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死神と荒獅子

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「ふんっ!  やはりそう楽には勝たせてくれんか!  戦うメリットなどないと言うのに!」


地面を強く蹴り、後方へと飛び退いた死神だったが、着地した黒井がさらに高速で迫る。


手にしたソードブレイカーを振り、死神の首を刈り取ろうとするが、死神もそう簡単に命を奪わせてはくれない。


両手のトンファーでソードブレイカーの斬撃を弾き続けるが、ランスの時の直線的な動きとは違いテクニカルで細かい動きで翻弄する。


「ええい!  鬱陶しいっ!」


トンファーを振った勢いで身体を回転させ、黒井の脇腹に回し蹴りを食らわせた死神。


「ぐっ!」


その反動でお互いが離れ、体勢を整えてお互いに睨み合う状態になったが、このままでは勝負がつきそうにないのは明白だった。


「やれやれ。驚いたぞ。正攻法でここまで私とやり合える者がいるとはな。仕方あるまい……次の一撃でお前を倒す。それが怖くなければ攻撃するがいい」


そんな中で、死神は自信満々に黒井を指差してそう言ったのだ。


これに怪訝な表情を浮かべたのはもちろん黒井。


確かにこのまま戦っていたら永遠に決着がつきそうにない気がするが、次の一撃で倒すとはどういうことかと。


何か切り札があるのかと警戒はしたが、これ以上消耗するのは黒井にとってもいいことはなかったから。
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