【R18 】初夏の海辺の別荘で【アルファポリス版】

まみはらまさゆき

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(8)さよならでないとわかっていても

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その夜は遅くまで、4人で起きてゲームをしていた。
ゲームと言っても、ビデオゲームではない。

リビングダイニングのクローゼットにあった、古いモノポリー。
謙太たちの父親が、子供の頃に買ってもらったものだという。

しかし最近でも謙太や紗絵やその従兄弟たちがここに集まった時は、これで盛り上がるらしい。
そして今回もスナック菓子と炭酸水をお供に、素朴なりにじゅうぶん楽しめて盛り上がった。

それに飽きると、UNO。
これもカードの1枚1枚はだいぶ古びていたが、ゲームの進行そのものには関係なかった。

謙太はこんなのもあるぞとドラえもんのドンジャラも持ち出したが、さすがに12時を回ろうとする頃でもうお終いにしようとなった。
翌日の昼過ぎには、紗絵を除いた3人は飛行機で羽田まで飛ばなければならない。

「これから先、この4人でここに集まる機会はいくらでもあるでしょ」

紗絵は、言った。
そうであってほしい・・・いや、確かにその通りであってほしい、と聡は心に祈る。

・・・

寝室に入ると、最初からふたりはひとつのベッドに横になった。
腕枕し、キスも簡単に届くくらい顔を近づけ、からだも互いに触れ合うくらいの距離で。

「・・・したい?」

紗絵はニヤニヤ笑いながら、悪戯っぽく訊いてきた。
旅の疲れに加えて朝からもう4回も射精している聡は、無言で首を振る。

しかし夜寝る前に、しなければならない大事なことが残っていた。
聡は起き上がり、電気を常夜灯に切り替え、紗絵の脚を少し開かせたその間に腰を下ろした。

「・・・なに?」
「さっきお風呂場で、僕たち男ばっかりイッてしまって、紗絵さんはイッてない。だから・・・」
「だから?」

訊き返しながら、紗絵は彼の意図を察していた。
彼女自身の意志でさらに脚は開かれ、聡は腿の間まで膝を進める。

からだを倒し、紗絵の股間に近寄る。
彼女はお腹をゆっくり上下させて深い呼吸をしながら、目は真上のどこかへ向けていた。

ジャージ越しに内ももをそっと撫で、それを何回も繰り返し、そして股間も撫でる。
紗絵は時おりピクンと体を震わせたり、深呼吸するようにふうっと息を吐いたり、「うう・・・」とやるせなさそうに呻いたりした。

いったん彼は紗絵のからだに覆いかぶさり、深いキスをして胸を揉み、またもとに戻る。
そして彼女の、ジャージのウエストに手をかけた。

「いい?」
「ダメ・・・なわけないでしょ。ふふふ・・・」

ゆっくりジャージを下ろし2本の脚から取り去ると、紗絵の下半身はショーツ1枚の姿になった。
そして彼女は膝を立てて腿を開き、彼がすることを何でも受け入れる態勢になった。

指先を、ショーツの股布の膨らみに当てる。
(ここだろうか)と思うあたりをなぞったり、少し力を入れて指を押し込んだりした。

「あっ・・・ふぅ・・・」

紗絵は時おり小刻みに体を震わせながら、短い吐息を声とともに漏らす。
指で探るとそこは弾力を持ちながらも柔らかく、そして指を当てるうちに布の内側から濡れてきた。

あまり下着を濡らしちゃいけないかな・・・聡は今度はショーツのウエストに手をかける。
彼女は黙って腰を上げるから、聡も何も言わずにゆっくりとずり下ろす。

常夜灯の光の下でよく分からないが、くろぐろとした恥毛の下には紗絵という小宇宙の入口があるはずだ。
そっとそこに指をつけると、熱い粘液がまとわり付いた。

「うう・・・うう~・・・」

粘液を絡めた指を上へと滑らせると、紗絵は腰を揺らして呻く。
指を彼女の中にゆっくり挿し入れ、そっと引く・・・それを繰り返してみた。

「ああ・・・いい・・・いいよ、サトルくん・・・」

指にねっとりと絡みつくのは粘液か、彼女の内部そのものか。
試しに指を曲げて彼女の中をくじるように刺激してみた。

「あっ! ああっ!」

紗絵は下腹をヒクヒクと動かし、脚の片方を中空に泳がせながら声を上げた。
調子に乗って、グルグルと内部をかき混ぜてみる。

「お願い、やめて・・・声が出ちゃう・・・」

紗絵は隣に聞こえないよう、両手で口を押さえている。
しかし聡は指を彼女に挿れたまま枕元に移動し、耳もとでそっと教えた。

「大丈夫だよ・・・姉さんたちもやってるから!」
「・・・?」

聡は指の動きを止めた。
聞こえてくるのは、紗絵の深い呼吸と、外からの潮騒と、そしてそれらをかき消すような、隣室からの泉の押し殺した喘ぎ声とベッドの軋む音。

「姉さんたちが夢中になっている間に、僕たちもやっちゃおう」
「・・・うん」

いったん途切れてしまった興奮と緊張を取り戻すべく、聡は上から紗絵の腰に覆いかぶさるような態勢で彼女の敏感な突起を指先で捉えた。
突起の少し後ろの首根っこに指を当てて小刻みにグリグリグリ・・・。

「ああっ、あっ、あっ!」

紗絵は両脚をばたつかせた。
これはいいぞ、もっと、もっとと聡は同時に指も挿れて出し入れしたりかき混ぜたりする。

「ああ~ん、あん、あん、ああん・・・」

聡の腰は紗絵の顔のすぐ横にあって、彼女は四つん這いになった彼のジャージ越しに巨大化したモノを手のひらでゴシゴシと摩る。
(やっぱり紗絵さんとひとつになりたい!)そんな衝動が、胸の奥底からふつふつと湧いてきた。

それをこらえながら、彼は紗絵の入り口に口を寄せた。
音をたててキスして、舌いっぱいで舐めた。

「ああ~、サトルくん・・・気持ちいいよ~」

もう泣いているみたいに声を震わせ、からだまでガクガクと振るわせて悶える紗絵。
いよいよ絶頂が近いと感じた彼は、敏感な突起を軽くくちびるに挟んで舌先を軽く押し当てそれを震わせた。

「ああっ、いい、いい、イク、イク、イッちゃうよぉ~!」

ついに紗絵は背中を弓なりに反らせ、腰を上下にうねらせ、両脚を中空に泳がせながら、激しくイッた。
聡は口を離して紗絵に寄り添いながら腕枕の態勢になり、強弱をつけながら震えの収まっていく彼女のからだをそっと抱いた。

「・・・ありがとう、サトルくん」

紗絵はうっすら涙目になりながら、荒い息の合間に聡に言った。
聡は頬を寄せて、より強く彼女のからだを抱いた。

聡は目を閉じると、そのまま眠りに落ちてしまいそうなほど疲れきっていた。
おそらくは紗絵も同じのようで、目を閉じたまま下半身をむき出しにして眠ったように聡に抱かれていた。

しかし聡がまだ潤潤に濡れたままの股間に指を這わすと、紗絵はピクンと目を開いた。
「意地悪・・・」微笑みながら聡に軽くデコピンして額どうしを合わせる紗絵に、彼は言った。

「明日には、帰らなきゃいけないんだな・・・淋しい!」
「私も・・・必ず夏にはまた来てね、お願い」
「紗絵さんが東京に遊びに来てもいい」
「それは多分ダメ・・・受験生だから。でも、大学は関東周辺を狙ってるんだ」
「そしたら・・・」
「いつでも会える」

ふたりは改めてキスをして、抱き合う。
隣からは、謙太と泉のセックスする物音がまだ聞こえてきた。

「本当に、したくないの?」

改めて、紗絵は迫るように訊いてきた。
聡は返事の代わりに自分の着ているものをすべて脱ぎ、紗絵の上半身も脱がせてふたりとも全裸となった。

・・・

セックスのあと、ふたり裸で寄り添いながら寝続けたようだ。
翌朝、尿意を覚えて聡は目を覚まし、とりあえずトランクスだけ履いてトイレに行く。

寝室に戻ると、紗絵が入れ替わりにトイレに行った。
彼女もショーツだけは履いていた。

泉たちの寝室は、静かだった。
潮騒だけが聞こえてきて、そこに紗絵がトイレを流す音が微かに被さった。

「サトルくん・・・」

トイレから戻った紗絵は、しかしショーツをまた脱いだ。
裸でベッドに上がり、聡のトランクスを脱がしにかかった。

「サトルくん・・・もう一回だけ、したい。だって、今日は帰ってしまうんでしょう?」

紗絵は、彼に仰向けになるよう言った。
風船に空気をいれるようにだんだんとモノを膨張させながら、聡は横になる。

紗絵は彼の顔に跨り、からだを落とした。
上体は前屈みになり、聡のものを口に含む。

彼の目の前には、紗絵の入り口が迫っていた。
彼はそこに口をつけ、自分の唾液をいっぱいに絡めた舌で縦に舐め上げた。

「ああ~・・・」

紗絵も感じながら、聡のものを口と手で愛撫する。
やっぱり細かな技巧を組み合わせた、紗絵なりのテク。

「ああん・・・ああ・・・あん、あん・・・」

ふたりそうして、どれくらい絡み合っていただろう。
紗絵が、もう降参と言わんばかりに起き上がった。

「そろそろ、ひとつになろ」

紗絵は仰向けになって膝を立て、その横で聡は残った1個のコンドームを装着。
そして、彼は彼女の脚の間に割って入り、そのまま前進しながら覆い被さる。

彼のものが紗絵の入り口に近づくと、彼女は手でそっと掴んで引き寄せ誘導する。
だから聡は、熱くてトロトロに柔らかく濡れた彼女の中へスムーズに入っていけた。

紗絵のからだの足りないところを聡のからだの余ったところで差し塞ぎ、向かい合って肌を重ねる。
これは紗絵との行為を通して知ったが、接触面だけの快感だけでなく、心の充足感もセックスというものは生じさせるのだなと改めて感じる。

からだとからだ、心と心でつながり合い、触れ合いながら、ふたりは波のように動き、波のような快感を味わった。
そうしてふたり同時に迎えた絶頂。

いくら若い盛りと言っても聡のからだの中での補充が完全には間に合わなかったようで、中途半端な射精感だった。
それでも心からの快感は、全てを帳消しにしてなおあまり余った。

ますます彼は紗絵のことが好きになり、より深く愛せると実感し、大切な存在に思えてきた。
額に汗を浮かべ深く息を吐きながら、紗絵も彼を慈しむように抱き寄せた。

・・・

旅の疲れにセックス疲れ、それに謙太の実家での気疲れもあったのだろう。
謙太と泉はなかなか起きてこなかった。

朝食の材料は買ってあったから、紗絵と聡でバゲットを焼いてチーズオムレツを作り、ともにインスタントだけどコーヒーとスープのための湯を沸かす。
準備が整う頃、ボサボサ頭の謙太とスッピンの泉が上がってきた。

4人ともなんだか疲れが溜まってしまっているせいか、言葉少なに気怠い朝食となった。
それでも泉は「このオムレツ、美味しい」と、オムレツの主担当だった紗絵を誉めた。

朝食が終わると、3日間の後片付け。
紗絵はホウキ、謙太は掃除機を持ち、泉は寝具の片付け・・・これは後日、健太の母親か祖母が取りに来るらしい・・・そして聡はトイレと浴室の掃除。

「なんだか、小学校の頃の宿泊研修の朝みたい」

30分あまりで掃除が終わると、紗絵がそんな感想を述べた。
なかなかに乱れた宿泊研修だったなと、聡は心の内で思った。

天候は急速に悪化していた。
大事を取って予定より少し早めに別荘を出るのが、聡にとっては名残惜しい。

空港に向かう高速の途中で雷雨となったが、無事にクルマも返して送迎ワゴンで空港へ。
一昨日と同じように紗絵と並んで座ったが、あの時はまさかあんな3日間になるとは思わなかったのが不思議な感じもする。

ゴールデンウィークの最中で混雑するターミナルビルで飛行機のチェックインをしてから、レストランで時間潰しも兼ねた昼食。
こうしている間にも紗絵と一緒にいる時間がどんどん残り少なくなっていくのを感じ、聡は胸が締め付けられるようで落ち着かない。

「紗絵さん、ちょっとこの建物の中を散歩しない?」

サトルは声をかけて立ち上がり、紗絵も「うん」と頷いて席を立つ。
泉は一応念のためといったふうに、声をかけた。

「時間までに保安検査場まで来なさいね。私たちはラウンジに行っとくから」

本当は・・・紗絵と別れるのがイヤだから、そのままこの地に留まりたかった。
もとよりできもしないことだったが。

ふたりは、屋内の展望デッキのソファに並んで腰を下ろす。
ボソボソととりとめのない話をするうちに関空行きの便が出る時刻となり、ガラス戸の外には傘をさして見送る人たちが少なからず並んだ。

「私も、あそこから見送ってあげる」

紗絵は聡の手を柔らかく握りながら、言った。
聡も、握り返しながら答える。

「ありがとう・・・でも、きっと戻ってくるから、『さよなら』じゃなくて『行ってらっしゃい』の気持ちで送ってほしいな」
「もちろん!」

ふたりは、キスをした。
人目があるから、そっと、軽く。

「私ぜったいサトルくんを待っているから、浮気なんかしないでね」

聡は笑いかけた。
紗絵と出会うまで彼女なんかいなかった彼に、そんな浮気相手なんかできるもんか、と。

しかしあまりにも紗絵が真剣な眼差しで言うものだから、聡も口もとを引き締めた。
そして、人目も憚らず彼女を抱きしめて言った。

「浮気なんか、するもんか。僕には紗絵さんがたったひとりの存在だから」
「私も・・・」

そしてまた話し込むうちに、チャイムとともに放送が流れた。
羽田行きの搭乗案内だった。

ふたりは手を握り合ったまま立ち上がり、そこを離れた。

・・・

言った通りに、紗絵は外の送迎デッキで見送ってくれた。
遠くても、他の見送り客に紛れていても、聡には紗絵が分かった。

滑走路に入った飛行機は機首を上げ、飛び立った。
すぐに雲の中に入り、機体は聡が初めて経験するくらいガタガタ大きく揺れた。

だいぶ長いこと乱流の中を上昇し、そして明るい雲の上に出た。
雲を抜けると、不思議なくらい機体は安定して飛んだ。

窓の外を見ると明るい太陽に照らされた、雲の波が広がっていた。
紗絵とはまた会える、長い目で見るとむしろ離れられないだろうことは分かっていたが、それでも聡はその美しい光景を切なく眺めた。

(完)
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