東京バベルブレイカー～殺戮都市バベル～

招待状

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～とある高校～


「は？  コーラっつっただろ？  なんでジンジャーエールなんだよ」


「な、なんでだろうね。コーラのボタンを押したんだけど……ははは」


苦笑いを浮かべる少年と、自分が買って来いと言った物と違う物を持ってこられて不機嫌そうな不良っぽい少年。


微かに不良っぽい少年が動いた瞬間、何か危険を察知したのかもう一人の少年はその場から逃げ出した。


高山真治。この物語の主人公である。


教室から飛び出し、廊下を全速力で走るが、不良もそれを追い掛ける。


なぜかその取り巻き二人も一緒になって真治を追い掛けているのだ。


「な、なんで俺が悪いんだよ！  文句があるなら自分で買いに行けよ！  人の金でパシらせてるくせにさ！」


廊下を走り、階段を下り、何とか捕まらないようにと必死に逃げる。


昼休みが終わって、午後の授業が始まる時には結局教室に戻るというのに。


こんないじめを毎日のように受けて、真治は無意識に逃げることが身に付いてしまったのである。


校舎から飛び出し、植え込みの中に飛び込むようにして隠れた。


「あの野郎！  逃げ足だけは速いぜ！  おい、絶対に捕まえろ！  ぶち殺してやる！」


少しして、植え込みの横を通り過ぎる足音と、そんな声が真治の耳に届いた。


どうやら隠れていることには気付かなかったようだ。