転生した平凡顔な捨て子が公爵家の姫君?平民のままがいいので逃げてもいいですか

青波明来

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それは彼女の何気ない一言がきっかけだった
今思えばこんな展開で再びあの人と会うことになるなんて思いもしなかったけど・・・・

「あの・・・・・ちょっといいでしょうか?」

「なあに?シンディ」

この工房で一番のベテランお針子さんのシンディさんがいつになく真剣な表情で答え始めた
いつも言葉少なな彼女だけど仕事ぶりはすこぶる真面目でイザベラ様が一番信頼を置いている人物でもある

「全く同じ生地に同じデザインのドレス、商家や裕福な平民のパーティーでもこれは避けるべき案件です。ましてや
このドレスはこの国の筆頭である公爵令嬢が婚約者である王太子殿下のお誕生日に着るドレスですいくら聖女アウラ様がシュバイツァー公爵家の養女になったとは言え彼女は元孤児院出身の平民です私には彼女の悪意しか感じられません」

「シンディ・・・・・あなたもしや聖女様がわざとこんなことをしたと思ってるの?」

「イザベラ様わたしの耳にも聞こえてきます聖女様と王太子様の仲が只ならぬ仲だと・・・・疑いの目を向けてもおかしくはないと思いますそれにこの件は私たちには手に余ります下手するとこの工房の存続にも関わります!なのでいっそのことシュバイツァー公爵家の公爵夫人に相談してはいかがでしょうか?」

「公爵夫人に・・・?」

「はい!聖女様の義母上でもありますしとても慈悲深く穏やかなご婦人と噂でお聞きしました悪いようにはしないように思えるのですきっと知恵を授けて下さいます」

「そうねえ・・・・・公爵夫人・・・」

ちらっとイザベラ様があたしのほうを見ると柔らかな笑みを浮かべたような気がした
シュバイツァー公爵夫人・・・・あたしの実の母親と言われる人
何かいまひとつピンとこない、そんな高位貴族のご婦人があたしの母親だなんて・・・・



・・・・・・で、なんでこうなったんだろう?


「さあ、マリアンヌもドレスを作りましょう!」

「え?え?で・・・・・でもあの」

「あなたはこのシュバイツァー公爵家の娘なのよあなたのドレスを作ることがあたしの夢だったのわたしを失望させないで」

今日はイザベラ様と二人でアウラ様のドレスの件で公爵家にお邪魔している
会うなり涙を流さんばかりに抱きしめられこんな会話になってるんだけど・・・・・

「こ・・・・・公爵夫人あの・・・・きょ今日はアウラ様のドレスの相談に」

「イザベラ様彼女・・・・本当に聖女なのかしら?」

「・・・・・は?「まあいいわ、またあの子またなにかトラブルでも?」

「こちらをご覧ください公爵夫人はどう思われますか?」

二枚のデザイン画を見た彼女は同じドレスねとひと言言うと黙りこくったまま・・・・
イザベラ様は彼女に事の経緯を話し始める、数分後話し終えると公爵夫人からの深いため息が辺りの空気を揺らしたように思えた

「何を考えているのかしら・・・・・」

「あの・・・・今から新たに作るとなると他のお嬢様方のドレスもあるので到底間に合わないかと」

「このままでいいわ「・・・・・・は?」

「面白そうだわこれくらいの事が対処できないようでは王太子妃になど到底無理ね」

意外なことを言い出した公爵夫人にパーティーは荒れそうだなと思ったのはあたしだけではない
事実パーティーはいつにない展開に見舞われ社交界と王室は荒れに荒れたのだった

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感想 13

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みんなの感想(13件)

きりりこ
2025.04.14 きりりこ

続きをありがとうございます!
これからの展開が気になりますが、作品は書き手さんのものですがら、想うまま好きに書いて下さいね 
気長に、楽しみに待っています 
(自分は過度のざまぁは、特に興味ない派です)

解除
きりりこ
2025.01.10 きりりこ

自分はかなりの読み専ですが、面白いと思うお話は多くないです。
ptや♡が多くても、ちょっと…なものも少なくないです。
こちらのお話は、面白いのにptが増えないのがとても不思議です…
これからも、続きを楽しみにしています。

解除
Conanlove
2025.01.07 Conanlove

糞屑偽物女に天誅下してくださいね!

解除

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