手は既に露にしたあゆみの秘所の内外を愛撫しながら、あゆみの表情から失われていく理性を目に、悦びを感じる。
「っ、ぁあっ」
敏感な蕾を擦り上げ、二度目の絶頂を迎えたあゆみが首と背中をのけ反らせる。とっさにその首筋に噛み付くようなキスをしてから、冬彦は内心しまったと思った。
女の身体に跡を残すことなど今まで意識したことはなかったのだが、ほとんど本能的な行動だった。
あゆみの首筋についたうっすらと赤い跡を、冬彦が舌先でなぞる。あゆみは跡をつけられたことに気づいていないのだろう、首筋をたどる舌の動きに喘いだ。
「……そろそろ、いい?」
かすれた声で冬彦が問うと、あゆみが粗い息の合間から頷く。
そのとろんとした目が冬彦をとらえたとき、あゆみの表情にわずかな困惑をとらえた。
「どうかした?」
「ん……」
あゆみは息を整えながら、冬彦の首に腕を回す。
「なんか、今日、無口……だから」
ああ、と冬彦は苦笑した。
何度もあゆみの名を呼んだ先日の夜に比べれば、淡泊にも取られたかもしれないと気づく。
むしろ口数が少ない分、愛撫に時間と労力をかけてはいるのだがーー
「言葉、あった方がいい?」
「え……そういうわけじゃ。ただ……」
あゆみは困ったように視線をさまよわせた。
「私、他のひとと、経験ないから……わかんなくて。冬彦、くんがいいようにして」
言葉がぶつ切りなのは恥ずかしいからだろう。冬彦はあゆみの視線があちこち動くのを見ながら、込み上げる愛おしさに表情を崩した。
と、同時に気づく。
「そっか……あゆみは、俺が初めてで、俺だけしか知らないってことになるのか……」
呟くと、じわじわと込み上げる想いに笑った。
とっさに顔を反らす。あゆみがぽかんとその顔を見上げていた。
「ど、どうしたの?」
震える声で問われ、冬彦は口元を手で覆う。
「いや……それ、すげぇ嬉しいなって」
笑った目のままあゆみを見やると、あゆみの目が潤んできた。
「ど、どうして、それ……その顔、今」
えぐえぐと、あゆみが訳のわからないことを言う。
冬彦が目をまたたかせると、あゆみが顔を手で覆った。
「こんなときに、その顔……反則だよぉ……カメラない……」
「カメラ……?」
冬彦はふと、動きを止めた。
次いで、にやりと笑う。
「……カメラって、どういうことだ?」
あゆみの身体がびくりと震えた。
「え、え、え。か、カメラはお父さんの趣味……」
「ふぅん。お父さんのね。そんで?」
「そ、そんで……?」
冬彦は意地の悪い笑みを浮かべつつ、あゆみの敏感なところを撫でさする。あゆみが慌てた声を出した。
冬彦は同窓会後に花田と交わした電話のやり取りを思い出していた。冬彦が笑うあの写真は、本当にあゆみの父が撮ったものなのかどうか。
「で、カメラないってどういうことかなぁ、あゆみチャン」
「ぇう、いや、その……」
しどもどするあゆみは頑なに口を閉ざす。冬彦は嘆息しながらその耳元に唇を寄せた。
「なに隠してるの? 言ってご覧」
言いながら、避妊具を纏った塊の先端で、あゆみのいいところをまさぐる。
「ん、ぅ、んん、はぁ、ゃ、ぁん、ふゆひこ、くん」
上がる嬌声は冬彦の腰に直接響いて来るが、ここで負ける訳にはいかない。せっかくあゆみで遊ぶーーあゆみ「と」遊ぶ?ーー機会なのだから、楽しませてもらおうと、余裕があるふりを続ける。
「あゆみ? ねぇ。どういうことなの?」
くちゅーーちゅーーぬちゃーー
「ぁあ、あぁん、やぁ」
「や、じゃわからないよ」
あゆみが潤んだ目のまま、恨めしげな視線を冬彦へ送る。冬彦は笑った。
あゆみから溢れたものだけで、互いの秘部のこすれ合う音は水気を帯びている。あゆみの息が上がり、冬彦の熱が秘部を通過する度に腰が震えた。
「は、ぁん」
あゆみのうっすらと汗ばんだ肢体と内ももの熱を感じ、冬彦の中心がじくじくと疼く。
「はぁ……ぁゆみ……」
「んゃあ……ぅん、ゆひこ、くぅん……」
あゆみが腰をくねらせた。その仕種はあまりに妖艶で、本能的で、日頃の理性的な穏やかさなど嘘のようだ。
余裕を失い、冬彦は喉の奥で舌打ちをした。
「くっそ、可愛い」
呟くや、へ、と間抜けた声をあげるあゆみの唇を唇で塞ぎつつ、奥へと自身を推し進める。
痛みそうなら腰を引くつもりだったが、あゆみは瞬時に快感に飲まれた。重なった冬彦の唇から顎を外しのけ反って、噛み殺せない声をあげる。その喉もとに、冬彦は舌を這わせた。
「っ、はぁ」
最奥まで一気に女を穿った楔が、女の熱に圧される快感に波打つ。
感じているのは一方だけではなく、繋がったそこは互いに収縮と膨張を繰り返し、刺激を求め合った。
しばらくその反応を楽しんでから、冬彦はゆっくりと、腰を動かす。
あゆみが潤んだ瞳のまま、冬彦に手を伸ばした。
「冬彦くん」
冬彦は微笑み、あゆみのてのひらに口づける。
「愛してるーー愛してるよ、あゆみ」
接合部分からは、あゆみの愛液による卑猥な音が響いている。
「はぁ、んんっーー」
啜り泣くようなあゆみの声が、冬彦の背筋と腰をなで上げて快感を煽る。
「あゆみーー」
丁寧に。丁寧に。
感じている愛おしさが、彼女に伝わるようにと。
想いを込めて、その身体に触れ、穿ち、果てた。
あゆみが小さくあえぎながら、冬彦の名前を呼ぶ。
冬彦は微笑を返してあゆみの身体にキスを落としていく。片手は既に露にしたあゆみの秘所の内外を愛撫しながら、あゆみの表情から失われていく理性を目に、悦びを感じる。
「っ、ぁあっ」
敏感な蕾を擦り上げ、二度目の絶頂を迎えたあゆみが首と背中をのけ反らせる。とっさにその首筋に噛み付くようなキスをしてから、冬彦は内心しまったと思った。
女の身体に跡を残すことなど今まで意識したことはなかったのだが、ほとんど本能的な行動だった。
あゆみの首筋についたうっすらと赤い跡を、冬彦が舌先でなぞる。あゆみは跡をつけられたことに気づいていないのだろう、首筋をたどる舌の動きに喘いだ。
「……そろそろ、いい?」
かすれた声で冬彦が問うと、あゆみが粗い息の合間から頷く。
そのとろんとした目が冬彦をとらえたとき、あゆみの表情にわずかな困惑をとらえた。
「どうかした?」
「ん……」
あゆみは息を整えながら、冬彦の首に腕を回す。
「なんか、今日、無口……だから」
ああ、と冬彦は苦笑した。
何度もあゆみの名を呼んだ先日の夜に比べれば、淡泊にも取られたかもしれないと気づく。
むしろ口数が少ない分、愛撫に時間と労力をかけてはいるのだがーー
「言葉、あった方がいい?」
「え……そういうわけじゃ。ただ……」
あゆみは困ったように視線をさまよわせた。
「私、他のひとと、経験ないから……わかんなくて。冬彦、くんがいいようにして」
言葉がぶつ切りなのは恥ずかしいからだろう。冬彦はあゆみの視線があちこち動くのを見ながら、込み上げる愛おしさに表情を崩した。
と、同時に気づく。
「そっか……あゆみは、俺が初めてで、俺だけしか知らないってことになるのか……」
呟くと、じわじわと込み上げる想いに笑った。
とっさに顔を反らす。あゆみがぽかんとその顔を見上げていた。
「ど、どうしたの?」
震える声で問われ、冬彦は口元を手で覆う。
「いや……それ、すげぇ嬉しいなって」
笑った目のままあゆみを見やると、あゆみの目が潤んできた。
「ど、どうして、それ……その顔、今」
えぐえぐと、あゆみが訳のわからないことを言う。
冬彦が目をまたたかせると、あゆみが顔を手で覆った。
「こんなときに、その顔……反則だよぉ……カメラない……」
「カメラ……?」
冬彦はふと、動きを止めた。
次いで、にやりと笑う。
「……カメラって、どういうことだ?」
あゆみの身体がびくりと震えた。
「え、え、え。か、カメラはお父さんの趣味……」
「ふぅん。お父さんのね。そんで?」
「そ、そんで……?」
冬彦は意地の悪い笑みを浮かべつつ、あゆみの敏感なところを撫でさする。あゆみが慌てた声を出した。
冬彦は同窓会後に花田と交わした電話のやり取りを思い出していた。冬彦が笑うあの写真は、本当にあゆみの父が撮ったものなのかどうか。
「で、カメラないってどういうことかなぁ、あゆみチャン」
「ぇう、いや、その……」
しどもどするあゆみは頑なに口を閉ざす。冬彦は嘆息しながらその耳元に唇を寄せた。
「なに隠してるの? 言ってご覧」
言いながら、避妊具を纏った塊の先端で、あゆみのいいところをまさぐる。
「ん、ぅ、んん、はぁ、ゃ、ぁん、ふゆひこ、くん」
上がる嬌声は冬彦の腰に直接響いて来るが、ここで負ける訳にはいかない。せっかくあゆみで遊ぶーーあゆみ「と」遊ぶ?ーー機会なのだから、楽しませてもらおうと、余裕があるふりを続ける。
「あゆみ? ねぇ。どういうことなの?」
くちゅーーちゅーーぬちゃーー
「ぁあ、あぁん、やぁ」
「や、じゃわからないよ」
あゆみが潤んだ目のまま、恨めしげな視線を冬彦へ送る。冬彦は笑った。
あゆみから溢れたものだけで、互いの秘部のこすれ合う音は水気を帯びている。あゆみの息が上がり、冬彦の熱が秘部を通過する度に腰が震えた。
「は、ぁん」
あゆみのうっすらと汗ばんだ肢体と内ももの熱を感じ、冬彦の中心がじくじくと疼く。
「はぁ……ぁゆみ……」
「んゃあ……ぅん、ゆひこ、くぅん……」
あゆみが腰をくねらせた。その仕種はあまりに妖艶で、本能的で、日頃の理性的な穏やかさなど嘘のようだ。
余裕を失い、冬彦は喉の奥で舌打ちをした。
「くっそ、可愛い」
呟くや、へ、と間抜けた声をあげるあゆみの唇を唇で塞ぎつつ、奥へと自身を推し進める。
痛みそうなら腰を引くつもりだったが、あゆみは瞬時に快感に飲まれた。重なった冬彦の唇から顎を外しのけ反って、噛み殺せない声をあげる。その喉もとに、冬彦は舌を這わせた。
「っ、はぁ」
最奥まで一気に女を穿った楔が、女の熱に圧される快感に波打つ。
感じているのは一方だけではなく、繋がったそこは互いに収縮と膨張を繰り返し、刺激を求め合った。
しばらくその反応を楽しんでから、冬彦はゆっくりと、腰を動かす。
あゆみが潤んだ瞳のまま、冬彦に手を伸ばした。
「冬彦くん」
冬彦は微笑み、あゆみのてのひらに口づける。
「愛してるーー愛してるよ、あゆみ」
接合部分からは、あゆみの愛液による卑猥な音が響いている。
「はぁ、んんっーー」
啜り泣くようなあゆみの声が、冬彦の背筋と腰をなで上げて快感を煽る。
「あゆみーー」
丁寧に。丁寧に。
感じている愛おしさが、彼女に伝わるようにと。
想いを込めて、その身体に触れ、穿ち、果てた。
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