リセット令嬢の巻き戻し 〜不当な婚約破棄を覆す為に、時間を巻き戻す魔法で、私は何度でもやり直します〜

ごどめ

文字の大きさ
30 / 33
後章 断罪、真相解明編

30 全ての淑女と紳士に幸せを。

 ヴァルもイリーシャもナターシャも、幸せそうに笑いながら三人はしばらくの間その場で語らい続けた。
 私がそれを見ながら心から喜びを噛み締めていると。

『これで……終わり、だな……』

 私の中の声、リセットが消え入りそうな声で呟いた。

『アメリア……よくやってくれた……。ああなれば、おそらく私は……いや、彼はイリーシャと結ばれる……。そうなったのなら、おそらく彼らの日記は……リセット家に残される、だろう』
「日記?」
『うむ。私とイリーシャが行なっていた交換日記だ……。それは……あの時、イリーシャが持っていた。それがリセット家に残されるだろう……。二人の……愛の思い出として』
「それは……素敵ね」
『そしてこの出来事がおそらく、新しく確定された過去として改変されるだろう』
「これで、世界を呪い続け、悲しみの業を背負い続けるイリーシャはいなくなるわけね」
『そうなるだろう。だが、それはつまり……』
「ええ、私もあなたも、下手をすれば存在が消える」
『そういう……事だ。もはや私の意識も……キミの中で、間も無く消滅するだろう』

 気づけば私の透けていた身体も足先から徐々に消滅しているのがわかる。

『私とキミも……これまでのようだ……』
「ありがとう、リセット。あなたのボタンのおかげで私は不幸のどん底から救われたわ」
『……すまない。私が……こんな事を望まなければ……キミにはあのまま……幸せな未来が待っていたはずなのに』
「ううん、いいの。私が望んだ事なんだから」
『本当に……すまない。そして……ありがとう……』
「こちらこそありがとうリセット」
『アメリア……キミが無事、戻れる事を祈っ……』

 ぶつん、とそこでリセットの声は途切れた。
 私の身体ももう、半分以上消えかかっている。
 そろそろこの世界ともお別れね。
 私はどうなるのかしら。少なくとも、クロノス様と結ばれて、エルヴィン殿下とイリーシャが断罪され、投獄されるあの未来には帰れないわよね。
 ここまで大きく歴史を変えてしまったのだから、当然か。

 なんだか……眠くなってきた、な……。

 そっか……これが、消滅する……って、感覚……なのね。

 でもこれ……なら……死ぬより……苦しく……ないから……よかった。

 クロノス……様……ごめんなさ……――。



        ●○●○●



 ――長い。
 長い夢を、見ていた。
 リセットという伯爵家に生を受け、アメリアという名で過ごした人生の夢を。
 優しいお父様とお母様に囲まれ、ちょっと生意気だけど可愛い妹にも愛され、そして素敵な殿方と相思相愛となって、結婚し、その旦那様と幸せに一生を終える。そんな夢。
 なんて、そんな何もかもが理想通りで終わる人生なんて、ありえないわ。
 人は誰しも逃れる事のできない業を背負っている。
 だからきっと、そんな幸せすぎる人生の裏には、それ相応の不幸も背負っているに違いないのだ。
 魔法の力と一緒。
 あらゆる力は変化、変質の時、必ず同様のエネルギーを使う。いわゆる等価交換、というヤツだ。
 つまりは幸せの等価交換は、誰かの不幸せ。
 今の私なら、それがわかる。

 だから、きっと私はもう――。

「……ッ! おい、目を覚ましたぞ!」
「ほ、本当に!? 私、すぐにお父様とお母様を呼んできますわ!」

 聞き覚えのある男性と女性の声がする。
 ゆっくりと周囲を見渡す。
 ここは……。

「アメリアッ! 聞こえるかアメリアッ!」

 この声は……。

「……う」
「聞こえている! 本当に目が覚めたんだなッ!」

 視界がハッキリしてきた。
 涙を流しながら私の名を何度も呼び、そして手を握ってくれている男の人はダレ……?

「あなた……は……?」
「まだ無理して喋らなくていい。私だアメリア、エルヴィンだ」

 エル……ヴィン……?

「よかった……本当によかった、アメリア……私は、私はキミを死なせてしまったら、彼にどう償えばいいか……ッ」

 エルヴィン、と名乗った立派なお召し物を着こなしている男が、恥ずかしげもなく涙を流して私の右手を握ってくれている。

「わた……し……?」
「記憶が混乱しているのだろう。だが、それも当然だ。キミが目覚めるまで、実に一年もの長い時間を掛けているのだからな」

 エルヴィンという男がそんな事を言った。
 一年? ってなんだろう。
 エルヴィン、って誰なの?
 わからない。わからない。
 どうしたの?
 ここはどこなの?
 アメリア……ってナニ?
 そもそも私は……私はダレ、なの?

「アメリアが目覚めたというのは本当か!?」
「ああ……アメリアッ! もう二度とあなたに会えないかと私は……私は……」

 物々しい音を立てながら、次々と部屋の中へと人が入り込み声が増えていく。
 やや恰幅の良い大人の男性と眉目秀麗な女性の二人が、そんなセリフを吐きながら私の顔を見て、涙を流している。

 今度はダレ?

「アメリア、わからないか? お前の父、マルクスだ」
「そうよ、アメリア。私はナタリー、あなたの母よ」

 マルクス? ナタリー?

「お姉様! 目を覚まされて本当によかった……!」

 その二人の後ろから、同じように涙を拭いながら私の事を姉と呼ぶ令嬢がいる。

「私ですわ、イリーシャです。おわかりになりませんか!?」

 わからない。
 イリーシャ?

「みんな、待ってくれ。どうやらまだアメリアは記憶が大きく混乱しているようだ。いきなり質問攻めにするのは彼女に大きな負担を掛けてしまう」
「そうですわね、殿下。お父様、お母様。ここは殿下の仰る通り、少し様子をみましょう」

 エルヴィンとイリーシャ、という男女が二人してそう言った。

「うむ、そうだな……」
「ああ……アメリア……でも良かった、本当に……うぅ」

 マルクスとナタリーは頷くと、言われた通り静かにして、適当な椅子に腰を掛けた。

「イリーシャ、彼には?」
「はい。先程、学院の方へと連絡を致しましたので、もう間も無くいらっしゃると思いますわ」
「そうか。きっと彼も泣いて喜ぶぞ!」
「うふふ、彼の事ですからきっと私たちの目を気にして、それでもクールに振る舞うと思いますわ」

 エルヴィンとイリーシャがそんな会話をしている。
 彼? とは誰の事?
 というよりも、私は何故、何もわからないの?
 この豪勢な造りをした部屋と、私が寝かされている大きな天蓋付きのベッドは、誰の家の物なの?
 私の名前はアメリア、というの?
 なんで何もわからないの?
 ねえ、誰か教えて。
 私は……。

 と、私が何も理解できないこの世界で独り、泣きそうな表情になりかけた時。
 部屋の外の廊下でバタバタと走り寄って来た足音が、ドタンバタン! と、妙に大きな音を立てながら、この部屋の扉を勢いよく開けた。

「アメリアッ!!」

 部屋に入るなり早々に大きな声でその名を呼ぶ令息が、部屋の入り口にて私を見据え、身体を震わせていた。
 銀髪に碧眼がよく似合う端正な顔立ちをしたパッと見で貴族令息だとわかるフォーマルな格好の彼は、一言で言うならイケメン、と呼ぶのだろう。
 そんな彼がゆっくりと私のもとへと歩み寄る。

「……よく、よく、戻ってきてくれた」

 彼はそう言いながら私が横たわるベッドの隣まで来て跪き、私の左手を優しく掴んだ。

「だ……れ……? ゲホっ、ゲホッ!」

 喉が焼けるように痛む。
 身体も顔以外はあまりうまく動かせない。

「無理をして喋るなアメリア。飲めるなら水を少し飲むといい。身体を起こすのを手伝おう」

 銀髪の彼は私の身体を気遣いながら、身体をゆっくりと優しく抱きかかえるように支え、そして上半身だけを静かに起こし、そしてコップに入れられた水を持った知らない女性が私へと近寄る。

「アメリアお嬢様、私がゆっくりとお水をお口に入れて差し上げますね」
「ビアンカさん、すまない。ありがとう」

 ビアンカ、と呼ばれた見知らぬ女性が私へと水を飲ませてくれた。
 多少むせ返ったが、少しだけ水をごくんと飲む事ができた。

「わた……しは……なん、なの? ここは……どこ、で……あなた、たちは……ダレ……なの?」

 私は絞り出すように尋ねる。
 その言葉を聞いたその場にいる全員が悲痛な面持ちで私を見た。
 私はそんなにおかしな事を言ったのだろうか。

「皆、すまないが以前告げておいた通り、ここは私とアメリアの二人だけにしてもらえないだろうか? 殿下も申し訳ないのですが」
「うむ、わかっている」

 銀髪の彼が皆にそう言うと、エルヴィンと呼ばれた男を筆頭に全員がこくんと頷き、次々とこの部屋から退出していった。

「……アメリアお姉様」

 一番最後に部屋を退出しようとしたイリーシャと呼ばれる令嬢が私の方へと振り向き、

「本当にありがとうございますわ。私、大好きなお姉様の妹に生まれて来て、本当に良かったです」

 涙を流しながら頭を深々と下げてから、パタンと厳かな造りをした扉を閉めた。

「アメリア」

 銀髪の彼は皆が出払ったのを確認すると私の方を見て、

「全てを話そう。キミがこうして、帰って来てくれたのだから」

 優しい瞳でそう言った。
 私はこの瞳をよく知っている。
 けれど、わからない。この人は誰なんだっけ。

「キミを分析アナライズにかけた。私の想像通りやはりキミは一切の記憶を喪失しているようだ」

 そう、なのね。でもそれぐらいはわかるわ。
 分析アナライズ、という名の魔法の事も。
 魔法や社会的概念は理解できる。
 ただ、私という存在、そしてそれを取り巻く環境について何もわからないのである。

「キミには奇跡が起きた。同時に私にも奇跡が起きた。だからこの未来に辿り着けた。本来ならありえない事象が、今、こうして現実に起きているのは、奇跡、と言う言葉以外に説明はつかない。だが、あえて言うなら」

 奇跡。
 何が奇跡、なんだろう?

「ヴァレンシュタイン様の御慈悲のおかげだろう」

 ヴァレンシュタイン……?

「まだ、何もわからないキミに色々と言ってしまってすまない。まずは自己紹介から始めよう。私の名はクロノス。フルネームはクロノス・グラン・エヴァンズ。リスター王家の分家にあたる家柄でカイロス・グラン・エヴァンズの子だ」

 この方は、クロノス様というお名前なのね。
 クロノス……様。

「そしてキミは」

 私はこの方をよく知っている……?



「アメリア・フィル・リセット。マルクス・フィル・リセット伯爵の令嬢であり、私の婚約者だ」

 

感想 3

あなたにおすすめの小説

『病弱な幼馴染を優先してください』と言った妻が消えた翌日、夫は領地の会計書類が全て白紙になっていることに気づいた

歩人
ファンタジー
侯爵家に嫁いで五年。ルチアは夫エミルの領地会計・社交・使用人管理を全て一人で担ってきた。だがエミルはいつも幼馴染のアリーチェを優先する。「アリーチェは体が弱いんだ、お前とは違う」——その言葉を百回聞いた日、ルチアは微笑んで離縁届に署名した。「ええ、私は丈夫ですから。どうぞ幼馴染様をお大事に」。翌朝、エミルが目にしたのは——税務報告の締切、領民からの陳情の山、そして紅茶の淹れ方すら知らない自分。三ヶ月後、かつて「地味な妻」と呼ばれたルチアは、辺境伯の財務顧問として辣腕を振るっていた。

亡き姉の身代わりとして嫁いだ私ですが、離縁状を置いた翌朝、夫が私の「真実」に気づいたようです』

まさき
恋愛
「サインはもう、いただきました。あとは私がこの屋敷を出るだけです」 ​五年間の結婚生活。侯爵令嬢エルゼが演じ続けたのは、亡き姉・ロザリーの「身代わり」という配役だった。 夫であるカイル公爵が愛していたのは、かつて雪の中で自分を救ってくれた初恋の少女・ロザリー。 生き写しの妹であるエルゼを娶りながらも、彼は一度も彼女を「エルゼ」と呼ぶことはなかった。 ​冷淡な視線、姉と比較される日々。 「君はどこまでいっても、ロザリーの代わりにはなれない」 その言葉を最後に、エルゼは静かに離縁状を置き、屋敷を去る決意をする。 ​しかし、彼女が消えた翌朝。 カイルは、エルゼが大切に遺していった古い小箱を見つける。 そこにあったのは、十五年前のあの日、彼が「命の恩人」に預けたはずの片方のカフスボタン。 そして、幼いエルゼが綴った、あまりにも切ない真実の日記だった。 ​――「あの日、雪の中で貴方を抱きしめていたのは、お姉様ではなく、私だったのです」 ​真実を知り、絶望の中でエルゼを追うカイル。 だが、すべてを捨てて「自分」を取り戻したエルゼは、もう二度と、彼の隣で微笑む仮面の妻には戻らない。 ​これは、名前を奪われた女が自由を掴み、愚かな夫が真実の愛を失うまでの、静かで鮮やかな再生の物語。

「今更、あなたの娘のふりなどできません」〜ずっと支えていた手を、そっと引っ込めただけです〜

まさき
恋愛
父が死んだ日から、私は屋敷の「異物」になった。 継母は新しい夫に夢中で、義姉たちは私を使用人のように扱い、継父は三年経っても私の名前を覚えない。 気づいていなかったのだ、あの人たちは。 私の「静寂の手」がずっと、この家を守り続けていたことを。 ある夜、私は静かに荷物をまとめた。 怒りもなく、涙もなく、別れの言葉すら残さずに。 三ヶ月後、屋敷に原因不明の病が広がり始める。 「リーナを探せ」 今更、ですか。 私はもう、別の場所で別の名前で——ちゃんと生きています。

婚約破棄された翌日、兄が王太子を廃嫡させました

由香
ファンタジー
婚約破棄の場で「悪役令嬢」と断罪された伯爵令嬢エミリア。 彼女は何も言わずにその場を去った。 ――それが、王太子の終わりだった。 翌日、王国を揺るがす不正が次々と暴かれる。 裏で糸を引いていたのは、エミリアの兄。 王国最強の権力者であり、妹至上主義の男だった。 「妹を泣かせた代償は、すべて払ってもらう」 ざまぁは、静かに、そして確実に進んでいく。

婚約破棄をされ、父に追放まで言われた私は、むしろ喜んで出て行きます! ~家を出る時に一緒に来てくれた執事の溺愛が始まりました~

ゆうき
恋愛
男爵家の次女として生まれたシエルは、姉と妹に比べて平凡だからという理由で、父親や姉妹からバカにされ、虐げられる生活を送っていた。 そんな生活に嫌気がさしたシエルは、とある計画を考えつく。それは、婚約者に社交界で婚約を破棄してもらい、その責任を取って家を出て、自由を手に入れるというものだった。 シエルの専属の執事であるラルフや、幼い頃から実の兄のように親しくしてくれていた婚約者の協力の元、シエルは無事に婚約を破棄され、父親に見捨てられて家を出ることになった。 ラルフも一緒に来てくれることとなり、これで念願の自由を手に入れたシエル。しかし、シエルにはどこにも行くあてはなかった。 それをラルフに伝えると、隣の国にあるラルフの故郷に行こうと提案される。 それを承諾したシエルは、これからの自由で幸せな日々を手に入れられると胸を躍らせていたが、その幸せは家族によって邪魔をされてしまう。 なんと、家族はシエルとラルフを広大な湖に捨て、自らの手を汚さずに二人を亡き者にしようとしていた―― ☆誤字脱字が多いですが、見つけ次第直しますのでご了承ください☆ ☆全文字はだいたい14万文字になっています☆ ☆完結まで予約済みなので、エタることはありません!☆

【完結済】王女に夢中な婚約者様、さようなら 〜自分を取り戻したあとの学園生活は幸せです! 〜

鳴宮野々花
恋愛
王立学園への入学をきっかけに、領地の屋敷から王都のタウンハウスへと引っ越した、ハートリー伯爵家の令嬢ロザリンド。婚約者ルパートとともに始まるはずの学園生活を楽しみにしていた。 けれど現実は、王女殿下のご機嫌を取るための、ルパートからの理不尽な命令の連続。 「かつらと黒縁眼鏡の着用必須」「王女殿下より目立つな」「見目の良い男性、高位貴族の子息らと会話をするな」……。 ルパートから渡された「禁止事項一覧表」に縛られ、ロザリンドは期待とは真逆の、暗黒の学園生活を送ることに。 そんな日々の中での唯一の救いとなったのは、友人となってくれた冷静で聡明な公爵令嬢、ノエリスの存在だった。 学期末、ロザリンドはついにルパートの怒りを買い、婚約破棄を言い渡される。 けれど、深く傷つきながら長期休暇を迎えたロザリンドのもとに届いたのは、兄の友人であり王国騎士団に属する公爵令息クライヴからの婚約の申し出だった。 暗黒の一学期が嘘のように、幸せな長期休暇を過ごしたロザリンド。けれど新学期を迎えると、エメライン王女が接触してきて……。 ※10万文字超えそうなので長編に変更します。 ※この作品は小説家になろう、カクヨムにも投稿しています。

静かなる才女は、すべてを見通す

しばゎんゎん
ファンタジー
突然婚約破棄を言い渡される伯爵家の長女エリシア。 理由は、義妹ミレーユを虐げていたという偽りのものだった。 エリシアの社交界における評価は「地味な令嬢」。 だが実際には、婚約者である侯爵家の長男レオナルトを陰で支え続けていた才女だった。 やがて明らかになる「本当に優れていたのは誰か」という事実。 エリシアを失い崩れてゆく、レオナルト。 無知さと我儘で評判を落とす、ミレーユ。 一方で彼女は、第二王子に見出される。 これは、愚かな選択をした者たちがすべてを失い、静かなる才女が正当に評価される物語。

追放された私の代わりに入った女、三日で国を滅ぼしたらしいですよ?

タマ マコト
ファンタジー
王国直属の宮廷魔導師・セレス・アルトレイン。 白銀の髪に琥珀の瞳を持つ、稀代の天才。 しかし、その才能はあまりに“美しすぎた”。 王妃リディアの嫉妬。 王太子レオンの盲信。 そして、セレスを庇うはずだった上官の沈黙。 「あなたの魔法は冷たい。心がこもっていないわ」 そう言われ、セレスは**『無能』の烙印**を押され、王国から追放される。 彼女はただ一言だけ残した。 「――この国の炎は、三日で尽きるでしょう。」 誰もそれを脅しとは受け取らなかった。 だがそれは、彼女が未来を見通す“預言魔法”の言葉だったのだ。