214 / 682
罪と罰
system_0214
しおりを挟む
ポツリポツリと雨が降り始めた。
まだ僅かに感じる程度で、本降りまではまだ時間がある。
大通り沿いのビルの上を移動し続けていたが、吹雪が突然声を上げた。
「少年、跳ぶよ! 真似してごらん!」
そして、ビルの屋上にある柵に飛び乗ると、それを蹴ってヒラリと舞い上がり、なんと四車線の道路を軽々と飛び越えたのだ。
「え、え!? 真似って……無理ですよこんなの!」
柵にぶつかるようにして止まり、身を乗り出して眼下を見るが、かなりの高さがある。
密集したビルとビルの間や、高低差がある移動なら勢い任せで乗り越えることが出来ていたが、この幅は真治にとってはハードルが高かった。
「武器を持って集中するんだよ。今の少年なら出来るから! 跳べるってイメージして!」
既に向こう側のビルに移動した吹雪が跳び方を教えてくれているが、真治にはそれが出来るとはとても思えない様子。
「む、無理ですよ……こんなの」
「何言ってんのさ! 私達に、一緒に行きたいって言ったのは嘘だったわけ!? こんなことで諦めるようなやつは仲間にいらないよ!」
その言葉は、真治の心に深く突き刺さった。
元より自分よりも強い人達について行こうとしていたのに、無理だなんて泣き言を言っていてどうするのだと。
あの時、無理を押し通すつもりで頼んだのに、無理だと弱気になってどうするのだと。
まだ僅かに感じる程度で、本降りまではまだ時間がある。
大通り沿いのビルの上を移動し続けていたが、吹雪が突然声を上げた。
「少年、跳ぶよ! 真似してごらん!」
そして、ビルの屋上にある柵に飛び乗ると、それを蹴ってヒラリと舞い上がり、なんと四車線の道路を軽々と飛び越えたのだ。
「え、え!? 真似って……無理ですよこんなの!」
柵にぶつかるようにして止まり、身を乗り出して眼下を見るが、かなりの高さがある。
密集したビルとビルの間や、高低差がある移動なら勢い任せで乗り越えることが出来ていたが、この幅は真治にとってはハードルが高かった。
「武器を持って集中するんだよ。今の少年なら出来るから! 跳べるってイメージして!」
既に向こう側のビルに移動した吹雪が跳び方を教えてくれているが、真治にはそれが出来るとはとても思えない様子。
「む、無理ですよ……こんなの」
「何言ってんのさ! 私達に、一緒に行きたいって言ったのは嘘だったわけ!? こんなことで諦めるようなやつは仲間にいらないよ!」
その言葉は、真治の心に深く突き刺さった。
元より自分よりも強い人達について行こうとしていたのに、無理だなんて泣き言を言っていてどうするのだと。
あの時、無理を押し通すつもりで頼んだのに、無理だと弱気になってどうするのだと。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
6
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる