ぽっちゃり少年と旅するご近所の神様

とっぷパン

文字の大きさ
65 / 65
一章 ”アルバス王国と騒乱” の段

18話~王都への潜入劇2

しおりを挟む



 精霊として内包する莫大な魔力の五割を額に集め、それによって合が強く、優しさを帯びた水色に発光し始めたルイックさん。
 その魔力総量は先の死にかける前の志乃さんこと雲龍帝さんの、その四割にも匹敵する程だ。全力であれば大凡七割弱には達している凄まじい魔力量は、静かに静かに龍帝さんの中へと吸収されていく。

ささやかな物ではありますが、龍帝陛下に僅かばかりの御力添えを……この私目の魔力を御受け取り御納め下さいませ』

 龍帝さんの身体の内に満ちる水の魔力。その清水は岩に染み渡る雨粒の如く身体を濡らし、内部で鉄砲水の様な激流に変わり、時には平穏な凪風が吹き渡る大海原に変わり、徐々に徐々に彼の身体なかで形作られんで行く。

 混ざり合う過程で生じた不純物魔力の雑味を呼吸と共に体外へと吐き出す。まるで霞を周囲へと纏う様は正に雲龍を継ぐに相応しい後継だね。

 雲龍とは読んで字の如く大空に漂いし浮世の雲を住処とする龍の総称で、雲の字は位の高い人や浮世絵離れした様な曖昧さを表す言葉だ。
 だけども、この世界の雲龍帝さんは何も雲を生み出すのがその本質じゃない様で……。雲を操ると言う事は付随してくる様々な魔力をも自在に扱えると言う名の果てに付けられた異名。その魔力には勿論雲の主成分でもある”水”や降水過程である”雨”と言った物も含まれる。

 つまりはだ。水の精霊から受け取った魔力とは相性面で非情に密接して関係を持ち、かつ多大な栄養源となりうるご馳走なのである。

「――――クルルルィ」

 そして、この力を受け取るは次代の雲龍の帝……。
 内に秘めし力はまだまだ未熟なれど強大、且つ繊細。真紅に燃ゆる瞳に新緑に萌える竜燐から魔力と少しばかりの霊力が混じった力が辺りを満たしていく――――

「ンゥ~……ッ!」

 と、思われたその時。深呼吸をするかの如く大きく開けられた龍帝さんの口に、たった今吸収したばかりの魔力が集まり小さなたまとなって顕現した。

『……え?』

「ええっ!?」

 まるで昔の昭和時代に流行ったツッパリ至上生命体、通称・不良ヤンキーが気管支に詰まった異物を吐き出す様を再現した姿をとる。
 天高く上げられた顎を大きく開き、一旦玉をぱくっと加えた後に一通り嘗め回して僕に視線を送ってきた。
 何やら僕の手を御所望なようなので片手を水を掬う形にして指して出してみると……。

「ペッ!」

「あらまー綺麗な玉だこと――って、こらこら」

 龍帝さんが嘗め回したから特に汚い訳ではないけれど、それでも余所の家の飼い犬から涎に塗れたボール手渡された気分を味わいながらつっこみ手刀を軽く一撃。
 くりくりお目眼でドヤ顔をしていた龍帝さんは可愛らしく鳴いた後でもドヤ顔を決めていた。

 対して、驚きを隠せないのは前任・龍帝の巫女であったエルヴィーラさんと魔力を捧げた本人であるルイックさんだ。
 御二方共にぽかんと大きく口を開けて呆けてしまっている(ルイックさんは勺なので雰囲気から察してだけど……)。特に、教徒が信仰する神へと捧げ物をする感じで以って魔力を捧げたルイックさんの呆気振りはもはや魂が抜け掛かっている様だ。
 こうも無邪気に神様に拒絶された衝撃は彼にとって相当なものだったのだろう。同じと言ってはなんだけど、神職に在るものとしては分からなくも無いね……うん。
 もしもあーちゃんからこれをやられた日には――――僕はショックで痩せてしまうに違いない!! 少なくとも十キロは減る自信があるよ!

 まあ、それは兎も角として。現状この掌に握られている玉を如何するかだけど、龍帝さんがドヤ顔をする理由も分かっているから僕が預かっているのが一番だろうか。

 とりあえず、御二方が呆けている間に腰のベルト辺りに手を伸ばす。ついこの間新調したばかりの衣服に提げてある巾着を取り出し、ぐっと握り込んだ後に中へと放りこむ。しっかりと口紐を縛って腰にぶら提げる。
 あーちゃん御手製の巾着に入れておけばまず無くす事はないから万事安心。これは後々来るであろう邪気との戦に際して有効活用させていただこう。

「さてさて……そろそろ戻ってきて下さいな、御二方」

『「はっ!?」』

「クルルルィ~」

 一つ拍手を打ち、霊力の波動で以って魂と意識を現実へと呼び戻せばたちまちに現実へと戻ってくる御二方。両者一様に驚きを隠さずに龍帝さんを見つめるが、悲しきかな返って来るのは上機嫌な鼻歌と無邪気な笑みばかり。
 疑問が顔にありありと浮かんだまま仕方無しに僕へと視線を移し説明を求められるのであった。

「何と説明をすればいいか言葉に言い表し難いですけど、龍帝さんはまだ幼帝です。他者からの魔力の譲渡も上手く御出来にならないのかもしれません。然るに、ある程度の御成長をなされば御身の魔力も安定し、ルイック様が御捧げになった魔力も吸収し御身の血肉へと御変換出来る事かと思います。それまでは暫しの御預けと言った所でしょうか」

 結構曖昧な説明になってしまったものの、これなら一般的な力の譲渡に属する説明にはなると信じて顔色を窺う。ニ、三拍置いて頷く姿を見れば納得を頂けたかな。

『――……そうか、確かに一理あるな』

「そうです、ね。まだ御生まれになられて日が浅いのですもの、幾ら龍帝陛下とは言え出来る事出来無い事があっても不思議ではありませんわ」

 如何にか己の中で折り合いをつけた様子に苦笑いを一つ添えて相槌を打っておく。説明が終わったのなら後は王都へと突き進むのみ。早速道を開いて頂こう。







「こんな感じでここに辿り着いたわけですよ。いや~、王都への地下通路は中々に面倒な様子で通路は邪気がうろついていて大変でした。纏めて消し飛ばしてから浄化してきましたけどね」

「飯食いながら話す内容じゃねぇ……!? 水の精霊・ルイック様なんて雲龍帝伝説並みに古い精霊様じゃなかったか? ……くぅおぉぉ!?」

 場所を移して王都平民街への飯処にやってきた僕達。邪気を手当たり次第に滅してきた僕と龍帝さんはお腹がぺこぺこ……。その後ろをついてきたエルヴィーラさんは優雅に茶葉を蒸らして入れた御茶を飲んでいる。(実は彼女もしっかり御飯は食べている……)
 逆に、僕ら二人と一匹に囲まれた彼ことトルパ一等兵さんは色々と悩みがあるらしく食事もあまり進まないようだ。

 トルパさんは王都へと帰還した後、部隊長へと上げる報告書を纏めていたとの事。

 しかし、肝心要の僕達三名と一匹の情報を書きあぐねていたらしく。一見すると平和に見える王都内部の日常からか、はたまたその日常へと生きて帰ってきた安心感からか眠りこけていたんだって。
 重要事項の報告はカリル村を出立する際にフォルカさん達にある程度口止めをお願いしてある。これは僕らの情報を隠す目的も有るけど、一番の目的は志乃さんの生存と龍帝さんの誕生を隠す事にあるんだよね。
 今この国に巣食う邪気は雲龍帝と言う存在が邪魔で邪魔で仕方が無いご様子。その邪魔者である志乃さんが消えたと広めておけば一転攻勢に出て、国を、人々を破壊し滅亡へと追いやろうとするだろう。

 そこを今度は僕らが一網打尽に纏めて消し飛ばしてしまおうと言う話だ。

 だから、例え兵士の皆さんの日課と義務とは言え報告は制限をしてもらっている訳。

「……ところでトルパ君? だったかしら。貴方がここに戻ってきているのなら一つ聞きたいのだけれど、龍帝の巫女・アルフェルカの消息はどう? 兵士達には何か知らされた事はある?」

 一頻り頭を抱えたのを見計らって茶器から口を離し、単刀直入に質問を投げかけるエルヴィーラさん。

「あん? 恐れ多くも巫女姫殿下を呼び捨てたぁいい度胸――――って、ま、まさか……っ!?」

 そのあまりにぞんざいな言い分に眉を跳ね上げて睨み付けたねめつけた彼は、よくよくエルヴィーラさんの顔を見た後はっとする。
 そう、何故ならば彼女こそが件の巫女姫さんの親御さん、先代巫女にして現・国王第二王妃。エルヴィーラ・D・アルバスさんなのだから。

 王制を敷く国において階級は歴然とした効力を持つ。例え、幾つの武勲や功績を挙げようがそれ自体を授ける側と受けとる側では絶対な壁が存在しているもの。この壁があるからこそ、国として成り立っていると言っても過言ではない。

「せ、せせせ、先代様……っ!?」

「ええ、そうよ。覚えておいてもらえて嬉しいわ、一等兵君」

「も、申し訳御座いません!」

「ふふ……。でも、今はあまり目立たないでね? 一応私は隠れている身なのですから」

 上に立つ王は臣下に対して褒美を与え、臣下となる者達は王からの褒美、賞賛を受けるために力を尽くす。御互いが御互いを支え尽くし中で階級と言うものは一つの分かりやすい指針となっている訳だ。
 だから、幾ら気が付いていないとは言え王族に対して、ましてや一等兵などと言う下から数える方が早い下っ端さんが聞いていい口じゃないと彼は戦々恐々な心地なのだろう。

 そんな彼に対してエルヴィーラさんはにっこり微笑むと、ウインクをかまし少々の茶目っ気を混ぜつつ彼の無礼を許した。
 それに対し恥ずかしさから顔の赤みを残したまま頷き返して一応の決着となした様だね、なんだか微笑ましい光景を見ているよ。

「それで、先の問いをもう一度聞くけど……城内の様子は兵士へと通達されているのかしら? 私と龍帝の巫女が消えて数日、その間に何かしらの動きは見られた?」

「はい、それなんですが――」

 改めての問いに対して今度は素直に返事を返すトルパさん。ある程度の事はルイックさんから聞き及んでいて、話の内容的にもエルヴィーラさんの持つ情報との照合が主なところ。
 特に、王都へと帰還したばかりのトルパさんの持つ情報は鮮度は高いが重要性は低いと見らざるを得ない。
 だが、日常のちょっとしたことでもしばらく離れていればまた見え方も違ってくるともいえる訳でして……。

「――そんな訳で、王都内の国民へ情報統制をしく状況です。状況は日に日に悪化し、俺達が帰還する時などは千をも超えて余りある軍勢が襲撃。辛うじて王国民の目に入る前にそいつの連れが全て焼き払い滅しました」

「千をも超える……それらを全て、ね。結果として私達の国民への統制が生きている状況、恐らくはまだ瘴気の――あなたに言わせると邪気だったかしら、それらには私達の存在は秘匿されている?」

「ええ、要であるこいつとその連れの秘匿。更には姫巫女殿下への手がかりを手の内に居れているのは大きいと思います」

 僕も居るよ! とばかりに小さいお手てを掲げる龍帝さんに、少しだけ困り顔で自分のお皿からお肉を差し出すトルパさん。これで手打ちとお肉の端に喰らいついた龍帝さんにほっと胸をなでおろしたのであった。

「ところで、九ちゃんと志乃さんはまだ王城ですか? 連絡の一つでもつなげて置きたいのと、当面の隠れ拠点を確保したいから一度集合したのですが」

 話がひと段落ついたのを見計らって僕は二人の所在を尋ねてみた。

 霊力を捕らえる限りではこの通り奥にそびえている王城の所に反応がある。今は固まって二人一緒に居るみたいだけども、そこはそれ王城という特殊な場所と環境、それに二人の美しさによってはいかんともしがたい小競り合いが偶発してしまう自体もあるしね。

 国の非常事態に不謹慎ではあるけども、どこかの貴族に見初められて――なんて話が飛び出ても可笑しくはない。
 勿論、見初められようが脅されようが精々が人の身である方達には手を握る事さえも適わずに焼かれ、風に刻まれる事必須。彼女達を止めれる者は今の所発見できないから心配はしてないんだけど……。
 いや、どっちかと言えば被害を受ける人たちの方に若干の憐憫を感じるかな?

 そんな些事も含めて一度集合し、今後の策を練っておきたいところなんだよね。

「繋ぎか……、出来ないとは言えなくないが。如何せん俺はただの一兵卒、軍での立場も所詮一等兵だからな」

 ふむ、と考え込む彼をよそに料理を平らげつつある僕と龍帝さんはゆっくりと答えを待つ。駄目元の可能性もあると踏んできたのだから、ここで彼に繋ぎを頼めないからと言って落胆することはない。
 それならそれで隠行の術でまた忍び込めばいいし、フォルカさんかジェミニさんにでも繋ぎを付けられれば何とかなるだろう。なるべく穏便に行きたいから、且つ邪気に気取られないよう慎重さは残しておきたい思惑もあるんだけどね。

「――そうか、俺自身は王城の中に繋ぎを付けられないがあいつはまだ王城の中に居るはず。確か上手い具合に一時配属先が客人への対応に変わっていた」

 正にご都合主義と言わんばかりの都合の良さで思わず汗が額から滑り落ちるのを禁じえないが、偶然も必然として捕らえる事にして聞き返す。

「へぇあ~、それはまた随分と都合の良い……。それで、その人は誰ですか?」

「ああ、お前さんも知ってるあいつだ」

「クルルィ?」

 僕が知っていてとなると必然的に今回の旅で同行した人たちの中に限られてくる。その中でも実際に言葉を良く交わしていたのはジェミニさんやドルゲさん、それにフォルカ王太子殿下さんくらいだけども。恐らくは御三方ではない、一兵卒の兵士さんだろう。
 そして、ここまで来て他に言葉を交わしていたのは――

「カリム・ゲリム二等兵。王国軍兵士としての力は弱いが、その分根性とここぞ!って時の肝っ玉はしっかりしてやがる奴さ」

 やっぱりカリムさんでしたか。しかして、王城への一時配属とはまた新兵らしからぬ配属だ。
 何やら旅の道中でもそんなに仲が良さそうには見えなかった二人の片割れ、それも普段苛めている人からのこの評価。そこいら辺も複雑そうではあるが……今は脇において置こう。

「では、案内を頼めるかしら?」

「はい!」

 すっかり冷め切ったお茶を飲み干し会計を済ませる。青空に映える王城を見上げながら僕達は店を後にした。

しおりを挟む
感想 2

この作品の感想を投稿する

みんなの感想(2件)

マナ
2018.03.26 マナ

暗い森を抜ければ
牧ではなく薪

2018.03.26 とっぷパン

誤字報告ありがとう御座います。

解除
マナ
2018.03.26 マナ

7話
嬢ちゃんの変換が間違ってる

2018.03.26 とっぷパン

誤字報告ありがとう御座います。

解除

あなたにおすすめの小説

お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます

菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。 嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。 「居なくていいなら、出ていこう」 この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし

三十年後に届いた白い手紙

RyuChoukan
ファンタジー
三十年前、帝国は一人の少年を裏切り者として処刑した。 彼は最後まで、何も語らなかった。 その罪の真相を知る者は、ただ一人の女性だけだった。 戴冠舞踏会の夜。 公爵令嬢は、一通の白い手紙を手に、皇帝の前に立つ。 それは復讐でも、告発でもない。 三十年間、辺境の郵便局で待ち続けられていた、 「渡されなかった約束」のための手紙だった。 沈黙のまま命を捨てた男と、 三十年、ただ待ち続けた女。 そして、すべてを知った上で扉を開く、次の世代。 これは、 遅れて届いた手紙が、 人生と運命を静かに書き換えていく物語。

敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています

藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。 結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。 聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。 侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。 ※全11話 2万字程度の話です。

【完結】捨て去られた王妃は王宮で働く

ここ
ファンタジー
たしかに私は王妃になった。 5歳の頃に婚約が決まり、逃げようがなかった。完全なる政略結婚。 夫である国王陛下は、ハーレムで浮かれている。政務は王妃が行っていいらしい。私は仕事は得意だ。家臣たちが追いつけないほど、理解が早く、正確らしい。家臣たちは、王妃がいないと困るようになった。何とかしなければ…

お嬢様はお亡くなりになりました。

豆狸
恋愛
「お嬢様は……十日前にお亡くなりになりました」 「な……なにを言っている?」

借金まみれで高級娼館で働くことになった子爵令嬢、密かに好きだった幼馴染に買われる

しおの
恋愛
乙女ゲームの世界に転生した主人公。しかしゲームにはほぼ登場しないモブだった。 いつの間にか父がこさえた借金を返すため、高級娼館で働くことに…… しかしそこに現れたのは幼馴染で……?

聖女を追放した国は、私が祈らなくなった理由を最後まで知りませんでした

藤原遊
ファンタジー
この国では、人の悪意や欲望、嘘が積み重なると 土地を蝕む邪気となって現れる。 それを祈りによって浄化してきたのが、聖女である私だった。 派手な奇跡は起こらない。 けれど、私が祈るたびに国は荒廃を免れてきた。 ――その役目を、誰一人として理解しないまま。 奇跡が少なくなった。 役に立たない聖女はいらない。 そう言われ、私は静かに国を追放された。 もう、祈る理由はない。 邪気を生み出す原因に目を向けず、 後始末だけを押し付ける国を守る理由も。 聖女がいなくなった国で、 少しずつ異変が起こり始める。 けれど彼らは、最後まで気づかなかった。 私がなぜ祈らなくなったのかを。

異世界転生してしまった。どうせ死ぬのに。

あんど もあ
ファンタジー
好きな人と結婚して初めてのクリスマスに事故で亡くなった私。異世界に転生したけど、どうせ死ぬなら幸せになんてなりたくない。そう思って生きてきたのだけど……。

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。