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西の地で

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構ってほしそうに奈央の耳元で囁く中年男性。


それでも必死に関わってはいけないと、頑なに反応しようとしない二人。


「まさか……俺は透明人間にでもなったのか!? それだったらどんなことをしても俺だとバレないじゃないか! 神様ありがとう! じゃあとりあえずこのガールのお尻の感触から……」


と、中年男性が奈央の尻に手を伸ばしたが、さすがにそれには反応してしまったようで。


すぐに振り返り、中年男性の顔を掴んで睨み付けた。


「おいおっさん。調子に乗ってるとお前の汚いモノを細切れにしてポーンに食わせるぞ? あぁん?」


「ひえっ! でも新感覚! Mの僕が目覚めそう! ハァハァ」


中年男性と真治は、予想外の奈央の凄味に身体を震わせた。


まさか、怒ったらこんなに恐ろしいなんて思いもよらなかったのだろう。


しかしそのおかげで中年男性に反応してしまったのだから、もう後戻りは出来なかった。


「何この変態……というか何なんですか? 私達、初めての侵攻で不安なんです。そっとしておいてください」


「ほう?  やはり俺の見立ては間違っていなかったようだねプリティガール。そしてボーイ。俺の名前は内藤大地! 侵攻のプロである俺が、キミ達の手助けをしてあげようじゃないかっ!」
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