転生した平凡顔な捨て子が公爵家の姫君？平民のままがいいので逃げてもいいですか

50

目の前に彼が現れた瞬間似てると思った、自分にそっくりだと思った
同じ顔が目の前に現れてどうしたらいいか困惑するばかり、でもこの人はどうしてこんなにも似ているのだろう
疑問だけが膨れる中見つめ合ったままのあたしに問いかけたのは彼のほうだったでも他の誰かの気配がしてやっと我に返ったあたしがいた

「坊ちゃま！！おひとりで行っては危な・・・・・いで・・・・す」

「おい！坊ちゃまって言うな何度言ったら判る？」

「そ・・・・・それよりも坊ちゃま、いえレイアンヌ様こ・・・・・この方はいったい」

「分からない、魔力測定に遅れると思って急いでいたらこの子に思いっきりぶつかってしまって・・・・・顔を上げたら目の前にいた」

「そ、そうなんですね・・・・・・でも驚きました」

明らかに貴族の子供と思われる男の子とその護衛余程身分が高いんだろう三人もの護衛が付いてあたりをぐるりと囲まれてしまっていた、男の子はあたしと同じ金髪に紫の瞳真っ白なシャツに黒っぽいズボンを履いてズボンと同系色の上着を羽織った姿は貴公子のよう・・・・・あたしを食い入るように見つめた彼は思いもかけないことを言い始めた

「お前は何者だ？こんなところで何をしている？」

「わ・・・・・わたしはマリーと申します今日は魔力測定にシスターと一緒に来ました」

「レイアンヌ様！今日は平民の子の測定日です」

「そうか・・・・そういえばそうだったな」

「はい、レイアンヌ様が体調を崩してしまったため今日になってしまったんですよ」

「あ～だから平民と一緒になってしまったんだなまあいい・・・・それよりもマリーとやらお前に親はいるのか？」

「わ・・・・・わたしは孤児です親はいません」

「そうか父上の隠し子？というわけではないのだな」

「レイアンヌ様！！ありえませんよ旦那様は奥様一筋です」

「それはそうだが何故こんなにもそっくりなのだ！！説明がつかないではないか」

「レイアンヌ様それは・・・・・「レイ！どうしたの？何かありましたか？」

彼らのやり取りに困惑しているとまた誰かの声がするそれは女性のようで彼の母親と思われた
侍女らしき人に手を引かれたご婦人は彼と同じ金髪の髪を緩やかにまとめて清楚なドレスを身に纏っていた
その青いドレスはいたるところに刺繍が施され一見地味ながらもご婦人によく似合っていた
彼女は何気なく視線をわたしに移すと一瞬息を呑んで食い入るように見つめているのがわかった

「あっ・・・・・・あ・・・ああ」

「・・・？は、母上？どうしました？」

「お、奥様！？どうしました？奥様？」

彼らに奥様と言われる人物があたしを見たまま固まっていることに気が付くと侍女と思われる人物はあたしの顔を見るとそのまま目を見開いたまま驚いている・・・・・あたしはどうしたらいいかわからずに困惑しているとシスターミラの声が聞こえてほっと息をついた

「マリー遅くなってごめんなさ・・・・え？どうしたの？これはいったい」

「シスター・・・・・」

思わずシスターミラに縋るような声を出してしまっていた