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(3−1)想定外の課外レッスン(前編)
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ゴールデンウィーク後半のよく晴れた日、予定通り新人合宿代わりのサイクリングが行われた。
あの夜のわだかまりは翌々日には消えていて・・・実際のところは友之と香織ふたりともそれを表立っては隠していたのだが、順調に仕上げのトレーニングは進んだ。
朝の8時に大学を出て、郊外の町を回って戻るという、80キロあまり・6時間のコース。
予報では6月並みの暑さになると報じていたが、出発時点ではまだ涼しく、ペダルを漕ぐ足に力を込めてどんどん進んでいった。
ふたりのうち前を走るのが友之で、後ろを走るのが香織。
これはサイクリングや登山では、リーダーのようにグループの中で最も知識と経験が豊富な者が殿を務めるという習慣によるものらしい。
友之は長袖のポロシャツにジャージという格好だが、香織はサイクルジャージの上下でなおかつ化繊の長袖のインナーという本格的な出で立ち。
そろそろ紫外線が強くなる頃で、上下とも肌の露出はほとんど無いようにしている。
しかしサイクルジャージ自体が体にピタリと沿うようになっていて、友之は彼女のボディーラインを目にしてドキドキした。
だから、彼女より前を走るというのはいささか残念だったが。
いやそれよりも、あの夜に明らかに香織が誘ってきたのを断ったことを悔いる気持ちが強かったかもしれない。
けれどももう済んでしまったこと・・・いろいろな思いを断ち切るように、彼はペダルを踏んだ。
走るうちに郊外の交通量も信号も少ない県道に出て、さらにスピードは上がった。
自転車の速度に比例して流れていく初夏の風が、たまらなく気持ちいい。
風を切って、どんどん漕いでいく。
30分おきの小休止の度ごとに、香織は「ペース早すぎない? 大丈夫?」と友之に確認したが、彼は「大丈夫です」とその都度答えた。
実際、まだまだスピードを上げても余裕で行けそうな気がしたし、なにより香織の前でいいカッコをしたかった。
そんな調子で、大学から40キロほど走ったY市の運動公園には予定より30分早い10時には着いた。
予定通りであればそこで行動食の昼食となるところだったが、それはリーダーである香織の判断でさらに15キロほど走った道の駅に変更となった。
その代わり6粒ほどの氷砂糖をかじって、道の駅へと出発。
11時前に行楽客で賑わう道の駅に到着し、その隅っこのベンチでカロリーメイトと魚肉ソーセージの昼食。
元から併設のレストランの他にキッチンカーも出ていていい匂いがしていたが、あくまで「新人研修」という位置づけのサイクリングだったから、横目で見るだけとなった。
昼食込みで1時間の大休止を取ってから、正午前に出発。
太陽はほぼ真上から照りつけてきたが、風に乗るように走るとむしろ気持ちいいくらいだった。
田植え真っ最中の平地をぐんぐん飛ばし、まさに「疾風」となって走っていく。
テンションは上昇しっぱなしで、定時の小休止すら忘れそうになりそうだった。
そのペースが落ちたのが、丘陵に差しかかり勾配はそれほどないけれど長い坂を上る時だった。
この丘陵を上りきれば、あとは大学まで15キロほど緩やかな下り基調の楽なコースになるはずだった。
しかし・・・時刻は13時前、一日でいちばん気温の高い時間帯に入ろうとするころ、ルートの頂上まで上りきったところで友之はバテてしまった。
それだけでなく、両脚・・・特に太ももとふくらはぎが攣ってしまいそうな気配がある。
県道端の斜面際で、友之は自転車を降りた。
すかさず香織がスポーツドリンクのボトルを手に、彼に駆け寄る。
「大丈夫?」
「・・・大丈夫じゃないかもしれません」
「飛ばしすぎたね。私も抑えとくべきだった。ごめん」
「いや、先輩が謝るところじゃないですよ・・・」
その会話の間にも友之は路肩に仰向けにされ、香織が彼の脚を持ち上げてブルブル揺らしたりストレッチをしたりして乳酸の溜まった筋肉をほぐす。
数分もしないうちに、スポーツドリンクの水分とミネラルが全身に行き渡った効果もあってか、だいぶ楽に、そして気持ちよくなってきた。
しかし彼が寝かされている路肩は交通量がそこそこある県道の歩道が途切れたあたりで、安全な距離は保っているとは言え彼の顔のそばを乗用車やトラックのタイヤが通過していくように見える。
それは香織も気にしているようで、「場所を移動できる?」などと聞いてくる。
処置が早かったのでもう大丈夫なはずだったが、しかし彼は言ってしまった。
仰向けになった彼が視線を頭の上に転じると、ロードサイド型ラブホの看板が目に入ったのだ。
先日、柳田さんと太田さんから聞いた「ラブホに緊急避難」の伝説も、意識のどこかにあった。
そしてなによりあの夜に、酔っていたとは言え香織に誘われたという彼にとっては重要な事実もあった。
「・・・そこの、ラブホだったら、避難できるんじゃないですか?」
一瞬、香織は表情も体の動きも止めた。
友之は(しまった! 言うべきではなかったか?)と後悔しかかったが、しかし数瞬の後に彼女は答えた。
「その方が安全だよね。・・・行こう。・・・行ける? 大丈夫?」
「はい、そこまでだったらなんとか大丈夫です!」
彼は答えて立ち上がり、斜面に倒してあった自転車を起こした。
ふたりは自転車を押して、ラブホの門をくぐった。
・・・
友之は、ベッドの端に腰掛けて悩んでいた。
彼はシャワーを浴びて、備え付けのタオル地のガウンを着ていた。
程よく効いた空調が、朝から太陽の下を走りきった後にシャワーを浴びた体と心に気持ちよい。
薄暗い照明、微かに聞こえるBGM、そして香織がシャワーを浴びる水音。
魔が差したとしか言えないくらいサクッと平然と、しかも彼の体の故障を口実にして香織をラブホに誘ってしまった。
これはまたとないチャンスだと思えたが、一方で罪悪感や後ろめたさといったものが心をチクチクと突付いていた。
友之が逡巡している間にも、香織はバスルームから出てガウンを身にまとう気配がした。
彼は自分自身を落ち着かせるために、大きく深呼吸をした。
これは彼女に誘われた「あの夜」の続きだと、自分に言い聞かせた。
しかしそれならそれで「初めての経験」が待っているわけで、彼は期待よりも不安の方が大きく膨れ上がってくるのを持て余していた。
「脚はどう? 熱いシャワーを浴びて、だいぶほぐれた?」
香織は彼のそばに腰を下ろして、訊いてきた。
同じく備え付けのガウンを羽織っている彼女に、声の震えるのを必死に抑えながら答えた。
「はい! もう完全に大丈夫です!」
「どうも信用できないんだよねぇ。我慢してるんじゃない? ・・・まぁ、いいか。マッサージしてあげるから、そこにうつ伏せになって」
言われるまま、分厚くて柔らかい枕に顔を埋めるようにうつ伏せになる。
そんな友之の腰に香織が後ろ向きに跨って座ると、彼女の体重とともに内腿より内側の体温が熱を持って彼の腰に伝わってきた。
ふと頭を上げて横を見ると、そちらの壁は一面の鏡張りになっているのだが、彼に跨る香織はガウンの裾をはだけているのが分かる。
その筋肉質でありながらスラリと長い脚に、彼は見てはいけないものを見たような気がして思わず顔を枕の方に向け直した。
早速、香織は彼の太ももを裏側からマッサージしたり、足首を引っ張り上げて太ももの表側を伸ばしてのストレッチをしたりを始めた。
痛さと、心地よさと・・・友之は満ち足りた呻き声を漏らす。
ゆっくり時間をかけて太ももをほぐしてから香織は友之の腰から降り、彼の足元に回って今度はふくらはぎのマッサージを始めた。
これも気持ちよく、陶然とした友之は先ほどまでの悩みなど忘れてしまっていた。
・・・それを思い出させたのは、香織だった。
彼女は彼に仰向けになるよう、指示した。
少し股間が膨らんでいるのが気になったが、(この程度なら分からないだろう)と言われるまま仰向けになった。
すると彼女は、いきなり彼のガウンの裾をまくって言った。
「なぁに・・・まだこんなもの、履いていたの?」
いきなりのことで混乱した友之は、それがトランクスのことだとすぐには分からなかった。
彼女は構わず、両手を掛けてそれを下ろしてしまった。
「あっ、先輩! いけません!」
「何が? 何がいけないって言ってるの? あなた、こないだのことがあってから、私をここに誘ったよね? そして脚はもう大丈夫なんだよね? で?」
なにか言わなければならないと彼は思ったが、何を言うべきかが思い浮かばない。
そうしている間にも股間のモノは彼の正直な気持ちを表すようにどんどん膨張する。
まるでキノコの成長を早送りにしたように、ムクムクとそれは巨大化していく。
そして堅く屹立したそれを、香織はそれを口に咥えてしまった。
「うっ・・・!」
キスもまだなのに・・・彼にそんな思いは残っていた。
しかしモノを舐られしゃぶられて、あまりの気持ちよさについつい香織にすべてを委ねてしまう。
しかしうっとりできる時間は、短かった。
下腹部に、異常なまでに熱いエネルギーが集中するのを感じた。
「先輩、すみません、もうすぐ出ます!」
そこで彼女は口を離してくれるかと思ったが、逆だった。
口全体で強く吸いながら、激しく頭を上下し始めたのだ。
「ああっ、先輩、出てしまいます!」
香織は上目遣いに笑みさえ浮かべながら、頭の動きを止めない。
しかし口中に出してしまっては申し訳ない・・・必死に我慢する彼の努力も虚しく、身体全体を貫く快感とともに発射してしまった。
彼女は頭の動きを止めて、射出されるものを受け止める。
そしてそれが止まって初めて、口を離して起き上がった。
「すみません・・・先輩」
「気にしないで。それにしても、いっぱい出したね」
ティッシュに吐き出しながら、香織は感心したように言う。
彼女はティッシュをゴミ箱に捨てると、洗面台に向かった。
どうやら、口を念入りに洗いでいるらしい。
友之も、香織の唾液や自分の精液でドロドロになったモノをティッシュできれいにした。
そうしながら・・・だらしなく萎縮したモノを眺めながら、これがさっきまで香織の口の中にあったんだよなと思ってみたりする。
もう一発出してしまったんだから、次は・・・彼女の「アソコ」の中で2発目を出すということはないんだろうなと、残念に思いながら。
あの夜のわだかまりは翌々日には消えていて・・・実際のところは友之と香織ふたりともそれを表立っては隠していたのだが、順調に仕上げのトレーニングは進んだ。
朝の8時に大学を出て、郊外の町を回って戻るという、80キロあまり・6時間のコース。
予報では6月並みの暑さになると報じていたが、出発時点ではまだ涼しく、ペダルを漕ぐ足に力を込めてどんどん進んでいった。
ふたりのうち前を走るのが友之で、後ろを走るのが香織。
これはサイクリングや登山では、リーダーのようにグループの中で最も知識と経験が豊富な者が殿を務めるという習慣によるものらしい。
友之は長袖のポロシャツにジャージという格好だが、香織はサイクルジャージの上下でなおかつ化繊の長袖のインナーという本格的な出で立ち。
そろそろ紫外線が強くなる頃で、上下とも肌の露出はほとんど無いようにしている。
しかしサイクルジャージ自体が体にピタリと沿うようになっていて、友之は彼女のボディーラインを目にしてドキドキした。
だから、彼女より前を走るというのはいささか残念だったが。
いやそれよりも、あの夜に明らかに香織が誘ってきたのを断ったことを悔いる気持ちが強かったかもしれない。
けれどももう済んでしまったこと・・・いろいろな思いを断ち切るように、彼はペダルを踏んだ。
走るうちに郊外の交通量も信号も少ない県道に出て、さらにスピードは上がった。
自転車の速度に比例して流れていく初夏の風が、たまらなく気持ちいい。
風を切って、どんどん漕いでいく。
30分おきの小休止の度ごとに、香織は「ペース早すぎない? 大丈夫?」と友之に確認したが、彼は「大丈夫です」とその都度答えた。
実際、まだまだスピードを上げても余裕で行けそうな気がしたし、なにより香織の前でいいカッコをしたかった。
そんな調子で、大学から40キロほど走ったY市の運動公園には予定より30分早い10時には着いた。
予定通りであればそこで行動食の昼食となるところだったが、それはリーダーである香織の判断でさらに15キロほど走った道の駅に変更となった。
その代わり6粒ほどの氷砂糖をかじって、道の駅へと出発。
11時前に行楽客で賑わう道の駅に到着し、その隅っこのベンチでカロリーメイトと魚肉ソーセージの昼食。
元から併設のレストランの他にキッチンカーも出ていていい匂いがしていたが、あくまで「新人研修」という位置づけのサイクリングだったから、横目で見るだけとなった。
昼食込みで1時間の大休止を取ってから、正午前に出発。
太陽はほぼ真上から照りつけてきたが、風に乗るように走るとむしろ気持ちいいくらいだった。
田植え真っ最中の平地をぐんぐん飛ばし、まさに「疾風」となって走っていく。
テンションは上昇しっぱなしで、定時の小休止すら忘れそうになりそうだった。
そのペースが落ちたのが、丘陵に差しかかり勾配はそれほどないけれど長い坂を上る時だった。
この丘陵を上りきれば、あとは大学まで15キロほど緩やかな下り基調の楽なコースになるはずだった。
しかし・・・時刻は13時前、一日でいちばん気温の高い時間帯に入ろうとするころ、ルートの頂上まで上りきったところで友之はバテてしまった。
それだけでなく、両脚・・・特に太ももとふくらはぎが攣ってしまいそうな気配がある。
県道端の斜面際で、友之は自転車を降りた。
すかさず香織がスポーツドリンクのボトルを手に、彼に駆け寄る。
「大丈夫?」
「・・・大丈夫じゃないかもしれません」
「飛ばしすぎたね。私も抑えとくべきだった。ごめん」
「いや、先輩が謝るところじゃないですよ・・・」
その会話の間にも友之は路肩に仰向けにされ、香織が彼の脚を持ち上げてブルブル揺らしたりストレッチをしたりして乳酸の溜まった筋肉をほぐす。
数分もしないうちに、スポーツドリンクの水分とミネラルが全身に行き渡った効果もあってか、だいぶ楽に、そして気持ちよくなってきた。
しかし彼が寝かされている路肩は交通量がそこそこある県道の歩道が途切れたあたりで、安全な距離は保っているとは言え彼の顔のそばを乗用車やトラックのタイヤが通過していくように見える。
それは香織も気にしているようで、「場所を移動できる?」などと聞いてくる。
処置が早かったのでもう大丈夫なはずだったが、しかし彼は言ってしまった。
仰向けになった彼が視線を頭の上に転じると、ロードサイド型ラブホの看板が目に入ったのだ。
先日、柳田さんと太田さんから聞いた「ラブホに緊急避難」の伝説も、意識のどこかにあった。
そしてなによりあの夜に、酔っていたとは言え香織に誘われたという彼にとっては重要な事実もあった。
「・・・そこの、ラブホだったら、避難できるんじゃないですか?」
一瞬、香織は表情も体の動きも止めた。
友之は(しまった! 言うべきではなかったか?)と後悔しかかったが、しかし数瞬の後に彼女は答えた。
「その方が安全だよね。・・・行こう。・・・行ける? 大丈夫?」
「はい、そこまでだったらなんとか大丈夫です!」
彼は答えて立ち上がり、斜面に倒してあった自転車を起こした。
ふたりは自転車を押して、ラブホの門をくぐった。
・・・
友之は、ベッドの端に腰掛けて悩んでいた。
彼はシャワーを浴びて、備え付けのタオル地のガウンを着ていた。
程よく効いた空調が、朝から太陽の下を走りきった後にシャワーを浴びた体と心に気持ちよい。
薄暗い照明、微かに聞こえるBGM、そして香織がシャワーを浴びる水音。
魔が差したとしか言えないくらいサクッと平然と、しかも彼の体の故障を口実にして香織をラブホに誘ってしまった。
これはまたとないチャンスだと思えたが、一方で罪悪感や後ろめたさといったものが心をチクチクと突付いていた。
友之が逡巡している間にも、香織はバスルームから出てガウンを身にまとう気配がした。
彼は自分自身を落ち着かせるために、大きく深呼吸をした。
これは彼女に誘われた「あの夜」の続きだと、自分に言い聞かせた。
しかしそれならそれで「初めての経験」が待っているわけで、彼は期待よりも不安の方が大きく膨れ上がってくるのを持て余していた。
「脚はどう? 熱いシャワーを浴びて、だいぶほぐれた?」
香織は彼のそばに腰を下ろして、訊いてきた。
同じく備え付けのガウンを羽織っている彼女に、声の震えるのを必死に抑えながら答えた。
「はい! もう完全に大丈夫です!」
「どうも信用できないんだよねぇ。我慢してるんじゃない? ・・・まぁ、いいか。マッサージしてあげるから、そこにうつ伏せになって」
言われるまま、分厚くて柔らかい枕に顔を埋めるようにうつ伏せになる。
そんな友之の腰に香織が後ろ向きに跨って座ると、彼女の体重とともに内腿より内側の体温が熱を持って彼の腰に伝わってきた。
ふと頭を上げて横を見ると、そちらの壁は一面の鏡張りになっているのだが、彼に跨る香織はガウンの裾をはだけているのが分かる。
その筋肉質でありながらスラリと長い脚に、彼は見てはいけないものを見たような気がして思わず顔を枕の方に向け直した。
早速、香織は彼の太ももを裏側からマッサージしたり、足首を引っ張り上げて太ももの表側を伸ばしてのストレッチをしたりを始めた。
痛さと、心地よさと・・・友之は満ち足りた呻き声を漏らす。
ゆっくり時間をかけて太ももをほぐしてから香織は友之の腰から降り、彼の足元に回って今度はふくらはぎのマッサージを始めた。
これも気持ちよく、陶然とした友之は先ほどまでの悩みなど忘れてしまっていた。
・・・それを思い出させたのは、香織だった。
彼女は彼に仰向けになるよう、指示した。
少し股間が膨らんでいるのが気になったが、(この程度なら分からないだろう)と言われるまま仰向けになった。
すると彼女は、いきなり彼のガウンの裾をまくって言った。
「なぁに・・・まだこんなもの、履いていたの?」
いきなりのことで混乱した友之は、それがトランクスのことだとすぐには分からなかった。
彼女は構わず、両手を掛けてそれを下ろしてしまった。
「あっ、先輩! いけません!」
「何が? 何がいけないって言ってるの? あなた、こないだのことがあってから、私をここに誘ったよね? そして脚はもう大丈夫なんだよね? で?」
なにか言わなければならないと彼は思ったが、何を言うべきかが思い浮かばない。
そうしている間にも股間のモノは彼の正直な気持ちを表すようにどんどん膨張する。
まるでキノコの成長を早送りにしたように、ムクムクとそれは巨大化していく。
そして堅く屹立したそれを、香織はそれを口に咥えてしまった。
「うっ・・・!」
キスもまだなのに・・・彼にそんな思いは残っていた。
しかしモノを舐られしゃぶられて、あまりの気持ちよさについつい香織にすべてを委ねてしまう。
しかしうっとりできる時間は、短かった。
下腹部に、異常なまでに熱いエネルギーが集中するのを感じた。
「先輩、すみません、もうすぐ出ます!」
そこで彼女は口を離してくれるかと思ったが、逆だった。
口全体で強く吸いながら、激しく頭を上下し始めたのだ。
「ああっ、先輩、出てしまいます!」
香織は上目遣いに笑みさえ浮かべながら、頭の動きを止めない。
しかし口中に出してしまっては申し訳ない・・・必死に我慢する彼の努力も虚しく、身体全体を貫く快感とともに発射してしまった。
彼女は頭の動きを止めて、射出されるものを受け止める。
そしてそれが止まって初めて、口を離して起き上がった。
「すみません・・・先輩」
「気にしないで。それにしても、いっぱい出したね」
ティッシュに吐き出しながら、香織は感心したように言う。
彼女はティッシュをゴミ箱に捨てると、洗面台に向かった。
どうやら、口を念入りに洗いでいるらしい。
友之も、香織の唾液や自分の精液でドロドロになったモノをティッシュできれいにした。
そうしながら・・・だらしなく萎縮したモノを眺めながら、これがさっきまで香織の口の中にあったんだよなと思ってみたりする。
もう一発出してしまったんだから、次は・・・彼女の「アソコ」の中で2発目を出すということはないんだろうなと、残念に思いながら。
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