上 下
36 / 682
戦闘行為

system_0036

しおりを挟む
なるほど。さっきみたいな決闘では、そういうこともあまりありそうにないが、集団戦なら突然脇から出て来た刃物に刺されるなんてこともありそうだなと、あの人の群れを思い出して真治は考えた。


「そして、賞金を手にするには決闘で勝つしか方法はない。つまりさっきの決闘では、風助に田中の賞金が入ったというわけさ」


「そういうこと。それでね、さっき言った総力戦なんだけど、東西南北の軍に分かれているって言ったよね?  各軍は光の壁で遮られてて、普段は行き来が出来ないようになっているの」


色々と教えてくれるのは嬉しいが、真治も明美もあまり理解していないといった様子で首を傾げた。


「その辺りは本番になったら教えよう。習うより慣れろって言うだろ?」


新崎さんの言葉に、奈央さんもハッとしたような表情を浮かべて頷いた。


「えっと……その総力戦っていつ頃あるんですか?  最初は見学したいな……なんて、やっぱり無理ですか?」


「無理だね。東軍の連中は、真治くんが命乞いをしても殺しにかかるだろう。死にたくなければ戦わなければならないんだ」


最初から期待はしていなかったが、改めて言われるとショックを受ける。


「それでね、総力戦なんだけど……30分後に始まるから早くご飯を食べてね」
しおりを挟む

処理中です...