転生した平凡顔な捨て子が公爵家の姫君?平民のままがいいので逃げてもいいですか

青波明来

文字の大きさ
61 / 68

61

しおりを挟む
「マリーちゃん?マリーちゃん?どうしたのなにかあった?」

「い・・・・・いいえ!!なんでもないです大丈夫です」

あれからレイアンヌ様に強く引き留められたけれどあたしは振り切るようにその場を後にした
だって結果は明白だったから・・・・ショックと言えばショックだったけどなんとなくそんな気がしていた
心のどこかで結果は最悪なんじゃないかって自分で思っていた

あたしの家族はまだ赤ん坊のあたしを捨てた、その事実は揺るぎようがない
マリーは・・・・・あたしはシュバイツァー公爵家の娘じゃないんだ、もう忘れるんだ
自分にそう言い聞かせると見られないようにそっと涙を拭った

実は今日はイザベラ様のところにお手伝いに来ている
何故かというとやっとアルフレッド君が討伐から帰って来たからだ
無事帰還したお祝いに師匠も工房のみんなも集まって朝からごちそうを作っているんだけど・・・・

「久しぶりだな、元気にしてたか?」

「あ、アルフレッド様」

「様はいらない・・・・・アルでいい」

「あ・・・・アルお帰りなさい」

「ただいまちょっと遅くなってしまったけど・・・・そんなことよりお前ちょっと痩せたか?」

「そ・・・・・そうかな?気のせいですよ!あ・・・・あたしちょっと手伝ってきます」

「お、おい!!ちょっと待て」

「お帰り無事でよかったよ、討伐は大変だったそうだが元気そうで安心したよ」

「ええまあ、でも思った以上に負傷者が多くて大変っちゃ大変でしたが・・・・ってかそれよりどうしたんです?」

「なにがだい?」

「気が付かないとでも思ったんですかマリーですよ!なんであんなにやつれてんですか!!俺のいない間に何があったんです?」

奥の簡易キッチンに消えたマリーの姿を目で追いながらアルフレッドは師匠のライラに視線を向けた

「ここじゃおいそれと言えない話だから裏庭に行くよ」

師匠の言葉に頷くと裏庭へと急ぐ、即座に防音の結界を張った師匠に目を見張る
それだけ重要な話ってことか・・・・

「・・・・・・は?今なんて?」

「マリーはシュバイツァー公爵家の娘だ、わたしはそう思っている」

「師匠それは何か根拠が・・・・・いや証拠があるんですか?確かシュバイツァー公爵家の娘と言えば生まれてすぐ亡くなったとか行方がわからないとか色んな噂があって王族や公爵家でも触れてはいけない話だって俺も小さい頃から言われてた話ですよ」

「マリーは聖魔法が使える」

「・・・・・は?」

「今は本人の希望でわたしが認識阻害の魔法をかけているが今の姿は本当の姿ではない」

「師匠・・・・・」

「偶然公爵家の子息であるレイアンヌ様に会う機会があってね、彼とマリーは顔がそっくりだし尚且つ聖魔法が使えると聞いてついこの間隣国の魔道具で血縁であるかの確認をしたんだよ」

「で・・・・・結果は?」

「レイアンヌ様と鑑定したんだが結果はお察しのとおり兄妹ではなかった」

「そうですか・・・・・「だがおかしなことに何故かアウラさんも鑑定することになってね」

「もしや彼女は・・・・?」

「彼女は公爵様の血縁者という結果が出たんだ」

「そんなばかな!!それはありえない話です」

「ありえないって何故そんなことを言うんだよ結果は魔道具で出ている」

「俺は彼女の両親と偶然会ったんです、彼女父親にそっくりでしたよ」

「本当かい?一体どこで会ったんだい?」

「魔物討伐の時偶然にね・・・・村ではひと際目をひく家である意味有名人でしたよ」

「彼女孤児じゃなかったのかい?」

「そうなんですか?何か色々事情がありそうでしたけど・・・・師匠俺、色々調べてみていいですか?」

「いいけどマリーには言わないほうがいいかもねえ」

頷いた俺が拳を握りしめたと同時に師匠はさっと何事もなく結界を解く
ゆっくり歩き出した俺は平静を装い思わず深呼吸をしていた

しおりを挟む
感想 13

あなたにおすすめの小説

一級魔法使いになれなかったので特級厨師になりました

しおしお
恋愛
魔法学院次席卒業のシャーリー・ドットは、 「一級魔法使いになれなかった」という理由だけで婚約破棄された。 ――だが本当の理由は、ただの“うっかり”。 試験会場を間違え、隣の建物で行われていた 特級厨師試験に合格してしまったのだ。 気づけばシャーリーは、王宮からスカウトされるほどの “超一流料理人”となり、国王の胃袋をがっちり掴む存在に。 一方、学院首席で一級魔法使いとなった ナターシャ・キンスキーは、大活躍しているはずなのに―― 「なんで料理で一番になってるのよ!?  あの女、魔法より料理の方が強くない!?」 すれ違い、逃げ回り、勘違いし続けるナターシャと、 天然すぎて誤解が絶えないシャーリー。 そんな二人が、魔王軍の襲撃、国家危機、王宮騒動を通じて、 少しずつ距離を縮めていく。 魔法で国を守る最強魔術師。 料理で国を救う特級厨師。 ――これは、“敵でもライバルでもない二人”が、 ようやく互いを認め、本当の友情を築いていく物語。 すれ違いコメディ×料理魔法×ダブルヒロイン友情譚! 笑って、癒されて、最後は心が温かくなる王宮ラノベ、開幕です。

おばさんは、ひっそり暮らしたい

波間柏
恋愛
30歳村山直子は、いわゆる勝手に落ちてきた異世界人だった。 たまに物が落ちてくるが人は珍しいものの、牢屋行きにもならず基礎知識を教えてもらい居場所が分かるように、また定期的に国に報告する以外は自由と言われた。 さて、生きるには働かなければならない。 「仕方がない、ご飯屋にするか」 栄養士にはなったものの向いてないと思いながら働いていた私は、また生活のために今日もご飯を作る。 「地味にそこそこ人が入ればいいのに困るなぁ」 意欲が低い直子は、今日もまたテンション低く呟いた。 騎士サイド追加しました。2023/05/23 番外編を不定期ですが始めました。

最愛の番に殺された獣王妃

望月 或
恋愛
目の前には、最愛の人の憎しみと怒りに満ちた黄金色の瞳。 彼のすぐ後ろには、私の姿をした聖女が怯えた表情で口元に両手を当てこちらを見ている。 手で隠しているけれど、その唇が堪え切れず嘲笑っている事を私は知っている。 聖女の姿となった私の左胸を貫いた彼の愛剣が、ゆっくりと引き抜かれる。 哀しみと失意と諦めの中、私の身体は床に崩れ落ちて―― 突然彼から放たれた、狂気と絶望が入り混じった慟哭を聞きながら、私の思考は止まり、意識は閉ざされ永遠の眠りについた――はずだったのだけれど……? 「憐れなアンタに“選択”を与える。このままあの世に逝くか、別の“誰か”になって新たな人生を歩むか」 謎の人物の言葉に、私が選択したのは――

幽閉王女と指輪の精霊~嫁いだら幽閉された!餓死する前に脱出したい!~

二階堂吉乃
恋愛
 同盟国へ嫁いだヴァイオレット姫。夫である王太子は初夜に現れなかった。たった1人幽閉される姫。やがて貧しい食事すら届かなくなる。長い幽閉の末、死にかけた彼女を救ったのは、家宝の指輪だった。  1年後。同盟国を訪れたヴァイオレットの従兄が彼女を発見する。忘れられた牢獄には姫のミイラがあった。激怒した従兄は同盟を破棄してしまう。  一方、下町に代書業で身を立てる美少女がいた。ヴィーと名を偽ったヴァイオレットは指輪の精霊と助けあいながら暮らしていた。そこへ元夫?である王太子が視察に来る。彼は下町を案内してくれたヴィーに恋をしてしまう…。

美男美女の同僚のおまけとして異世界召喚された私、ゴミ無能扱いされ王城から叩き出されるも、才能を見出してくれた隣国の王子様とスローライフ 

さくら
恋愛
 会社では地味で目立たない、ただの事務員だった私。  ある日突然、美男美女の同僚二人のおまけとして、異世界に召喚されてしまった。  けれど、測定された“能力値”は最低。  「無能」「お荷物」「役立たず」と王たちに笑われ、王城を追い出されて――私は一人、行くあてもなく途方に暮れていた。  そんな私を拾ってくれたのは、隣国の第二王子・レオン。  優しく、誠実で、誰よりも人の心を見てくれる人だった。  彼に導かれ、私は“癒しの力”を持つことを知る。  人の心を穏やかにし、傷を癒す――それは“無能”と呼ばれた私だけが持っていた奇跡だった。  やがて、王子と共に過ごす穏やかな日々の中で芽生える、恋の予感。  不器用だけど優しい彼の言葉に、心が少しずつ満たされていく。

好きな人に『その気持ちが迷惑だ』と言われたので、姿を消します【完結済み】

皇 翼
恋愛
「正直、貴女のその気持ちは迷惑なのですよ……この場だから言いますが、既に想い人が居るんです。諦めて頂けませんか?」 「っ――――!!」 「賢い貴女の事だ。地位も身分も財力も何もかもが貴女にとっては高嶺の花だと元々分かっていたのでしょう?そんな感情を持っているだけ時間が無駄だと思いませんか?」 クロエの気持ちなどお構いなしに、言葉は続けられる。既に想い人がいる。気持ちが迷惑。諦めろ。時間の無駄。彼は止まらず話し続ける。彼が口を開く度に、まるで弾丸のように心を抉っていった。 ****** ・執筆時間空けてしまった間に途中過程が気に食わなくなったので、設定などを少し変えて改稿しています。

『白い結婚だったので、勝手に離婚しました。何か問題あります?』

夢窓(ゆめまど)
恋愛
「――離婚届、受理されました。お疲れさまでした」 教会の事務官がそう言ったとき、私は心の底からこう思った。 ああ、これでようやく三年分の無視に終止符を打てるわ。 王命による“形式結婚”。 夫の顔も知らず、手紙もなし、戦地から帰ってきたという噂すらない。 だから、はい、離婚。勝手に。 白い結婚だったので、勝手に離婚しました。 何か問題あります?

虐げられた私、ずっと一緒にいた精霊たちの王に愛される〜私が愛し子だなんて知りませんでした〜

ボタニカルseven
恋愛
「今までお世話になりました」 あぁ、これでやっとこの人たちから解放されるんだ。 「セレス様、行きましょう」 「ありがとう、リリ」 私はセレス・バートレイ。四歳の頃に母親がなくなり父がしばらく家を留守にしたかと思えば愛人とその子供を連れてきた。私はそれから今までその愛人と子供に虐げられてきた。心が折れそうになった時だってあったが、いつも隣で見守ってきてくれた精霊たちが支えてくれた。 ある日精霊たちはいった。 「あの方が迎えに来る」 カクヨム/なろう様でも連載させていただいております

処理中です...