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戦闘行為

system_0066

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路地で民家の壁にもたれて、失った罪悪感を探そうと初めて人を殺した感覚を思い出していた。


確かにあの時は苦しんだのに、なぜか今はそれに伴う不安が一切ないのが怖くてたまらない。


手の震えもなく、それが当然だと身体も認識しているようだった。


「奈央さん、俺はおかしくなってしまったんですか。人を殺して、何も感じないなんて明らかにおかしいじゃないですか」


路地から大きな道を見張っている奈央に尋ねると、真治の方を向きもせずにポツリポツリと話し始める。


「私はそうなるまでにもう少し時間が掛かったかな。武器にはね、レアリティによって精神耐性の強さが異なるみたいなの。真治くんの武器は星5レアだから、心を守ってくれる力が強いってわけ」


「……なんですかそれ。それじゃあまるで、レアリティが高い武器を引いた人は戦えって言われているみたいじゃないですか。罪悪感はなくても、人を殺す行為に抵抗が無くなったわけじゃないのに」


振り回すことに慣れたせいか、こころなしか右手に持っている日本刀が軽くなっているように感じる。


PBMを取り出して、プロフィールを確認してみると日本刀のレベルが5に。


戦えば戦うほどレベルが上がるのだろうなと、少し輝きを増した日本刀の刃を見詰めながらそう考えていた。
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