転生した平凡顔な捨て子が公爵家の姫君?平民のままがいいので逃げてもいいですか

青波明来

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「なんだ?このガキ?アニーお前の知り合いか?」

「し、知らない!!」

「大丈夫ですか?あ~頬が真っ赤です痛そう・・・・」

「おい!ガキ!ちょっとどけよ!俺はそいつに話があるんだよ」

「どきません!暴力をふるわないと約束してくれるまでどきません」

「なんだと?!めんどくせえガキだなどけよ!!」

彼女の前に立ちはだかったあたしは思いっきり押されてひっくりかえる
い・・・・・痛った~お尻思いっきり打ったよってかこの酔っ払い女に暴力ふるうなんて最低!!

「なあ?少しでいいんだよ金貸してくれよ・・・・な?」

「駄目よ!!」

「倍にして返す!!必ず倍にして返すから」

「その言葉は聞き飽きた!この酔っ払いの最低親父!!あんたなんか死んじゃえばいいのに」

その言葉が引き金になったのか男の表情ががらりと変わる
男は何を思ったのか上着の内ポケットからナイフを取り出して彼女を脅し始めた

「てめえ・・・・・寄こせってんだよ!!これが見えねえのか刺すぞ」

「ひっ・・・や・・・・やめ・・・て」

「その大事な手が傷ついたらどうする?お針子なんて無理だろうな」

「おじさん!!やめて~~だ、誰か助けて!!」

あたしは刃物を突き付けられている彼女をどうすることも出来ずに助けを呼ぶことしか出来なかった
・・・・・・と、同時に男は何を思ったのか彼女の手の甲をスパッと切りつけた

「「きゃああああっ」」

騒ぎを聞きつけお針子さんとイザベラ様が裏口へと駆けつける
痛みに歪んだ顔からは涙が薄っすら浮かんでいる
あっという間に彼女の手からお金の入った袋が滑り落ちると男は笑みを浮かべながら袋を大事そうに抱えると走り去っていった

「アニー!!ち・・・・・血が」

「だ、大丈夫です・・・・くっ、かすり傷ですから」

「とりあえず傷を押さえて!!」

「きょ、教会に行きましょうそこで治癒師の方に治してもらえば」

「今日は診察日ではないわ・・・・・どうしましょう傷が深いのかしら血が止まらないわ」

イザベラ様が困り果て彼女の手を布で押さえながら考えている
彼女は痛みで辛そうだ・・・・それよりも手を負傷したことで心に傷を負ってるのかもしれない
あたしは今悩んでいた、葛藤している・・・・あたしはもうすぐ7歳
7歳になれば魔法の属性と魔力量を測定してもらえる、それまでは原則この国では魔法を使ってはいけないことになっているそうだ・・・・ライラさんによればあたしの魔力量はかなり多いそう、多いというより膨大なんだとか
だから魔力の制御のほうをここ最近学んでいる、首輪は取れたけど何かの拍子に魔力暴走なんておきないように実は
魔力を抑える魔道具・・・・指輪をしているんだけどこれは非常事態あたしは指輪を外すと彼女のもとへと急いだ

「あたしが治します」

「へ・・・・・?!」

「いけないわマリーちゃん!!「いけないってわかってますけど非常事態です!やってみます」

「マリーさんあたしなら大丈夫ですこんなのかすり傷ですから」

「ここに居る人たちが黙っていれば大丈夫・・・・ね?」

「で、でも・・・・」「お針子にとって手は命です命を傷つけられたら死んじゃいますだからあたしはやるんです」

「マリーちゃん本当はいけないことだけど何か異常があったらすぐ辞めるのよ!いいわね?」

イザベラ様の言葉に頷くと彼女の手に手をかざす
深呼吸して心を無にすると意識を手に集中した

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