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西の地で

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体勢を立て直して何とか着地をした真治は、己の甘さを悔やんだ。


ポーンといえど、これ程の人がいるなら追い払うくらいならどうにか出来るかもしれない。


ソウルの残りが少なくなるとわかっていて、ガチャを引くという危険な行為をしなくてもいいと、心のどこかでそんなことを思っていたに違いない。


だがその考えが内藤の死に繋がってしまったのだ。


先程の人と違い、光の粒になった内藤は食べ応えが無いのか、ポーンは不思議そうに口を動かして周囲を見回している。


このタイミングしかない。


真治はPBMを取り出すと、ガチャを引く。ソウルはもう、ほとんど無いくらいの状態だが、ここで死んでしまうよりは少しでも強くなって、追い払える可能性を上げたい。


「えっと、三葉さん。またサポートをお願いしたいんですけど。俺は攻撃に集中するので……」


まだ真治には、攻撃と防御を同時に行える程の器用さはない。戦い方も粗く、誰かのサポートが無ければあっという間に死んでしまうのは明白。


何となくそれに気付いていた三葉だったから、真治が食われそうになったのを察知し、助けることが出来たし、この状況でこれを断る理由は三葉には無かった。


「坊やのくせに、この三葉さんを使おうだなんて生意気だね。でも、私もそれしかないって思ってたから乗ってあげる。思い切り行きなさいよ」
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