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死神と荒獅子

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「ただいま」


アジトに戻り、奈央がそう言うと部屋の奥から新崎が顔を覗かせた。


「おかえり。いやあ、まさか星4レアが二人も来るとはね。でも帰って来たってことは、無事に逃げられたってことだね」


新崎が逃げ出した後、何が起こったかも知らずにいい気なものである。


「何言ってるんだか。一馬が逃げた後ね、真治くんが私達を守って戦ってくれたんだよ!?  明美は殺られちゃったけどさ」


呆れたように言った奈央の言葉を聞いて、驚いた様子で新崎が真治を見る。


「ま、まさかあの二人を倒し……」


「倒してないですからね?  黒井さんが駆け付けて、助けてくれたんです。本当に、ヒーローみたいでしたよ」


何を言い出すかは予想が出来たから、真治は新崎の言葉に被せるように、そう言ってデスクチェアに座った。


オフィスに使われているだけあって、座る為の椅子には不自由しない。


「でも、この総力戦で真治くんは強くなったと思う。星4のあの二人は無理でも、そこらの星3となら渡り合えるんじゃないかな」


レジ袋をデスクの上に置いて、奈央が朝食を取り出したが、新崎はそれをジッと見て物欲しそうに口を開ける。


そう言えば、自分達の食事だけ買っていたが新崎の分は買っていなかった。


いい大人なのだから、自分で買うだろうと思い込んでいたのかもしれない。
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