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.6 重なる道
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健人が家に来たのは、それから一週間ほどした頃やった。
【今日夕飯作りに行くよー】と、それだけ見ればカノジョかお前、っちゅうメッセージに気づいたのは、二時間の残業の後。
やべ、待ちぼうけさせてもうた。さすがに罪悪感を抱いて帰ってみれば、健人はゴロゴロしながら本を読んではった。
そういや、前に合鍵渡してたっけ。健人が渡航する前の記憶を辿りながらかいだ夕飯の匂いに、腹がぐぅと鳴る。
今日も今日とて、昼飯も食いはぐれてエネルギー飲料だけで間に合わせた腹や。そりゃご不満もあるやろな。
「おっかえりぃ。飯、食う?」
身体を起こした健人に問われて、思わず時計を見た。
二本の針は、ぼちぼちてっぺんでなかよく重なろうとしてる。
これで食ったら……太るやろか。
思うたけど、空腹には勝てん。飯をよこせと騒ぎ立てる腹を押さえて台所を見やった。
「……メニューは?」
「親子丼、味噌汁、きんぴら」
モロ和食。
……うまそうやなぁ……。
健人の顔と、台所を見比べ、時計を見、自分の腹を手でさする。
「……食う」
ま、ええか。俺がメタボになったかて、母さんたちに笑われるくらいなもんや。愛想を尽かしてくれるオンナノコがいるわけでもなく――いや、もうええねん、そういうこと考えんのはやめや、やめや。
健人が「まいどありー」と軽やかに立ち上がると、手際よく準備を始めた。片手で卵を二つ割り、溶き卵をフライパンに流し入れる。その様子を横目に、俺はコートを脱ぐと、玄関先で軽くブラシをかけた。ジャケットも脱いで同じようにすると、ネクタイを緩める。
手を顔を洗い、ふぅと座卓の前にあぐらをかいたとき、頃合いよく健人が夕飯を並べてくれた。
食欲をそそる香りが、湯気とともに鼻先に漂う。
「……うまそ」
「うまいよ。味見済みだから」
親指を立てて答えると、健人は俺の正面に腰掛けた。
いただきます。手を合わせて夕飯を口に運び始める。
しばらく俺の動きを見ていた健人は、体勢を緩め、軽く立てた膝を揺らし始めた。
タイミングを図ってるような様子に、「なんや?」と問いかける。
健人はわずかに唇をとがらせて「いや……」と答えた。
どこかすねたような顔には、珍しくためらいのような気配がある。
ちゃんと聞いたほうがええ話やろか。
俺は手を止めて向き直った。
「どないしたん」
「……うん」
間違いを指摘された少年のように、健人は膝を引き寄せ、その上にあごを乗せた。
なんかねー、とこれまた子どもじみた言葉で話し始める。
「礼奈の奴……別れたんだって」
どきりと、心臓が鳴った。
健人が来たからには、礼奈絡みやろうか、と期待してたのは事実やけど、いきなりそう来るとは思うてへんかった。
即座に安堵のような喜びを感じる自分の尚早をなだめながら息を吸う。
「……そう、か」
「うん」
健人は股を割るように膝を下ろし、顔を上げた。
「そんで、伝言、ことづかった」
やっぱりどこか幼い調子で、礼奈によく似た猫のような黒目を俺に向ける。
俺は思わず、姿勢を正した。
「三月十四日は、空けとかなくていいって」
健人の言葉を聞いた瞬間、俺の中で何かがガラガラと崩れ落ちた。
一気に乾いた喉に唾を飲み込み、うわずった呼吸を数度繰り返す。
「それって……どういう、ことや?」
慎重に選んだはずの言葉は、えらい間が抜けた問いになった。自分に呆れる余裕もなく、じっと健人の答えを待つ。
健人は「さぁねー」と投げやりな態度で両手を後ろについて、足を伸ばしぶらぶらと左右に揺らした。
「どういう別れ方したのかは聞いてないし、本人もそれ以上話す気はなさそうだったし。俺にもよく分かんない」
「でも……別れたのって、俺との……約束、があったからやないんか?」
「どうかなー。元々、彼も二年で別れるって約束してたらしいし? 案外、礼奈が本気になって、冷めた彼氏にフラれたのかもよ?」
へらへら笑う健人はいつもの調子を取り戻してはる。じりっと苛立ちが胸にこみ上げた。
くっそ。こいつ、ほんま腹立つわ。
「お前、妹が男に傷つけられたかもしれへんのに、興味ないんか?」
「興味ないっていうか、もう大人だしねぇ。礼奈の方こそ、詮索されても嬉しくないでしょ」
「心配してる態度やないやん」
「そうだねぇ。まあ、栄太兄の方が心配してるよね、いつでも」
健人は言って、膝の上に頬杖をついて俺を見上げた。
「――いつも、栄太兄は礼奈の心配してるよね。……でも、もういいよってことじゃない? 礼奈だって成長して、いずれは巣立って行くんだからさ」
巣立って行く。その言葉に、不意に胸にむなしさが広がった。
礼奈が離れて行く。俺から離れて行く。覚悟していたはずやった。それが当然やと思てたはずやった。
けどそれは……礼奈が、幸せを手にするなら、であって。
「せやかて……泣いてはったやん」
絞り出した声も、机の上に握った拳も、小さく震えていた。
「泣いてはったら……泣き止むまで、近くに……誰かが、いてあげへんと……」
「だからさぁ、それが」
いらだったような健人の言葉は、唐突に止まった。俺が見やると、健人はゆっくりと息をつく。
「……とにかく、伝えたから。あとは栄太兄がどうとでもして」
「お、お前。えらい無責任な」
「今まで散々お節介だって嫌がってたくせに」
健人は鼻で笑う。いやまあ、そうやけど。そうなんやけど。
「それで……礼奈、どうしてるん」
「知らないよ。生活リズム違うし。顔合わせること、ほとんどないし」
「そんな……」
「自分で確認しなよ」
言いながら、健人はなぜか、玄関先まで出ている。
「気になるなら、自分で会いにおいでよ。じゃ、俺行くから」
「行くって」
泊まるんやろ、と思てた俺は眉を寄せた。
「どこに行くつもりやねん。もう夜中やし、危ないで」
「あは」
ドアノブに手をかけた健人は、珍しくいたずらっ気のない顔で笑った。
「そっか。栄太兄、俺のことも心配してくれるんだ。ありがと。でももう、俺も大人だし。だいたいのことは、自分で責任取れるよ」
晴れやかに言うと、マフラーを首に巻き直してドアノブを回す。
「――だからさ、もう保護者とかどうでもいいから、ちゃんと考えなよ。自分の気持ち。せいぜい、後悔しないようにさ」
ドアが開いた。ぬくもっていた部屋に、寒気が流れ込む。
「じゃあね。――おやすみ」
健人は怪しく見えるほど優しい笑顔を残して、街灯が灯る夜の中へと滑り出て行った。
閉じたドアを眺めて、追いかけるべきか迷う。
息子の自由さに呆れながらも心配する、政人の顔を思い浮かべた。
ためらっているうち、健人はもう行ってしまったらしい。音が聞こえなくなると、俺は軽く頭を振り、カギをかけ直した。
固い錠の感触が、指先に冷たい。
「……心配して、当然やろ」
きょうだいのいない俺にとって、礼奈は妹みたいなもんで、悠人と健人かて、弟みたいなもんや。大事なことに、変わりはない。
変わりは……
一日の仕事で疲れた頭は、それ以上考えることを拒否するように突然思考をシャットアウトした。
俺は目を閉じてため息をつき、もう一度目を開く。
「……ぐだぐだ鬱陶しい奴ちゃな」
ぽつりと呟いた言葉が、奈良にいる母の説教のようにも聞こえて苦笑が浮かぶ。
――そうやった。俺、そんなに頭のいい方やないねん。
ぐだぐだ考えたって、ろくな答えが出るわけないやんか。
せやったら、行動あるのみ、やろ。
やるだけやって、当たって砕けても――まあ、骨くらい誰かが拾ってくれるやろ。
「な、健人」
もういなくなった従弟に、そう笑った。
【今日夕飯作りに行くよー】と、それだけ見ればカノジョかお前、っちゅうメッセージに気づいたのは、二時間の残業の後。
やべ、待ちぼうけさせてもうた。さすがに罪悪感を抱いて帰ってみれば、健人はゴロゴロしながら本を読んではった。
そういや、前に合鍵渡してたっけ。健人が渡航する前の記憶を辿りながらかいだ夕飯の匂いに、腹がぐぅと鳴る。
今日も今日とて、昼飯も食いはぐれてエネルギー飲料だけで間に合わせた腹や。そりゃご不満もあるやろな。
「おっかえりぃ。飯、食う?」
身体を起こした健人に問われて、思わず時計を見た。
二本の針は、ぼちぼちてっぺんでなかよく重なろうとしてる。
これで食ったら……太るやろか。
思うたけど、空腹には勝てん。飯をよこせと騒ぎ立てる腹を押さえて台所を見やった。
「……メニューは?」
「親子丼、味噌汁、きんぴら」
モロ和食。
……うまそうやなぁ……。
健人の顔と、台所を見比べ、時計を見、自分の腹を手でさする。
「……食う」
ま、ええか。俺がメタボになったかて、母さんたちに笑われるくらいなもんや。愛想を尽かしてくれるオンナノコがいるわけでもなく――いや、もうええねん、そういうこと考えんのはやめや、やめや。
健人が「まいどありー」と軽やかに立ち上がると、手際よく準備を始めた。片手で卵を二つ割り、溶き卵をフライパンに流し入れる。その様子を横目に、俺はコートを脱ぐと、玄関先で軽くブラシをかけた。ジャケットも脱いで同じようにすると、ネクタイを緩める。
手を顔を洗い、ふぅと座卓の前にあぐらをかいたとき、頃合いよく健人が夕飯を並べてくれた。
食欲をそそる香りが、湯気とともに鼻先に漂う。
「……うまそ」
「うまいよ。味見済みだから」
親指を立てて答えると、健人は俺の正面に腰掛けた。
いただきます。手を合わせて夕飯を口に運び始める。
しばらく俺の動きを見ていた健人は、体勢を緩め、軽く立てた膝を揺らし始めた。
タイミングを図ってるような様子に、「なんや?」と問いかける。
健人はわずかに唇をとがらせて「いや……」と答えた。
どこかすねたような顔には、珍しくためらいのような気配がある。
ちゃんと聞いたほうがええ話やろか。
俺は手を止めて向き直った。
「どないしたん」
「……うん」
間違いを指摘された少年のように、健人は膝を引き寄せ、その上にあごを乗せた。
なんかねー、とこれまた子どもじみた言葉で話し始める。
「礼奈の奴……別れたんだって」
どきりと、心臓が鳴った。
健人が来たからには、礼奈絡みやろうか、と期待してたのは事実やけど、いきなりそう来るとは思うてへんかった。
即座に安堵のような喜びを感じる自分の尚早をなだめながら息を吸う。
「……そう、か」
「うん」
健人は股を割るように膝を下ろし、顔を上げた。
「そんで、伝言、ことづかった」
やっぱりどこか幼い調子で、礼奈によく似た猫のような黒目を俺に向ける。
俺は思わず、姿勢を正した。
「三月十四日は、空けとかなくていいって」
健人の言葉を聞いた瞬間、俺の中で何かがガラガラと崩れ落ちた。
一気に乾いた喉に唾を飲み込み、うわずった呼吸を数度繰り返す。
「それって……どういう、ことや?」
慎重に選んだはずの言葉は、えらい間が抜けた問いになった。自分に呆れる余裕もなく、じっと健人の答えを待つ。
健人は「さぁねー」と投げやりな態度で両手を後ろについて、足を伸ばしぶらぶらと左右に揺らした。
「どういう別れ方したのかは聞いてないし、本人もそれ以上話す気はなさそうだったし。俺にもよく分かんない」
「でも……別れたのって、俺との……約束、があったからやないんか?」
「どうかなー。元々、彼も二年で別れるって約束してたらしいし? 案外、礼奈が本気になって、冷めた彼氏にフラれたのかもよ?」
へらへら笑う健人はいつもの調子を取り戻してはる。じりっと苛立ちが胸にこみ上げた。
くっそ。こいつ、ほんま腹立つわ。
「お前、妹が男に傷つけられたかもしれへんのに、興味ないんか?」
「興味ないっていうか、もう大人だしねぇ。礼奈の方こそ、詮索されても嬉しくないでしょ」
「心配してる態度やないやん」
「そうだねぇ。まあ、栄太兄の方が心配してるよね、いつでも」
健人は言って、膝の上に頬杖をついて俺を見上げた。
「――いつも、栄太兄は礼奈の心配してるよね。……でも、もういいよってことじゃない? 礼奈だって成長して、いずれは巣立って行くんだからさ」
巣立って行く。その言葉に、不意に胸にむなしさが広がった。
礼奈が離れて行く。俺から離れて行く。覚悟していたはずやった。それが当然やと思てたはずやった。
けどそれは……礼奈が、幸せを手にするなら、であって。
「せやかて……泣いてはったやん」
絞り出した声も、机の上に握った拳も、小さく震えていた。
「泣いてはったら……泣き止むまで、近くに……誰かが、いてあげへんと……」
「だからさぁ、それが」
いらだったような健人の言葉は、唐突に止まった。俺が見やると、健人はゆっくりと息をつく。
「……とにかく、伝えたから。あとは栄太兄がどうとでもして」
「お、お前。えらい無責任な」
「今まで散々お節介だって嫌がってたくせに」
健人は鼻で笑う。いやまあ、そうやけど。そうなんやけど。
「それで……礼奈、どうしてるん」
「知らないよ。生活リズム違うし。顔合わせること、ほとんどないし」
「そんな……」
「自分で確認しなよ」
言いながら、健人はなぜか、玄関先まで出ている。
「気になるなら、自分で会いにおいでよ。じゃ、俺行くから」
「行くって」
泊まるんやろ、と思てた俺は眉を寄せた。
「どこに行くつもりやねん。もう夜中やし、危ないで」
「あは」
ドアノブに手をかけた健人は、珍しくいたずらっ気のない顔で笑った。
「そっか。栄太兄、俺のことも心配してくれるんだ。ありがと。でももう、俺も大人だし。だいたいのことは、自分で責任取れるよ」
晴れやかに言うと、マフラーを首に巻き直してドアノブを回す。
「――だからさ、もう保護者とかどうでもいいから、ちゃんと考えなよ。自分の気持ち。せいぜい、後悔しないようにさ」
ドアが開いた。ぬくもっていた部屋に、寒気が流れ込む。
「じゃあね。――おやすみ」
健人は怪しく見えるほど優しい笑顔を残して、街灯が灯る夜の中へと滑り出て行った。
閉じたドアを眺めて、追いかけるべきか迷う。
息子の自由さに呆れながらも心配する、政人の顔を思い浮かべた。
ためらっているうち、健人はもう行ってしまったらしい。音が聞こえなくなると、俺は軽く頭を振り、カギをかけ直した。
固い錠の感触が、指先に冷たい。
「……心配して、当然やろ」
きょうだいのいない俺にとって、礼奈は妹みたいなもんで、悠人と健人かて、弟みたいなもんや。大事なことに、変わりはない。
変わりは……
一日の仕事で疲れた頭は、それ以上考えることを拒否するように突然思考をシャットアウトした。
俺は目を閉じてため息をつき、もう一度目を開く。
「……ぐだぐだ鬱陶しい奴ちゃな」
ぽつりと呟いた言葉が、奈良にいる母の説教のようにも聞こえて苦笑が浮かぶ。
――そうやった。俺、そんなに頭のいい方やないねん。
ぐだぐだ考えたって、ろくな答えが出るわけないやんか。
せやったら、行動あるのみ、やろ。
やるだけやって、当たって砕けても――まあ、骨くらい誰かが拾ってくれるやろ。
「な、健人」
もういなくなった従弟に、そう笑った。
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